龍馬(りょうま) くん
Profile
龍馬(りょうま) くん
龍馬くん(猫・MIX・♂)は、廉太郎(れんたろう)くん、慎之介(しんのすけ)くん、竹千代(たけちよ)くん、茶々姫(ちゃちゃひめ)ちゃん、寅次郎(とらじろう)くんという和風テイストなお名前の個性的な猫ちゃんたちと一緒に、総勢6匹でにぎやかな毎日を過ごしています。今回は、龍馬くんのエピソードをはじめ、猫6匹の多頭飼い生活について、飼い主の古田さんにお話を伺いました。
お客さまをお出迎えする「接待係」の龍馬くん
古田家において2番目に迎えられた龍馬くんは、おだやかでサービス精神も旺盛。幼少期に家猫になったことも理由なのか、かなり人なつこい性格で、他の猫たちが苦手な来客も龍馬くんはOKで、見知らぬ人にもじきに慣れ、2回目の人はだいたい覚えているそう。
今回の取材でも、スタッフの姿を見るやいなや警戒して各々隠れてしまった5匹の猫たちをよそに、龍馬くんだけが古田さんの差し出すおやつにノソノソと近づきパクッっと・・・。その後は取材陣の前でおなかをゴロン。最終的にはかなりリラックスして、後半は四肢を伸ばしてあおむけで眠ってしまいました。警戒心のまったくないその姿にスタッフ全員たっぷり癒されました。ありがとう、龍馬くん、さすが「接待係」ですね!
猫6匹の健康や安全を守るために、猫にあわせて工夫
古田家で猫ちゃんたちを迎え入れることになったきっかけはそれぞれ異なります。知人からもらい受けたり、野良だったり...とまったく違うところからやってきて家族になったわけですが、たいてい1週間もすれば新入りの猫ちゃんはその環境に慣れてしまったそうです。
通常なら新入り猫も先住猫も互いに警戒し合って、特に自分たちのテリトリーに入ってきた新入り猫に対し先住猫が攻撃的になることも考えられるのですが、6匹の相性が良かったのでしょう。仲の良し悪しは多少あるものの、これまで大きなトラブルもなく、それぞれがお気に入りの場所でくつろぎ、気の合う者同士遊んだりしながら、自由にのびのび過ごしているそう。
もちろん猫ちゃんたちがそんな風に過ごせるのは、古田さんの工夫と気遣いがあってこそとも言えそうです。ご自宅1階のリビングは猫ちゃんたちが快適にくつろげるような作りになっていて、キャットタワーやクッションなど、猫のくつろぎアイテムがいたるところに置かれていました。
リビングとつながっているキッチンにも猫ちゃんたちが入ることを考えて、新鮮な飲み水が入ったボウル以外はほとんど物を置かず、シンクもピカピカに掃除されています。しかもお料理をする際には必ず消毒してからという徹底ぶり。
「衛生管理には特に気を配っています。猫や私たちの健康のためもありますが、お客さまがいらしたときに、猫がたくさんいることで不快に思われたらやっぱり申し訳ないし、猫飼い(特に多頭飼い)の印象も悪くなってしまいますからね。清潔を保つことやニオイ対策はこまめにしています。冷蔵庫の上も猫たちが乗ることを考えて、定期的に掃除しています」
リビングとキッチンの間仕切りにも、室内ではちょっとめずらしいガラスのサッシが使われていました。これは、お料理中はあぶないのでサッシを閉めて猫ちゃんたちをキッチンに入れないようにしていて、ガラスなら閉めきってもリビングの様子が確認できるからだそうです。
また以前、廉太郎くん、慎之介くんが網戸を突破して外に出てしまい、何日も2匹の姿を探し、周辺を歩きまわったことがあるそうで、その経験から、現在は網戸もロックがかかるものを採用し、さらに脱走防止用の網を設置していました。
猫という生き物の習性は変えられないので、健康や安全を守るために、飼い主さんが猫にあわせて工夫をすることがやっぱり大事ですね。
健康管理で日々心がけていること
龍馬くん自体は体が丈夫で、これまで病気らしい病気はしたことがないそうです。ただ、6匹もいると、龍馬くんに限らず、誰か1匹に目ヤニ・鼻水など風邪のような症状が出ると全員にうつってしまうので、体調チェックに気を配り、異変を感じたらすぐに動物病院に連れて行くようにしているそうです。そのために、電話の短縮登録番号の一番目には動物病院が設定されているとか。また、全員、定期健康診断と年に1度のワクチン接種は欠かさないようにしているそうです。
みんなまだ若いので、これまで大病はしていないけれど、やはり泌尿器系の疾患は猫オーナーとしては気になるところだそう。「猫砂の好みが分かれるので、猫トイレは2台置いています。その2台を6匹が仲良く使ってくれていますが、トイレ掃除の際には、排泄物も異常がないかチェックしています。もし異常があった場合、<誰のか?>を特定するのが6匹もいるとやっかいなのですがね...」と、多頭飼いならではの悩みも。
食事に関しても工夫されていて、フードのタイプを朝と夜で変えるようにしているそう。すぐに食べてくれる子とそうでない子がいるため、日中仕事に出かけるときは置き餌として傷みにくいドライフードを、夜は水分量が多く嗜好性も高いウェットフードをそれぞれ与えているそうです。
ちなみに、龍馬くんはどちらかというとドライフードが好きなんだそう。丈夫で明るく穏やかな性格の龍馬くんに関して唯一悩みがあるとすると、フードの選り好みをすることくらいだそうです。
6匹の猫と幸せそうに暮らす古田さん。多頭猫オーナーとして、快適に暮らすためのヒントをたくさん教えてくださいました。猫好きにはたまらない「視界のどこかに必ず猫がいる生活」を目指す方は、ぜひ参考にしてください!
- 名前
- 龍馬(りょうま) くん
- 種類
- MIX
- 年齢
- 3歳
- 性別
- ♂
- 体重
- --
- 同居動物
- 有・猫5頭
- 大好きなこと
- 飼い主さんに甘えて、同居猫と一緒に遊ぶこと。おやつ。
- Blog
- 歌慧秋と猫の新生活日記
獣医師さんのワンポイントアドバイス
6匹もの猫の多頭飼い、そしてすべての猫の相性が悪くない…というのには驚きました。なによりも素晴らしいことですし、飼い主さんにとっても嬉しいことですよね。これまで多くの多頭飼いの飼い主さんとお会いしてきましたが、多かれ少なかれタイプの合わない猫同士が出てしまい、頭を悩ませる方も少なくありませんでした。古田さんのお宅では単に相性の良い猫が集まっただけではなく、きっと猫たちのことをよく理解されていて、彼らにとって居心地の良い環境を作ってあげられているのでしょう。
本来猫は犬よりも野生動物に近く、傷や病気だけでなくストレスについても表面に出さずに我慢してしまう傾向があります。
ストレスが原因で泌尿器系の疾患になると(その他疾患でもそうですが)、食事内容の変更や制限、投薬などを行う必要が出てきます。猫の多頭飼いでは置き餌にすることも多く、その点で治療に際して苦労する可能性があります。
現在のストレスフリーな生活を維持していただき、食事内容も消化が良く高たんぱくで低脂肪なものを与え、健康な体作りを心がけるとよいでしょう。
また健康生活の一環として、最近では猫の口腔内環境の向上(定期的な歯磨き等)に注目が集まっています。できるだけ幼少期にはじめることがポイントですが、猫の場合はやらせてくれる子かどうか性格によるところが大きいため、無理せず歯磨きとの相性を1匹ずつ見てみてください。
歯ブラシやガーゼなどが難しい場合は、口腔内の環境を改善するスプレーやサプリメントもあります。どの子にどんな方法が合うのか試してみてください。最近では猫の平均寿命も伸び、20歳近くまで生きてくれるご長寿さんもたくさんいます。6頭全員がご長寿さんになってくれることを願っています。