猫の耳が赤い原因とは?病院に連れて行くべき症状を獣医が解説

猫の耳が赤くなる原因として、どのような病気があるのでしょうか。耳がいつもと違って赤いと、飼い主さんは心配でしょう。猫の耳が赤くなる原因や病院に連れて行くタイミング、予防や対処法などを獣医師さんに伺いました。

耳が赤いだけでなく、赤い斑点やできものがある、元気がない場合は、病気のサインかもしれません。気になる症状があれば、すぐに獣医師さんに相談しましょう。

猫の耳が赤い原因とは?病院に連れて行くべき症状を獣医が解説

目次

猫の耳が赤くなる原因とは?

―猫の耳が赤くなるのはどうしてですか?

日常的に見られる原因としては、次に挙げる緊張や興奮、暑さなどが考えられます。

緊張

私たち人間は、緊張すると顔が赤くなるでしょう。猫も知らない場所や苦手な場所に行ったり、犬やほかの猫に出会ったりすると、緊張で耳が赤くなります。

興奮

何かにびっくりした、ほかの猫とけんかをしたなどの興奮状態でも耳が赤くなります。

暑さ

夏の高い外気温や、暑すぎる冬の暖房も原因です。猫の体温が上がるため、耳が赤くなります。

遊んでいるとき

遊んでいるときは体温が高くなるので、耳が赤くなりがちです。鼻の色が薄いピンク色の猫は、このとき鼻も一緒に赤くなります。

病気の可能性

猫の耳が赤くても、その原因が病気によるものでないなら、時間が経過すると自然に元の状態に戻ります。赤い状態が長引くことはほとんどありません。しかし、いつまでも赤い、しきりに耳をかいている、元気がないなどの様子があれば、アレルギーを始めとする病気の可能性があります。

猫の耳が赤くなる原因として考えられる病気

猫の耳が赤くなる原因として考えられる病気

ミミダニ

ミミダニは、耳の奥に寄生するダニの一種です。寄生した箇所に非常に強いかゆみをもたらしますが、猫は耳の中をかけません。そのため、耳の後ろ側を激しくかいてしまい、耳の周辺が赤くなるのです。傷だらけになると、耳に熱感をもちます。

乾燥した黒い耳垢が大量に出るのも、ミミダニの特徴です。脱毛や引っかき傷が、耳だけでなく、顔や首に生じる場合もあります。

主な感染ルートは、ミミダニに寄生されている猫に接触した、屋外で偶然もらったなどです。

ノミ

ノミが寄生するのは皮膚です。ノミが猫の皮膚を移動する違和感だけでなく、ノミの唾液に対するアレルギー反応が起こるため、かゆみが強く出ます。頭部周辺にかゆみが出ると、頭と一緒に耳もかいてしまうため耳が赤くなります。

外傷による感染

外傷が細菌に感染し、炎症が起こると耳が赤くなります。軽傷であれば、そのまま治る場合がほとんどです。しかし、感染による炎症がひどくなると徐々に腫れ、傷口から膿が出る場合もあります。耳の外傷は、ほかの猫とのけんかや、自分の爪で引っかいたなどが原因です。

細菌性外耳炎

細菌性外耳炎で赤くなるのは、耳介(読み:じかい。意味:耳の穴を囲んでいる突起部分、耳)から耳の中です。また、黄色っぽい耳だれが出る場合が多く、耳から膿の臭いがします。

外耳炎の原因は、皮膚の常在菌であるブドウ球菌がほとんどです。しかし、そのほかの細菌が原因の場合もあるので、しっかり確認する必要があります。

マラセチア性外耳炎

マラセチアは真菌(カビ)の一種です。マラセチア性外耳炎はかゆみが強いため、猫は耳の中や後ろをかいてしまいます。そのため、傷がたくさんできて耳が赤く腫れるのです。また、脱毛を生じる場合もあります。耳からは独特の発酵臭がして、茶色っぽい大量の耳垢が出るのも特徴です。

アレルギー

アレルギーによるかゆみで耳をかいてしまうのも、耳が赤くなる原因のひとつです。耳が熱をもったり、かきむしってできた傷から血が出たりします。

猫が、耳や頭部、首をかゆがる場合、アレルギーの可能性が高いでしょう。花粉やハウスダストの場合、症状に季節性がありますが、食物アレルギーの場合は、かゆみが一年中続くと言われています。原因がある限り、ずっとかゆがるのがアレルギーの特徴です。

皮膚糸状菌症(ひふしじょうきんしょう)

皮膚糸状菌症も耳が赤くなる原因のひとつです。円形脱毛が主な症状で、脱毛部の周辺が赤くなります。触るだけで被毛が抜け、ふけを伴うのが特徴です。全身に広がりやすく、気が付くと体のあちこちに円形脱毛が生じている場合もあります。かゆみはあまりありませんが、同時に細菌感染するとかゆみがひどくなります。

皮膚糸状菌症は、ほかの猫や人間にもうつる人獣共通伝染病です。

疥癬(かいせん)

疥癬の症状は、強烈なかゆみです。耳介の皮膚が疥癬に感染すると、猫は足でかいたり、何かにこすりつけたりします。そのため、赤くなるのは耳を中心とする付け根や耳の下など周辺の皮膚です。かきすぎると熱をもち、傷が目立つようになります。小さな赤い斑点のような発疹も症状のひとつです。皮膚のやわらかい部分から始まり、やがて全身に同じような症状が出る場合もあります。

疥癬は人間にもうつるので、注意が必要です。

耳血腫(じけっしゅ)

耳血腫は、耳介に血液がたまり、赤く腫れて鈍痛(読み:どんつう。意味:重苦しい痛み)を生じる病気です。外耳炎の症状がひどくなると、かゆみが生じます。猫は、激しくかいたりこすりつけたりするため、耳介内の血管が切れ、耳介に血液がたまってしまうのです。

発熱

風邪のような感染症による発熱が原因で、耳が赤くなる場合があります。元気がない、食欲不振などの症状を伴うことがほとんどです。

猫の耳が赤くて、こんな症状があるなら病院へ

猫の耳が赤くて、こんな症状があるなら病院へ

様子を見てもいい場合

―猫の耳が赤くても病院に行かなくていい場合はありますか?

猫に元気や食欲があり、耳をかく素振りがない場合はしばらく様子を見てください。赤みが引いて、特に変わった様子がなければ受診しなくてもいいでしょう。

受診を強く勧める場合

―すぐ病院に連れて行ったほうがいい場合を教えてください。

猫の耳が赤く腫れている、触ろうとすると嫌がる場合は、耳の痛みがひどくこじれていると予想されます。また、食欲がなく、ぐったりしているなどの症状がある場合、感染症が原因で熱が出ているかもしれません。早めに受診しましょう。

耳から黒い耳垢が出る、異常にかゆがる、毛がごっそり抜ける、赤い斑点やできものなどの症状がある場合も、早めの受診をお勧めします。

特に耳血腫は早期治療が必要です。痛みから食欲がなくなり、耳介が変形して縮れてしまいます。様子を見ていても腫れは引きません。

また、ミミダニ、疥癬、皮膚糸状菌症はほかの猫にうつります。さらに、疥癬や皮膚糸状菌症は、人にもうつる人獣共通感染症なので注意が必要です。

猫の耳が赤いときの対処法

―猫の耳が赤くなってしまったときに自宅でできる応急処置はありますか?

自宅にある薬を使用すると、さらに悪化するおそれがあります。あるがままの状態を確認するほうが診断しやすいので、薬を付けたり拭いたりしないで動物病院を受診しましょう。

日ごろからできる猫の耳のケア

日ごろからできる猫の耳のケア

―猫の耳の疾患を予防するにはどうしたらいいのでしょうか?

猫の耳のチェックを定期的に行いましょう。耳の匂いを嗅いだり、見える範囲をやわらかい布やティッシュで軽く拭いたりして、耳垢の量や色などを確認してください。

耳の汚れを拭き取る専用シートがありますので、猫が嫌がらなければ使ってみましょう。

こんなケアはNG

―やってはいけないケアについて教えてください。

毎日、猫の耳を掃除するのはお勧めしません。猫の耳の皮膚は薄くデリケートです。きれいにしようと、強くこするのもやめましょう。強くこすってできた傷が刺激になり、外耳炎の原因になることがあります。

まとめ

興奮や暑さが原因で、猫の耳が赤くなるのは正常で、すぐに赤みが引きます。しかし、ずっと赤い、かいてばかりいる、いつもと違う匂いがする、元気がないなどの症状があれば早めに受診しましょう。

そのほか気になる猫の体や行動の異常・変化については、獣医師監修の「猫の症状」を併せてご覧ください。

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