事例 | 種類 | 病気・怪我の種類 | お支払い金額 |
1 | 犬 | 脾臓腫瘍、肝酵素上昇など | 約60万円 |
2 | 犬 | 僧帽弁閉鎖不全症、巨大肝臓腫瘍など | 約60万円 |
3 | 犬 | 僧帽弁閉鎖不全症 | 約50万円 |
4 | 犬 | 膀胱炎、尿管結石など | 約45万円 |
5 | 犬 | 無気肺 | 約40万円 |
※お支払い金額は1回の請求ベースで掲載しております。
※個別の契約に関してはお答えできません。個人が特定できない範囲で情報を掲載しています。
請求書類到着日から
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平均
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※2022年12月1日~2022年12月31日に保険金支払手続きを行った事案
※保険金請求書類が整った日の翌日から起算してお客さまの口座に振り込まれる日までの実日数(土日祝日を含みます)
一日も早いご回復を心よりお祈り申し上げます。
[追記日] 2023年4月24日
平均的な保険金のお支払い事例
保険金のお支払いは、上記のように高額なものに限りません。次に、平均的な保険金のお支払い事例としてペットの膀胱炎の診療をご紹介します。
事例 | 種類 | 病気・怪我の種類 | お支払い金額 |
1 | 犬 | 膀胱炎 | 約37,000円 |
上記金額は、1,000円未満を切り捨てています。
高額診療「犬の脾臓腫瘍」を獣医師が解説
2022年12月度の高額保険金お支払い事例で取り上げた「犬の脾臓腫瘍」の診療内容について、当社ペット保険付帯サービス『獣医師ダイヤル』を担当されています「電話どうぶつ病院Anicli24」院長、三宅亜希先生にご解説いただきました。
脾臓腫瘍とは、どんな病気なのか
腫瘍には良性と悪性があり、悪性のものを「がん」と呼びます。脾臓(ひぞう)にできる腫瘍にも良性と悪性があります。また、脾臓にできる悪性腫瘍(がん)には、「原発性脾臓がん」と「転移性脾臓がん」があります。原発性脾臓がんは脾臓の組織から発生したもので、がん細胞の発生源は脾臓です。一方、転移性脾臓がんは、脾臓以外の場所でできたがん病巣から、がん化した細胞が血管やリンパ管に入り込み、脾臓に運ばれ、脾臓にも病巣を作るものです。
犬の原発性脾臓がんで一番多いのは血管肉腫です。
なお、血管肉腫の好発犬種(その病気にかかりやすい犬種)としては、ミニチュア・シュナウザー、ジャーマン・シェパードが知られていますが、ほかにもゴールデン・レトリーバー、ミニチュア・ダックスフンド、ラブラドール・レトリーバーなどにも多く発生する傾向があります。
事例の犬の脾臓腫瘍の通院日数、入院日数、手術回数について
種別 | 犬 |
傷病名 | 脾臓腫瘍 |
通院日数 | 18日 |
入院日数 | 18日 |
手術回数 | 1回 |
※上記の数値は、PS保険加入者さまから請求されたものであり、ペットメディカルサポート株式会社が補償する範囲を示すものではありません。また、平均や水準を示すものでもありません。
犬の脾臓腫瘍の診療内容
※下記の内容は、犬の脾臓腫瘍の一般的な診療についての記述であり、PS保険にご請求いただいた事案の診療内容とは異なります。
検査
問診、視診、触診
脾臓腫瘍は、がんの大きさや広がり方などにより症状が異なります。その中には特異的な症状が見られず、健康診断で偶然発見される場合も少なくありません。症状がある場合は、虚脱、元気消失、食欲不振、下痢や嘔吐、腹部膨満などが見られます。また、病巣部から出血があると貧血の症状が現れます。こうしたケースでは、飼い主さんに愛犬の症状が始まった時期やきっかけ、日常生活での様子などを伺います。
血液検査
採血により、貧血の有無や赤血球の形状などを観察します。
画像検査
レントゲン検査や超音波検査、CT検査により、脾臓がんの状態(単一の塊として確認できるのか、全体的に広がっているのかなど)や脾臓の血腫(血液が貯留して腫れている部位)の有無を確認します。また、ほかの臓器やリンパ節への浸潤(周囲に広がっていくこと)や転移についても確認します。
細胞診、病理検査
病巣部に細い針を刺し、中の細胞を少し取って顕微鏡で確認することで、良性なのか悪性(がん)なのか、また、悪性(がん)の場合には、どんな種類のがんなのかを鑑別してみる場合があります。しかし、実際には細い針を刺しただけで鑑別するのは多くの場合、困難です。加えて、脾臓に針を刺すと出血のリスクが高いため、最終的な診断は外科的に病巣部の一部を摘出してから行う病理検査の結果で判断されます。
治療法
脾臓がんの一番の治療法は外科治療ですが、ほかの臓器やリンパ節に浸潤、転移している場合や、肝臓全体にがんが広がっている場合では外科治療を選択できないため、内科治療を行うことになります。
内科治療
化学療法(抗がん剤治療)を行います。
外科治療と併せて行う場合もあります。
外科治療
通常は、病巣部の切除ではなく、脾臓の全摘出が選択されます。手術中に出血が起こるリスクが高いため、輸血が必要になるケースもあります。なお、外科治療は全身麻酔下で行うため、全身麻酔を安全に行えるのかを確認する必要があり、術前検査として血液検査や胸のレントゲン検査を行います。
予後
脾臓腫瘍の症状や予後は、腫瘍の種類や悪性度以外にも、腫瘍の大きさや血腫の有無などによって異なります。脾臓は血液の貯蔵庫であり、良性でも破裂して出血を起こすと命にかかわります。また、一般的に血管肉腫は悪性度が非常に高く、回復の見通しはあまり期待できません。
まとめ
脾臓の腫瘍は、健康診断の画像検査で発見されることがよくあります。愛犬がシニア期に入ったら、血液検査による健康診断に画像検査も加えると、早期発見が期待できます。脾臓に腫瘍が発見されたら、良性であっても外科手術が必要になるケースが多いため、かかりつけの先生やご家族とよく話し合って治療に臨みましょう。
執筆者プロフィール
三宅亜希 先生
獣医師。日本で唯一の電話相談専門病院である「電話どうぶつ病院Anicli24」院長。電話による24時間365日の相談、健康診断や未病予防の啓発、獣医師向けのホスピタリティ講演などを中心に活動。