事例 種類 病気・怪我の種類 お支払い金額
1 骨折 約65万円
2 胆嚢炎、下痢、腫瘍 約60万円
3 レッグ・ペルテス 約55万円
4 重症筋無力症 約50万円
5 気胸 約50万円

※お支払い金額は1回の請求ベースで掲載しております。
※個別の契約に関してはお答えできません。個人が特定できない範囲で情報を掲載しています。

請求書類到着日から
着金するまでの日数
平均
11.7

※2023年3月1日~2023年3月31日に保険金支払手続きを行った事案
※保険金請求書類が整った日の翌日から起算してお客さまの口座に振り込まれる日までの実日数(土日祝日を含みます)

一日も早いご回復を心よりお祈り申し上げます。

[追記日] 2023年7月26日

平均的な保険金のお支払い事例

保険金のお支払いは、上記のように高額なものに限りません。次に、平均的な保険金のお支払い事例としてペットの外傷の診療をご紹介します。

事例 種類 病気・怪我の種類 お支払い金額
1 外傷 約33,000円

上記金額は、1,000円未満を切り捨てています。

高額診療「犬のレッグ・ペルテス」を獣医師が解説

2023年3月度の高額保険金お支払い事例で取り上げた「犬のレッグ・ペルテス」の診療内容について、当社ペット保険付帯サービス『獣医師ダイヤル』を担当されています「電話どうぶつ病院Anicli24」院長、三宅亜希先生にご解説いただきました。

レッグ・ペルテスとは、どんな病気なのか

レッグ・ペルテス(レッグ・カルベ・ペルテス)は、股関節の病気で、生後1歳未満の子犬に起こりやすいと言われます。股関節は骨盤と大腿骨(だいたいこつ)の連結部で、骨盤のくぼみに大腿骨頭(大腿骨上部にある球状の骨)がはまり込む形で成り立っています。レッグ・ペルテスは、大腿骨頭の壊死により、痛みを生じさせます。痛みにより患肢(病気やケガをしている足)を使わなくなるため、筋肉が痩せてきます。壊死を起こす原因は大腿骨の成長版への血液供給不足ですが、なぜ血液が供給されなくなるのかははっきりとはわかっていません。

(無菌性)大腿骨頭壊死症とも呼ばれています。

レッグ・ペルテスの好発犬種(その病気にかかりやすい犬種)として、トイ種(チワワ、ポメラニアン、マルチーズ、トイ・プードルなど)や小型のテリア種(ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア、ヨークシャー・テリア、マンチェスター・テリアなど)が挙げられます。

通常は、片側に生じますが、12%~16.5%の犬では両側に生じることが報告されています。

遺伝のリスクがあるため、レッグ・ペルテスを発症した犬は交配に適しません。

事例の犬のレッグ・ペルテスの通院日数、入院日数、手術回数について

種別
傷病名 レッグ・ペルテス
通院日数 0日
入院日数 24日
手術回数 1回

※上記の数値は、PS保険加入者さまから請求されたものであり、ペットメディカルサポート株式会社が補償する範囲を示すものではありません。また、平均や水準を示すものでもありません。

入院日数は1週間前後となることが多いですが、術後のリハビリテーションに通えない場合や、犬の性格や飼育環境により自宅で安静にできない場合は、入院日数が伸びることもあります。

犬のレッグ・ペルテスの診療内容

※下記の内容は、犬のレッグ・ペルテスの一般的な診療についての記述であり、PS保険にご請求いただいた事案の診療内容とは異なります。

検査

問診、視診、触診

飼い主さんに症状が始まった時期やきっかけ、日常生活での様子、既往歴の有無、薬の投与歴などの問診を行い、犬の体格、四肢の位置、体重のかけ方、座り方、筋肉の付き方などを観察します。

歩行検査

ゆっくり歩いたり、速足で歩いたりなど、犬の歩行の状態を観察します。

画像検査

以上の検査で犬にレッグ・ペルテスが疑われたら、レントゲン検査を行います。大腿骨頭の変性状況を確認したり、ほかの疾患(骨折、腫瘍など)を除外したりします。

初期の段階でレントゲン検査でははっきり異常がわからない場合は、MRI検査を行うこともありますが、全身麻酔が必要です。

治療法

犬のレッグ・ペルテスでは、外科治療が第一選択です。内科治療で経過を見る場合もありますが、効果はあまり期待できません。

外科治療

外科治療では、痛みの原因となっている大腿骨頭を切除する手術を行います。

なお、外科治療は全身麻酔下で行うため、全身麻酔を安全に行えるのかを確認する必要があり、術前検査として血液検査や胸のレントゲン検査を行います。

内科治療

内科治療では、炎症を抑える薬を使用します。しかし、痛みをコントロールできるケースは少なく、ほとんどが外科治療に移行します。

予後

痛みのコントロールとリハビリテーションが重要になります。術後数日は運動を制限しますが、術後すぐから股関節の可動域を改善するためのリハビリテーションが推奨されます。退院後も定期的な診察を行い、経過を観察し、リハビリテーションを実施します。自宅で行うリハビリテーションやマッサージも重要です。積極的にそれらができると、日常生活に影響が出ることはなく元気に過ごせるようになります。

まとめ

痛い状態が長く続くほど、患肢を使いたがらず筋肉が衰えてしまうため、治療までのスピードが重要です。腰をかむなど股関節のあたりを気にする様子があったり、歩き方に少しでも違和感を覚えたりしたら、病院を受診し、必要に応じて詳しい検査を受けましょう。

ベストな治療は外科手術であり、診療費は高額です。しかし、適切なタイミングで適切な治療を受けることで、犬は痛みから早く解放され、通常どおりお散歩やお出かけなど日常生活を楽しめるようになります。

執筆者プロフィール

三宅亜希 先生
三宅亜希 先生

獣医師。日本で唯一の電話相談専門病院である「電話どうぶつ病院Anicli24」院長。電話による24時間365日の相談、健康診断や未病予防の啓発、獣医師向けのホスピタリティ講演などを中心に活動。