猫の口呼吸の原因は?危険性や対処法を正しく知ろう

最終更新日:2024年03月29日

猫の口呼吸の原因は? 危険性や対処法を正しく知ろう

猫が口呼吸をしていたら要注意? 口で息するのがダメな理由とは

猫は口呼吸をあまりしない生き物です。そのため獣医師としては口を開けてハァハァと苦しそうにしている猫を見ると、要注意!何か問題が起きているかもしれない!と慎重になります。

命にかかわる重大な変化が起こっている危険性があるため、注意が必要です。猫が口呼吸をするときは、猫に何か重大なことが起きているサインかもしれないと知っておきましょう。

猫が口呼吸をする原因とは?

原因1. 病気を患っている

ここからは、猫が口呼吸をしてしまう主な原因について詳しくご紹介していきます。

原因1. 病気を患っている

猫が口呼吸している原因の病気の代表例は以下のものです。

  • 心臓の病気(心奇形や肥大型心筋症)
  • 肺の病気(肺炎や猫喘息)
  • 熱中症

軽い運動でも口呼吸をするなら、心臓や肺の病気を疑います。その場合、全身に必要な酸素量を届けることが出来ないために、鼻呼吸では間に合わずに口呼吸をして多くの酸素を取り入れようとしているのです。

原因2. ストレスをため込んでいる

猫はストレスがかかっている時や興奮している時も口呼吸をすることがあります。シチュエーションとしては以下のようなものです。

  1. 動物病院に連れていかれる
  2. 車に乗せられる
  3. 初めての場所に来た
  4. 知らない猫が来た

どれも基本的に猫が慣れない環境に置かれたときに、ストレスや緊張で口呼吸をすることが多いです。精神的に繊細な猫は、移動のためのキャリーケースに入れられた時から口呼吸が始まってしまうこともあります。

原因3. 運動後で疲れている

猫が激しい運動後に、興奮のしすぎで口呼吸をすることがあります。若い猫に多い傾向があり、高齢の猫ではそこまで興奮状態で運動しすぎることは少ないでしょう。

人間と同じように、過度な運動を一定時間以上おこなうと、体の酸素要求量が増えるので、鼻での呼吸では間に合わなくなります。

さらには猫は汗をかかないために、運動によって上昇した体温を下げるためにも口呼吸をするのです。基本的には心配のない行動ですが、あまりにも頻回に口呼吸をするなら検査をお勧めすることもあります。

原因4. 鼻詰まりを起こしている

猫の口呼吸の原因の一つに鼻詰まりがあります。

鼻詰まりは人間でもよくあることかと思いますが、両方の鼻が呼吸できないほどに詰まってしまうのは猫にとっては重症です。猫の食欲は匂いに依存しているところが大きいので、両鼻がつまっていると食欲が低下して体重が減少してしまうこともあるくらいです。

なぜ鼻がそこまで詰まってしまっているのか、感染症なのか、腫瘍性なのか、原因は何なのかを把握して、重く受け止める必要があるのです。

原因5. 熱中症を起こしている

猫は熱中症になっている時も口呼吸をすることがあります。暑い所にずっといた、飲み水も足りなかった、そのような熱中症の要因が揃っている時には熱中症による口呼吸を疑いましょう。

もし猫が熱中症で口呼吸をしているのであれば、その他にも以下のような症状が見られます。

  • 耳や顔を触ると暑い
  • 目のふちや鼻がいつもより赤い
  • ぐったりしている
  • 吐き気がある
  • おしっこが出ていない

さらに重症になっている熱中症では、痙攣や意識の混濁などがみられることがあります。

猫が口呼吸をしている際の対処法は原因によって変わる

原因4. 鼻詰まりを起こしている

猫が口呼吸をした時の対処法として一番大切なのは、まずは安静にしてストレスをかけないようにすることです。口呼吸が数分程度で収まるのであれば、一過性の興奮やストレスによるものかもしれません。

一時的など一瞬ならともかく、口呼吸する時間が10分以上もあるなら、何か猫に問題が起きていることが多いので、受診する必要があります。

状況的に熱中症が疑われるときは、室温を20℃設定のクーラーで冷やし、猫の体を濡れタオルなどで濡らして、風を当てて冷やします。そしてすぐ動物病院に連絡して受診しましょう

まとめ

猫は通常なら口呼吸をしません。口呼吸の原因には以下のようなものが挙げられます。

  • 心臓や肺の病気
  • アレルギー症状
  • 緊張やストレス
  • 過度の興奮
  • 鼻詰まり
  • 熱中症

緊張やストレスを感じやすい猫では、頻繁に口呼吸を見ることがあるかもしれません。しかし、それも実は隠れた心臓病があった、というケースも少なくないので、ストレスだと思っていても一度は病院で相談することをお勧めします。

そのほか気になる猫の体や行動の異常・変化については、獣医師監修の「猫の症状」を併せてご覧ください。

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記事監修:ペットメディカルサポート株式会社

動物病院での実務経験をもつベテラン獣医師および動物看護師が多数在籍するペット保険の少額短期保険会社。スタッフ全員が動物好きなのはもちろんのこと、犬や猫といったペットを飼っている者も多いので、飼い主様と同じ目線に立ったサポートに取り組んでいます。