事例 | 種類 | 病気・怪我の種類 | お支払い金額 |
1 | 犬 | 膵炎、肝炎など | 約55万円 |
2 | 犬 | 緑内障、肺炎など | 約55万円 |
3 | 猫 | 腫瘍、貧血など | 約50万円 |
4 | 犬 | 胆嚢粘液嚢腫 | 約50万円 |
5 | 猫 | 悪性リンパ腫 | 約45万円 |
※お支払い金額は1回の請求ベースで掲載しております。
※個別の契約に関してはお答えできません。個人が特定できない範囲で情報を掲載しています。
請求書類到着日から
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平均
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※2023年5月1日~2023年5月31日に保険金支払手続きを行った事案
※保険金請求書類が整った日の翌日から起算してお客さまの口座に振り込まれる日までの実日数(土日祝日を含みます)
一日も早いご回復を心よりお祈り申し上げます。
[追記日] 2023年9月26日
平均的な保険金のお支払い事例
保険金のお支払いは、上記のように高額なものに限りません。次に、平均的な保険金のお支払い事例としてペットの嘔吐・下痢の診療をご紹介します。
事例 | 種類 | 病気・怪我の種類 | お支払い金額 |
1 | 犬 | 嘔吐・下痢 | 約23,000円 |
上記金額は、1,000円未満を切り捨てています。
高額診療「犬の胆嚢粘液嚢腫」を獣医師が解説
2023年5月度の高額保険金お支払い事例で取り上げた「犬の胆嚢粘液嚢腫」の診療内容について、当社ペット保険付帯サービス『獣医師ダイヤル』を担当されています「電話どうぶつ病院Anicli24」院長、三宅亜希先生にご解説いただきました。
胆嚢粘液嚢腫とは、どんな病気なのか
胆嚢(たんのう)は肝臓の近くにある袋状の臓器で、肝臓で作られた胆汁を貯留する働きがあります。胆嚢に貯留された胆汁は、胆管という管を通じて十二指腸に排出され、消化を助けます。
胆嚢粘液嚢腫とは、胆嚢内にゼリー状の粘液が蓄積し胆嚢が膨張する疾患で、胆嚢壁からの粘液の過剰分泌が関係していると考えられます。粘液の過剰分泌を起こす原因は不明ですが、内分泌疾患、高脂血症、胆嚢の運動性低下など、多くの要因が関与している可能性があります。
無症状の場合もありますが、食欲不振、嘔吐(おうと)、腹痛、発熱などが見られます。重篤例では、胆管の閉塞や胆嚢破裂などが起こり非常に危険です。
胆嚢粘液嚢腫により胆汁の流れが妨げられると、血液中のビリルビン(赤血球に含まれる色素)の量が増え、高ビリルビン血症を引き起こします。これにより、黄疸(おうだん:皮膚や粘膜が黄色くなる症状)が生じる場合があります。
中高齢の犬で発生しやすく、好発犬種(その病気にかかりやすい犬種)として、シェットランド・シープドッグ、ミニチュア・シュナウザー、コッカー・スパニエルなどが挙げられます。
事例の犬の胆嚢粘液嚢腫の通院日数、入院日数、手術回数について
種別 | 犬 |
傷病名 | 胆嚢粘液嚢腫 |
通院日数 | 6日 |
入院日数 | 17日 |
手術回数 | 1回 |
※上記の数値は、PS保険加入者さまから請求されたものであり、ペットメディカルサポート株式会社が補償する範囲を示すものではありません。また、平均や水準を示すものでもありません。
犬の胆嚢粘液嚢腫の診療内容
※下記の内容は、犬の胆嚢粘液嚢腫の一般的な診療についての記述であり、PS保険にご請求いただいた事案の診療内容とは異なります。
検査
問診、視診、触診
飼い主さんに症状が始まった時期、既往歴の有無、薬の投与歴などの問診を行います。また、黄疸の有無を確認します。
血液検査
採血をして、白血球数の増加や肝酵素値の上昇がないかなどを確認します。また、高ビリルビン血症の有無を観察します。
超音波検査
超音波の画像により、胆嚢の状態を確認します。胆嚢壁の肥厚、胆汁うっ滞、胆泥、胆石、胆管閉塞などの有無を観察します。
胆嚢粘液嚢腫は胆嚢の断面画像が特徴的で、星状、放射状といった所見になるため、キウイフルーツの断面に例えられます。
治療法
胆嚢粘液嚢腫の治療法としては外科治療と内科治療がありますが、一番の治療法は外科治療です。症状がない、外科手術を希望されない、といった場合は内科治療が選択されますが、症状がなくても将来的なリスクを考えて外科手術を行ったほうがいいという見解もあります。
内科治療
胆汁の流れを改善させる薬や抗生剤の投与、食事療法が中心です。
内分泌疾患などの基礎疾患がある場合は、並行して治療を行います。
外科治療
胆嚢を切除します。胆管閉塞が見られる場合は、同時に閉塞を解除する手術も行います。胆嚢が破裂するなどして胆嚢の内容物が腹腔内に漏れ出ているときは、徹底した腹腔内の洗浄も行います。外科治療は全身麻酔下で行うため、術前検査として血液検査や胸のレントゲン検査を行い、全身麻酔を安全に行えるか確認します。
予後
胆嚢粘液嚢腫は外科手術後の合併症の発生や死亡率が高いことが知られており、外科手術が成功しても多くの場合、予断を許しません。外科手術後の経過が良い場合でも、飲水や食事が可能になるまでは静脈点滴をしながらの入院が必要です。
まとめ
胆嚢粘液嚢腫は、早期に外科治療が行えたとしても術後に合併症を起こしたり亡くなったりするリスクが少なからずあり、かといって内科治療では根治が期待できないという非常にやっかいな疾患です。
病気の進行が進み、胆嚢破裂などを起こしてしまうとさらに予後が悪くなるため、やはり早期発見・早期治療はとても大切です。中高齢以降は、健康診断に超音波検査を含む画像診断を取り入れて、愛犬を胆嚢粘液嚢腫から守りましょう。
執筆者プロフィール
三宅亜希 先生
獣医師。日本で唯一の電話相談専門病院である「電話どうぶつ病院Anicli24」院長。電話による24時間365日の相談、健康診断や未病予防の啓発、獣医師向けのホスピタリティ講演などを中心に活動。