シェルター | ペットを愛する詩人・園田恵子のシネマ日記

ペットを愛する詩人・園田恵子による映画コラム。ペット好きならではの独自の視点から、さまざまな映画のコラムを多数掲載、今後も続々と新作映画コラムが追加されていくので、お見逃しなく!また、PS保険のご契約者様に向けたプレゼントも多数ご用意しております。 プレゼントについて

ボローニャの夕暮れ

イタリアの巨匠が、自身の故郷ボローニャを舞台に名優を迎えて彩る、セピア色の甘美な郷愁

ボローニャの夕暮れ

原案、脚本、監督は、カンヌ国際映画祭やヴェネチア国際映画祭で審査員を務めたこともあり、ヨーロッパで高く評価される名匠プーピ・アヴァーティ。ラブロマンスからホラー、そして人間ドラマまで、一つのジャンルにとどまることなく精力的に映画製作を行っている彼が、家族というもっとも小さな人間関係を下敷きにして、普遍的な人間の本質を巧みに描き出す珠玉の作品を創りだした。

夫、娘にうまく愛情を注ぐことができないことに苛立ち、魅力的な夫の友人に想いを寄せる母親、美しい母親とさえない自分を比べて劣等感をもつ思春期の娘、そして娘に無防備なまでの愛情を注ぎ続ける父親──。

「人はどういうわけか、非常に個人的な物語を通して、自分の身の回りに起こっている、似たような出来事に想いを寄せるものなのです」と監督自身が語るように、本作は、50年以上前のボローニャに生きる市井の家族の愛憎を通して、現代の私たちが忘れかけている人の弱さ、可笑しさ、いとおしさを思い出させてくれる。

みんな不器用だけど、どこかいとおしい──

ボローニャの夕暮れ

1938年。第二次世界大戦前夜のイタリア、ボローニャ。17歳のジョヴァンナと父ミケーレ、母デリアは三人家族。お互いにわだかまりを持ちながらも、取り繕い、つつましく幸せに暮らしていた。

ある日、ミケーレの勤める学校で起こった女子生徒の殺人事件。亡くなった生徒の同級生だったジョヴァンナに嫌疑がかけられ、身柄を拘束されてしまう。事件の波紋、追いうちをかけるように訪れる開戦、日増しに激しくなる戦火。

平穏に見えた生活は少しずつほころび始める……。

初夏、渋谷ユーロスペース、銀座シネパトスほか全国順次公開

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筆者・園田恵子プロフィール(公式HP
大学在学中、文芸誌からデビュー。第一詩集『娘十八習いごと』が出版される。 歌舞伎や能の要素を新鮮な視点で現代詩に取り入れた手法は、若い世代の詩人の中でも異彩を放つ。エッセイストとしても活躍している。 テレビ朝日系列『ウィークエンドシアター』レギュラー出演など、映画関連の仕事も多く手がけている。
詩集に『日月譚』他、エッセイ集に『猫連れ出勤ノート』、『東京枕草子』、新刊に翻訳を手がけた『ペルセポリス1・2(2007年カンヌ映画祭審査員賞受賞映画『ペルセポリス』原作。) 』他多数。
2006年からの企画で、新人の発掘と詩集出版のプロデュースも手がけている。