事例 | 種類 | 病気・怪我の種類 | お支払い金額 |
1 | 犬 | 前十字靭帯断裂、骨折 | 約55万円 |
2 | 犬 | 心臓弁膜症、心房破裂ほか | 約55万円 |
3 | 犬 | 前立腺肥大、前立腺がんほか | 約50万円 |
4 | 犬 | 胆嚢炎、脾臓腫瘤 | 約50万円 |
5 | 猫 | 尿管結石、腎結石 | 約50万円 |
※お支払い金額は1回の請求ベースで掲載しております。
※個別の契約に関してはお答えできません。個人が特定できない範囲で情報を掲載しています。
請求書類到着日から
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平均
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※2022年6月1日~2022年6月30日に保険金支払手続きを行った事案
※保険金請求書類が整った日の翌日から起算してお客さまの口座に振り込まれる日までの実日数(土日祝日を含みます)
一日も早いご回復を心よりお祈り申し上げます。
[追記日] 2022年10月5日
平均的な保険金のお支払い事例
保険金のお支払いは、上記のように高額なものに限りません。次に、平均的な保険金のお支払い事例としてペットの胃腸炎の診療をご紹介します。
事例 | 種類 | 病気・怪我の種類 | お支払い金額 |
1 | 犬 | 胃腸炎 | 約23,000円 |
上記金額は、1,000円未満を切り捨てています。
高額診療「犬の前立腺肥大・前立腺がん」を獣医師が解説
2022年6月度の高額保険金お支払い事例で取り上げた「犬の前立腺肥大・前立腺がん」の診療内容について、当社ペット保険付帯サービス『獣医師ダイヤル』を担当されています「電話どうぶつ病院Anicli24」院長、三宅亜希先生にご解説いただきました。
前立腺肥大・前立腺がんとは、どんな病気なのか
前立腺はオスの生殖器のひとつで、精液の一部である前立腺液を分泌します。膀胱(ぼうこう)の出口付近の尿道をぐるりと取り囲むように位置しています。
前立腺肥大、前立腺がんともに、前立腺が腫れるため、排尿障害、排尿痛、排便障害、血尿などが起こります。排尿障害が原因で、細菌性の膀胱炎を併発するケースも珍しくありません。また、痛みにより歩行異常が生じる場合もあります。特に前立腺がんは、周辺の骨への転移が多く、骨が破壊されて激しい痛みが生じます。
前立腺肥大は、精巣から分泌される性ホルモンにより前立腺が過形成を起こすのが原因であり、去勢をしていない高齢犬で多く見られます。一方、前立腺がんも高齢犬で見られる病気ですが、発生率はかなり低く、去勢の有無は発生に関係ありません。犬の前立腺がんの場合、人の前立腺がんとは異なり、精巣から分泌される性ホルモンとは関連なく起こるためです。
事例の犬の前立腺肥大・前立腺がんの通院日数、入院日数、手術回数について
種別 | 犬 |
傷病名 | 前立腺肥大、前立腺がんほか |
通院日数 | 20日 |
入院日数 | 13日 |
手術回数 | 1回 |
※上記の数値は、PS保険加入者さまから請求されたものであり、ペットメディカルサポート株式会社が補償する範囲を示すものではありません。また、平均や水準を示すものでもありません。
犬の前立腺肥大・前立腺がんの診療内容
※下記の内容は、犬の前立腺肥大・前立腺がんの一般的な診療についての記述であり、PS保険にご請求いただいた事案の診療内容とは異なります。
検査
問診、視診
飼い主さんに症状が始まった時期やきっかけ、日常生活での様子、既往歴の有無、薬の投与歴などの問診を行います。
触診(直腸検査)
肛門(こうもん)から指を入れ、腸壁越しに前立腺の腫れを確認します。
血液検査
採血をして、全身状態を確認します。前立腺肥大や前立腺がんでは、血液検査に特異的な異常は起こりません。
画像検査
レントゲン検査や超音波検査により、膀胱や前立腺を確認します。レントゲン検査の際に尿道から造影剤を入れて、前立腺の状態とともに尿道の狭窄(きょうさく:すぼまって狭い状態)を確認する場合もあります。また、前立腺がんの場合、初診時にすでに転移しているケースも多く、リンパ節や骨、各臓器への転移の有無を確認します。
尿検査
尿道カテーテルで採尿し、細菌感染の有無や血尿などを確認します。
病理検査
前立腺の一部を採取し、前立腺がんなのか、前立腺肥大なのか、細菌感染なのかなどを顕微鏡で鑑別します。
治療法
前立腺肥大は、精巣から分泌される性ホルモンの影響を受けて発症するため、去勢手術が一番効果的であり、治療の第一選択となります。繁殖や手術のリスクなどの理由から手術を選択できない場合は、内服薬を使用します。
前立腺がんは、前立腺の全摘出が可能な場合に外科治療を行いますが、技術的に非常に難しく、合併症を起こすリスクもあります。
外科治療が困難な場合は、必要に応じて抗がん剤や放射線治療が選択されます。放射線治療が行える動物病院は少なく、大学病院で行う場合がほとんどです。なお、外科治療は全身麻酔下で行うため、術前検査として血液検査や胸のレントゲン検査を行い、全身麻酔を安全に行えるか確認します。
排尿障害の状況によっては、排尿ルートを確保するために尿道カテーテルの設置も行います。
予後
前立腺肥大は、去勢手術を行えば予後は非常に良好で、一般的には去勢手術後2~3か月で肥大していた前立腺は小さくなっていきます。
一方、前立腺がんは悪性度がかなり高く、外科手術はがんを完全に取り除くためというよりも、症状を和らげる目的で選択される場合があります。抗がん剤や放射線療法も症状の緩和に一定の効果はありますが、前立腺がんを長くコントロールするのは難しく、どの治療法を選択しても残念ながら予後はあまり期待できません。
まとめ
前立腺肥大と前立腺がんの症状はとてもよく似ていますが、原因や治療法は全く異なり、予後も大きく変わります。また、前立腺肥大は去勢手術での予防が可能ですが、前立腺がんは去勢手術での予防はできません。
前立腺がんは非常に悪性度が高いため、飼い主さんがどれだけ早く気づいてあげられるかが重要です。愛犬がシニアになったら、画像診断を含む定期健診を検討しましょう。
執筆者プロフィール
三宅亜希 先生
獣医師。日本で唯一の電話相談専門病院である「電話どうぶつ病院Anicli24」院長。電話による24時間365日の相談、健康診断や未病予防の啓発、獣医師向けのホスピタリティ講演などを中心に活動。