事例 種類 病気・怪我の種類 お支払い金額
1 僧帽弁閉鎖不全症 約75万円
2 心筋症・壊死 約50万円
3 てんかん発作、腎不全 約50万円
4 脳腫瘍、脳腫瘤 約50万円
5 僧帽弁閉鎖不全症 約45万円

※お支払い金額は1回の請求ベースで掲載しております。
※個別の契約に関してはお答えできません。個人が特定できない範囲で情報を掲載しています。

請求書類到着日から
着金するまでの日数
平均
7.88

※2021年12月1日~2021年12月31日に保険金支払手続きを行った事案
※保険金請求書類が整った日の翌日から起算してお客さまの口座に振り込まれる日までの実日数(土日祝日を含みます)

一日も早いご回復を心よりお祈り申し上げます。

[追記日] 2022年4月6日

平均的な保険金のお支払い事例

保険金のお支払いは、上記のように高額なものに限りません。次に、平均的な保険金のお支払い事例としてペットの胃腸炎の診療をご紹介します。

事例 種類 病気・怪我の種類 お支払い金額
1 胃腸炎 36,000円

上記金額は、1,000円未満を切り捨てています。

高額診療「犬の脳腫瘍・脳腫瘤」を獣医師が解説

2021年12月度の高額保険金お支払い事例で取り上げた「犬の脳腫瘍・脳腫瘤」の診療内容について、当社ペット保険付帯サービス『獣医師ダイヤル』を担当されています「電話どうぶつ病院Anicli24」院長、三宅亜希先生にご解説いただきました。

脳腫瘍・脳腫瘤とは、どんな病気なのか

腫瘍には良性と悪性があり、悪性のものを「がん」と呼びます。頭蓋内にできる脳腫瘍には、頭蓋内の組織から発生した「原発性」と、頭蓋内以外の場所でできたがん病巣から血管やリンパ管を介して頭蓋内に転移した「転移性」があります。このほかに、鼻腔(びくう)内にできた腫瘍が拡がって脳まで到達する「浸潤性」もあります。
脳腫瘍は、一般的に高齢での発症が多い疾患です。

犬の原発性脳腫瘍で一番多いのは、髄膜腫(脳を覆っている膜から発生する腫瘍)です。転移性脳腫瘍は、リンパ腫、血管肉腫、乳腺がんなどが挙げられます。

脳腫瘍の症状や予後は、腫瘍の種類以外にも、腫瘍ができた場所や大きさなどによって異なります。良性でも、腫瘍が大きくなるにつれ頭蓋内圧が上昇するため、けいれん発作といった神経症状が起こります。

事例の犬の脳腫瘍・脳腫瘤の通院日数、入院日数、手術回数について

種別
傷病名 脳腫瘍・脳腫瘤
通院日数 0日
入院日数 20日
手術回数 1回

※上記の数値は、PS保険加入者さまから請求されたものであり、ペットメディカルサポート株式会社が補償する範囲を示すものではありません。また、平均や水準を示すものでもありません。

犬の脳腫瘍・脳腫瘤の診療内容

※下記の内容は、犬の脳腫瘍・脳腫瘤の一般的な診療についての記述であり、PS保険にご請求いただいた事案の診療内容とは異なります。

検査

問診、視診

飼い主さんに症状が始まった時期やきっかけ、日常生活での様子、既往歴の有無、薬の投与歴などの問診を行います。

触診

脳腫瘍は頭蓋内にあるため触診での確認はできません。転移性脳腫瘍の原発巣になりうる乳腺がんやリンパ腫などは、触診で確認できる場合もあります。

血液検査

採血をして、全身状態を確認します。また、脳腫瘍と同様の神経症状を起こす疾患の除外も行います。

画像検査

全身状態の確認のためにレントゲン検査を行います。転移性脳腫瘍の原発巣が確認できる場合もあります。ただし、脳腫瘍の診断はレントゲン検査では行えないため、CT検査やMRI検査が必要です。

病理検査

手術前の病理検査は通常不可能ですが、浸潤性のケースでは、鼻腔内腫瘍を採取し確認できる場合もあります。

治療法

脳腫瘍の一番の治療法は外科治療ですが、腫瘍の発生場所や、周りの組織への浸潤(しみ込むように広がる状態)の状況によっては外科治療ができません。その場合は、放射線療法や内科治療を行います。

外科治療

頭蓋内の病巣部を切除します。なお、外科手術は全身麻酔下で行うため、術前検査として血液検査や胸のレントゲン検査を行い、全身麻酔が安全に行えるかを確認します。

放射線療法

放射線療法は、外科手術ができない場合や、手術したものの腫瘍を完全に摘出できなかった場合、悪性度の高い脳腫瘍で再発を防止する目的などで行います。放射線療法が可能な病院施設は限られるため、かかりつけの病院からの紹介が必要です。

内科治療

抗がん剤や脳腫瘍により上昇した頭蓋内圧を下げるための薬、てんかん発作を抑えるための薬などが使用されますが、十分な治療法はまだ確立されていません。自力での排泄(はいせつ)ができないケースでは、圧迫排尿といった看護管理が行われます。

予後

腫瘍が大きくなる前に外科治療が行えたかどうかで予後は異なります。悪性度の低い小さな腫瘍が完全に切除できた場合は、術後も数年生存できた報告もあります。外科治療が行えず、内科療法のみの場合は、残念ながら予後は不良のケースがほとんどです。

まとめ

脳腫瘍によりふらつきや認知機能の低下などの症状が現れますが、「年のせい」と誤解されがちで、診断が遅れるおそれがあります。少しでも愛犬のいつもと異なる症状に気付いたら、積極的に動物病院を受診して、加齢による現象なのか脳腫瘍による問題なのかを診断してもらいましょう。早期に適切な治療を受けることで症状が和らぎ、良好な予後が期待できます。

執筆者プロフィール

三宅亜希 先生
三宅亜希 先生

獣医師。日本で唯一の電話相談専門病院である「電話どうぶつ病院Anicli24」院長。電話による24時間365日の相談、健康診断や未病予防の啓発、獣医師向けのホスピタリティ講演などを中心に活動。