事例 | 種類 | 病気・怪我の種類 | お支払い金額 |
1 | 猫 | 骨折 | 約70万円 |
2 | 犬 | 肝臓癌、胆嚢粘液嚢腫、胃腸炎ほか | 約70万円 |
3 | 犬 | 血管周皮腫 | 約60万円 |
4 | 犬 | 弁膜症、消化器疾患、肝酵素上昇ほか | 約45万円 |
5 | 犬 | 消化器症状、尿路感染症、脊椎疾患疑い | 約40万円 |
※お支払い金額は1回の請求ベースで掲載しております。
※個別の契約に関してはお答えできません。個人が特定できない範囲で情報を掲載しています。
請求書類到着日から
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平均
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※2022年10月1日~2022年10月31日に保険金支払手続きを行った事案
※保険金請求書類が整った日の翌日から起算してお客さまの口座に振り込まれる日までの実日数(土日祝日を含みます)
一日も早いご回復を心よりお祈り申し上げます。
[追記日] 2023年2月8日
平均的な保険金のお支払い事例
保険金のお支払いは、上記のように高額なものに限りません。次に、平均的な保険金のお支払い事例としてペットの細菌性胃腸炎、急性膵炎の診療をご紹介します。
事例 | 種類 | 病気・怪我の種類 | お支払い金額 |
1 | 犬 | 細菌性胃腸炎、急性膵炎 | 約26,000円 |
上記金額は、1,000円未満を切り捨てています。
高額診療「犬の血管周皮腫」を獣医師が解説
2022年10月度の高額保険金お支払い事例で取り上げた「犬の血管周皮腫」の診療内容について、当社ペット保険付帯サービス『獣医師ダイヤル』を担当されています「電話どうぶつ病院Anicli24」院長、三宅亜希先生にご解説いただきました。
血管周皮腫とは、どんな病気なのか
血管周皮腫は、軟部組織肉腫という悪性腫瘍の一種です。皮膚や皮膚の下にできるケースが多く、境界が不明瞭、ゆっくり成長する、強い浸潤性(水が染み込むようにがん細胞が周囲に広がる性質)といった特徴があります。一方で、遠隔転移(最初に腫瘍が発生した場所から血管やリンパ管を介して遠くの部位に転移する性質)の可能性はとても低い病気です。
犬の血管周皮腫は、前足や後ろ足のほかに体幹にも発生し、飼い主さんがブラッシングやスキンシップの際にしこりに気付くケースが多く見られます。
また、小型犬よりはシニア期の大型犬によく発生します。
事例の犬の血管周皮腫の通院日数、入院日数、手術回数について
種別 | 犬 |
傷病名 | 血管周皮腫 |
通院日数 | 12日 |
入院日数 | 21日 |
手術回数 | 1回 |
※上記の数値は、PS保険加入者さまから請求されたものであり、ペットメディカルサポート株式会社が補償する範囲を示すものではありません。また、平均や水準を示すものでもありません。
犬の血管周皮腫の診療内容
※下記の内容は、犬の血管周皮腫の一般的な診療についての記述であり、PS保険にご請求いただいた事案の診療内容とは異なります。
検査
問診、視診
飼い主さんに腫瘍を発見した時期やきっかけ、日常生活での様子、既往歴の有無、薬の投与歴などの問診を行います。
触診
腫瘍の大きさや痛みの有無などを確認します。
病理検査
腫瘍の一部を採取し、腫瘍なのか炎症なのか、悪性か良性か、どの細胞ががん化しているのかなどを顕微鏡で鑑別します。
血液検査
採血をして、全身状態を確認します。血管周皮腫では、血液検査に特異的な異常は起こりません。
画像検査
レントゲン検査、CT検査、MRI検査などにより、腫瘍が転移している範囲や深さなどを評価する場合もあります。
治療法
外科的切除
血管周皮腫の一般的な治療法で、十分なマージン(がん細胞が存在しないと想定される範囲)を確保して、腫瘍を切除します。
血管周皮腫は見た目以上にがん細胞が深く浸潤しているため、マージンの確保が非常に困難です。切除が不完全だった場合は、放射線治療も併用して治療を進めますが、再発リスクが高くなります。
外科的切除は全身麻酔下で行うため、術前検査として血液検査や胸のレントゲン検査を行い、全身麻酔が安全に行えるか確認します。
放射線治療
強力なX線を当ててがん細胞を傷害し、腫瘍を小さくする効果があります。放射線治療が行える動物病院は少なく、大学病院や専門施設などで行う場合がほとんどです。
化学療法
根治には外科的切除が必須ですが、補助的に化学療法を用いる場合もあります。
予後
悪性度が低く、早期に外科切除ができた場合、予後が期待できます。
ただし、再発の可能性が高いため、外科切除後も定期的な診察が必要です。
再発が認められた際は放射線治療、もしくはもう一度外科切除を行いますが、血管周皮腫は再発するたびに悪性度が高くなる特徴があるため、足に血管周皮腫ができた場合は断脚(足を切る手術)を選択するケースもあります。断脚した場合は、再発するリスクはほとんどありません。
断脚後は、残された3本の足で歩けるように少しずつリハビリを行います。
まとめ
血管周皮腫は、腫瘍が発生した部分の浸潤性が高く、ゆっくり大きくなる傾向があります。しこりに気付いても様子を見てしまう飼い主さんも少なくありませんが、マージンをしっかり確保するためには腫瘍が小さい早期のうちの外科切除が大切です。
愛犬の体を触っていて少しでも異変に気付いたら、早めに動物病院の先生に相談しましょう。
執筆者プロフィール
三宅亜希 先生
獣医師。日本で唯一の電話相談専門病院である「電話どうぶつ病院Anicli24」院長。電話による24時間365日の相談、健康診断や未病予防の啓発、獣医師向けのホスピタリティ講演などを中心に活動。