事例 種類 病気・怪我の種類 お支払い金額
1 急性胃腸炎、胆嚢炎 約65万円
2 パテラ 約60万円
3 白内障、膵炎ほか 約40万円
4 膀胱がん 約40万円
5 腸炎、膵炎疑い 約35万円

※お支払い金額は1回の請求ベースで掲載しております。
※個別の契約に関してはお答えできません。個人が特定できない範囲で情報を掲載しています。

請求書類到着日から
着金するまでの日数
平均
15.29

※2022年4月1日~2022年4月30日に保険金支払手続きを行った事案
※保険金請求書類が整った日の翌日から起算してお客さまの口座に振り込まれる日までの実日数(土日祝日を含みます)

一日も早いご回復を心よりお祈り申し上げます。

[追記日] 2022年8月10日

平均的な保険金のお支払い事例

保険金のお支払いは、上記のように高額なものに限りません。次に、平均的な保険金のお支払い事例としてペットの膀胱炎の診療をご紹介します。

事例 種類 病気・怪我の種類 お支払い金額
1 膀胱炎 約24,000円

上記金額は、1,000円未満を切り捨てています。

高額診療「犬の胆嚢炎」を獣医師が解説

2022年4月度の高額保険金お支払い事例で取り上げた「犬の胆嚢炎」の診療内容について、当社ペット保険付帯サービス『獣医師ダイヤル』を担当されています「電話どうぶつ病院Anicli24」院長、三宅亜希先生にご解説いただきました。

胆嚢炎とは、どんな病気なのか

胆嚢(たんのう)は肝臓の近くにある袋状の臓器で、肝臓で作られた胆汁を貯留する働きがあります。胆嚢に貯留された胆汁は、胆管という管を通じて十二指腸に排出され、消化を助けます。

胆嚢炎とは、胆嚢に起こる炎症性疾患の総称で、症状の進行度や状態によって急性、慢性、気腫性、壊死性などに分けられます。胆嚢炎は、胆石や細菌感染により引き起こされるケースが見られますが、原因がはっきりしない場合も多く、胆汁うっ滞、胆嚢粘液嚢腫、基礎疾患などが関与して発症すると考えられています。

軽度の胆嚢炎では、多くの場合が無症状です。急性例では、食欲不振、嘔吐(おうと)、腹痛、発熱などが見られます。重篤例では、敗血症やショックを起こして命にかかわる場合もあるため、非常に危険です。

胆嚢炎を発症すると、肝臓の機能が低下したり、胆汁の流れが妨げられたりします。そのため、血液中のビリルビン(赤血球に含まれる色素)の量が増え、高ビリルビン血症を引き起こして、黄疸(おうだん:皮膚や粘膜が黄色くなる症状)が生じる場合があります。

胆嚢炎には、好発犬種(その病気にかかりやすい犬種)や性差はなく、すべての犬に発症リスクがあります。

事例の犬の胆嚢炎の通院日数、入院日数、手術回数について

種別
傷病名 胆嚢炎、急性胃腸炎
通院日数 2日
入院日数 26日
手術回数 1回

※上記の数値は、PS保険加入者さまから請求されたものであり、ペットメディカルサポート株式会社が補償する範囲を示すものではありません。また、平均や水準を示すものでもありません。

犬の胆嚢炎の診療内容

※下記の内容は、犬の胆嚢炎の一般的な診療についての記述であり、PS保険にご請求いただいた事案の診療内容とは異なります。

検査

問診、視診、触診

飼い主さんに症状が始まった時期、既往歴の有無、薬の投与歴などの問診を行います。また、黄疸の有無を確認します。

血液検査

採血をして、白血球数の増加や肝酵素値の上昇がないかなどを確認します。また、高ビリルビン血症の有無を観察します。

超音波検査

超音波の画像により、胆嚢の状態を確認します。胆嚢壁の肥厚、胆汁うっ滞、胆泥、胆石、胆管閉塞などの有無を観察します。

微生物学的検査

胆嚢に細い針を刺して(胆嚢穿刺:たんのうせっし)採取した胆汁から細菌や真菌などを培養して、どのような微生物が存在しているのか、どのような薬が有効かなどを検査します。胆嚢穿刺は麻酔をかけずに行いますが、胆汁の性質や状態を見て太い針を使用する必要がある場合などは麻酔下で行います。

治療法

病態によって治療方法が異なります。細菌感染が見られる場合は、内科治療が基本です。胆管閉塞により胆汁の排出障害を起こしている場合や、胆嚢が破裂もしくは破裂のリスクが高い場合、内科治療で改善が望めない場合は、外科手術が選択されます。

内科治療

抗生剤の投与が中心です。必要に応じて感受性テスト(どの抗生剤が効果的か調べる検査)を行います。抗生剤の静脈注射と輸液のための静脈点滴が必要な場合は、入院治療を行うケースもあります。
合併症や基礎疾患がある場合は、並行して治療を行います。

外科治療

胆嚢を切除します。胆管閉塞が見られる場合は、同時に閉塞を解除する手術も行います。外科治療は全身麻酔下で行うため、術前検査として血液検査や胸のレントゲン検査を行い、全身麻酔を安全に行えるか確認します。

予後

内科療法で症状がコントールできるケースは、予後は良好です。ただし、合併症や基礎疾患が関与している場合などは再発のリスクがあり、追加で外科手術が必要になるケースがあります。胆嚢が破裂していたり、腹膜炎を起こしていたりする場合は、外科手術を行っても予後が期待できない可能性があります。外科手術後の経過が良い場合でも、飲水や食事が可能になるまでは静脈点滴をしながらの入院が必要です。

まとめ

犬の胆嚢炎は初期症状がほとんどなく、症状が出たときには非常に危険な状態になっている場合が多く見られます。早期発見・早期治療がなによりも大切になるため、超音波検査を含む定期的な健康診断をきちんと受けて、愛犬を胆嚢炎から守りましょう。

執筆者プロフィール

三宅亜希 先生
三宅亜希 先生

獣医師。日本で唯一の電話相談専門病院である「電話どうぶつ病院Anicli24」院長。電話による24時間365日の相談、健康診断や未病予防の啓発、獣医師向けのホスピタリティ講演などを中心に活動。