事例 種類 病気・怪我の種類 お支払い金額
1 異物誤飲 約60万円
2 僧帽弁閉鎖不全症 約45万円
3 僧帽弁閉鎖不全症、気管支疾患ほか 約45万円
4 膀胱結石、門脈体循環シャント 約45万円
5 腸腺癌、外耳炎 約40万円

※お支払い金額は1回の請求ベースで掲載しております。
※個別の契約に関してはお答えできません。個人が特定できない範囲で情報を掲載しています。

請求書類到着日から
着金するまでの日数
平均
14.41

※2021年4月1日~2021年4月30日に保険金支払手続きを行った事案
※保険金請求書類が整った日の翌日から起算してお客さまの口座に振り込まれる日までの実日数(土日祝日を含みます)

一日も早いご回復を心よりお祈り申し上げます。

[追記日] 2021年8月26日

平均的な保険金のお支払い事例

保険金のお支払いは、上記のように高額なものに限りません。次に、平均的な保険金のお支払い事例としてペットの毛球症の診療をご紹介します。

猫の毛球症について詳しく

事例 種類 病気・怪我の種類 お支払い金額
1 毛球症 31,000円

上記金額は、1,000円未満を切り捨てています。

高額診療「犬の異物誤飲」を獣医師が解説

2021年4月度の高額保険金お支払い事例で取り上げた「犬の異物誤飲」の診療内容について、当社ペット保険付帯サービス『獣医師ダイヤル』を担当されています「電話どうぶつ病院Anicli24」院長、三宅亜希先生にご解説いただきました。

異物誤飲とは、どんな傷病なのか

食べ物以外のものを誤って飲み込んでしまうことを異物誤飲と言います。飲み込んですぐに自ら吐き出したり、便と一緒に排泄されたりする場合もあります。しかし、鋭利なものを飲み込んでしまうと、胃や腸を傷付けたり、異物が細い腸管を通過できずに詰まって通過障害を引き起こしたりします。

子犬は何でもかみたがるので、おもちゃ、ぬいぐるみ、トイレシートなどをかじっているうちに、その一部を飲み込んでしまいがちで、特に注意が必要です。一方で、成犬になっても、散歩の途中で落ちているものを拾い食いする、デンタルケアの最中に歯磨きシートを誤飲する、梅干しの種やとうもろこしの芯をごみ箱から取ってきて飲んでしまうなどの事故は少なくありません。また、最近では飼い主さんのマスクを誤飲する事例が増えています。そのため、すべての年齢で注意をしたほうがいいでしょう。

※異嗜(いし)と呼ばれる、食事に適さない小石などを自ら好んで飲み込んでしまう症状もあります。異嗜のケースでは、散歩時にマズルを覆うカバーを付け、物理的に食べられないようにするなどの対応がしばしば必要です。

事例の犬の異物誤飲の通院日数、入院日数、手術回数について

種別
傷病 異物誤飲
通院日数 0日
入院日数 26日
手術回数 1回

※上記の数値は、PS保険加入者さまから請求されたものであり、ペットメディカルサポートが補償する範囲を示すものではありません。また、平均や水準を示すものでもありません。

犬の異物誤飲の診療内容

※下記の診察内容については、犬の異物誤飲の一般的な診療内容についての記述になり、PS保険にご請求いただいた事案の診療内容とは異なります。

検査

問診、視診

飼い主さんに誤飲した物、誤飲した日時などを聞き取ります。胃内に異物があると、大きな症状はあまり見られません。しかし、胃にたどり着く前に食道で詰まっていると、苦しそうな呼吸やよだれが確認できます。また、異物誤飲から時間が経過していて腸で詰まっている場合は、食欲廃絶、嘔吐が見られ、ぐったりした様子になります。

画像検査

超音波やレントゲンで異物の確認をします。しかし、異物の素材によってはレントゲンで確認できません。また、通過障害を確認するには造影剤を使用します。

血液検査

特に、嘔吐を始め症状が強く出ている場合は、全身状態の確認のために血液検査を行います。

治療法

異物がごく小さく、便とともに排泄される可能性が高い場合は、特に治療を行わず、経過観察をします。しかし、多くの場合、何らかの方法で異物を取り出す治療が必要になります。

異物が食道や胃内に確認できれば、内視鏡で取り出せます。内視鏡は全身麻酔下で行うため、術前検査(血液検査など)が必要です。

また、飼い主さんとの話し合いの結果、催吐処置を行おうとしても、異物が吐かせると危険な形状(尖っているなど)であったり、どんなものか不明だったりすると、選択できない場合もあります。

上記の方法が選択できない場合や、異物が腸管内に存在する場合は開腹手術を行います。開腹手術は全身麻酔下で行うため、術前検査(血液検査など)が必要となります。異物がある場所(胃、もしくは腸)を切開して異物を取り出します。

予後

内視鏡で異物を取り出せれば、多くの場合、その日のうちに帰宅できますが、食道や胃の粘膜が傷付いていると、入院が必要になるでしょう。胃切開を行った場合は、食事をとれるようになるまで数日の入院が必要になりますが、一般的に予後は良好です。一方、腸管内で通過障害を起こしていたような場合では、全身状態の悪化や腸粘膜の壊死が起こり得ます。こうなると、消化器官がきちんと回復するまで時間がかかり、入院日数が長くなるでしょう。

また、異物により消化管に穴が開く(消化管穿孔)と、腹膜炎のような重篤な合併症が起こります。

まとめ

犬の異物誤飲の多くは、ちょっと目を離した隙に起こります。口に入りそうなサイズの物は引き出しに入れ、ゴミ箱は蓋付きのものを使用しましょう。また、テーブルに物を置き、短い時間でもその場から離れるときは、犬をケージに戻すなど徹底しましょう。

執筆者プロフィール

三宅亜希 先生
三宅亜希 先生

獣医師。日本で唯一の電話相談専門病院である「電話どうぶつ病院Anicli24」院長。電話による24時間365日の相談、健康診断や未病予防の啓発、獣医師向けのホスピタリティ講演などを中心に活動。

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