事例 | 種類 | 病気・怪我の種類 | お支払い金額 |
1 | 猫 | 胆管肝炎、三臓器炎 | 約60万円 |
2 | 猫 | 肥大型心筋症 | 約50万円 |
3 | 犬 | リンパ腫、嘔吐ほか | 約50万円 |
4 | 犬 | 胆泥症、クッシング症候群ほか | 約45万円 |
5 | 犬 | 腫瘍、肝炎 | 約40万円 |
※お支払い金額は1回の請求ベースで掲載しております。
※個別の契約に関してはお答えできません。個人が特定できない範囲で情報を掲載しています。
請求書類到着日から
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平均
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※2021年1月1日~2021年1月31日に保険金支払手続きを行った事案
※保険金請求書類が整った日の翌日から起算してお客さまの口座に振り込まれる日までの実日数(土日祝日を含みます)
一日も早いご回復を心よりお祈り申し上げます。
[追記日] 2021年 4月27日
平均的な保険金のお支払い事例
保険金のお支払いは、上記のように高額なものに限りません。次に、平均的な保険金のお支払い事例としてペットの外傷(顔)の診療をご紹介します。
事例 | 種類 | 病気・怪我の種類 | お支払い金額 |
1 | 猫 | 外傷(顔) | 38,000円 |
上記金額は、1,000円未満を切り捨てています。
高額診療「猫の肥大型心筋症」を獣医師が解説
2021年1月度の高額保険金お支払い事例で取り上げた「猫の肥大型心筋症」の診療内容について、当社ペット保険付帯サービス『獣医師ダイヤル』を担当されています「電話どうぶつ病院Anicli24」院長、三宅亜希先生にご解説いただきました。
肥大型心筋症とは、どんな病気なのか
心臓は心筋という筋肉が弛緩したり収縮したりすることで、血液を体中に循環させます。肥大型心筋症は、心筋の細胞が肥大化し硬くなる病気です。心筋が厚く硬くなると、心臓は正常に動くことができず、血液循環が行えなくなります。
初期の段階では無症状のことが多く、症状があったとしても「何となく元気がない」「食欲があまりない」など、心臓の病気と結びつかないものがほとんどです。そのため、肥大型心筋症はかなり悪化してから初めてこの病気に気付くことが少なくありません。突然の呼吸困難や、血栓症(心臓内で血液が停滞することで血栓(血の塊)ができ、それが血管に詰まることで発生する疾患)による後肢麻痺(まひ)、場合によっては突然死というかたちで肥大型心筋症が発覚することもあります。
メインクーン、ラグドール、アメリカン・ショートヘア、ペルシャなどは遺伝的に好発品種(その病気にかかりやすい品種)と言われていますが、雑種も多くかかっています。また、発生する年齢は、生後数か月~高齢とさまざまで、どの年齢の猫でも発生するリスクはあります。性差としては、雄に発生が多いとされています。
事例の猫の肥大型心筋症の通院日数、入院日数、手術回数について
種別 | 猫 |
傷病名 | 肥大型心筋症 |
通院日数 | 17日 |
入院日数 | 36日 |
手術回数 | 0回 |
※上記の数値は、PS保険加入者さまから請求されたものであり、ペットメディカルサポート株式会社が補償する範囲を示すものではありません。また、平均や水準を示すものでもありません。
猫の肥大型心筋症の診療内容
※下記の診察内容は、猫の肥大型心筋症の一般的な診療内容についての記述になり、PS保険にご請求いただいた事案の診療内容とは異なります。
検査
問診、視診
前述したように、多くは無症状ですが、症状がある場合は、症状が始まった時期やきっかけ、日常生活での様子、既往歴の有無、薬の投与歴などの問診を行います。また、呼吸の様子、粘膜や舌の色の確認、体重減少の有無などを観察します。
聴診
聴診器で心臓の音や呼吸の音を確認します。重度の肥大型心筋症では心雑音が確認されます。また、心臓が正常に機能しないと、肺から心臓へ戻る血液が停滞します。そして、肺水腫(肺の中に血液から漏れ出た液体がたまる現象)や、胸水(胸部に水がたまる現象)を引き起こすことがあり、その場合は、呼吸音にも異常が確認されます。
画像検査
レントゲン検査により、心臓の大きさや形、肺水腫、胸水の有無などを確認します。また、超音波検査により、心臓の断面像を観察し、心筋の厚みや心臓の働き具合を確認します。心臓内に血栓(血の塊)がある場合は、それも観察されます。
画像検査は心臓の状態を確認するために重要ですが、呼吸困難を起こしている場合では、検査によるストレスで猫の状態が悪化しないよう、検査を短時間で済ませ、治療を先に始めることがあります。
そのほか
尾に血圧計を巻いて、血圧測定をすることがあります。また、ほかの病気との鑑別のために血液検査が行われることもあります。
治療法
症状がない場合でも、検査の結果次第では内科治療がスタートします。これは、前述したような、突然の重い症状が起こることを防ぐためであり、病態に応じて内服薬が処方されます。
すでに重篤な症状を起こしている場合は、救急治療のため入院が必要になります。肺水腫や血栓症を起こしている場合では、それに対する治療も行います。胸水がある場合は、針を刺して胸部にたまった水を抜くことがあります。入院治療により状態が安定した場合は退院し、自宅で投薬を行いますが、食欲がなかなか戻らない場合は入院が長引くこともあります。
予後
病態によって異なります。症状がない場合では、予後も比較的良いケースが多いのですが、心臓がほとんど機能していない状態であったり、血栓症を起こしたりしている場合では、残念ながら予後は期待できません。
まとめ
猫は病気を隠す傾向があり、肥大型心筋症であったとしても、重篤な症状が起こるまで気付かないことが多いのです。そのため、できるだけ定期的に健康診断を受け、早期発見を心がけましょう。また、内服は生涯続きますが、猫への投薬は、猫が薬を嫌がるために多くの場合、非常に困難です。かかりつけの先生から投薬方法について十分に教えてもらい、なるべくストレスをかけずに治療を行うことが大切です。
執筆者プロフィール
三宅亜希 先生
獣医師。日本で唯一の電話相談専門病院である「電話どうぶつ病院Anicli24」院長。電話による24時間365日の相談、健康診断や未病予防の啓発、獣医師向けのホスピタリティ講演などを中心に活動。