事例 種類 病気・怪我の種類 お支払い金額
1 肝障害の疑い、上皮腫の疑いほか 約45万円
2 糖尿病、膵炎ほか 約40万円
3 橈尺骨骨折 約40万円
4 直腸腫瘤、リンパ腫 約40万円
5 異物誤飲ほか 約40万円

※お支払い金額は1回の請求ベースで掲載しております。
※個別の契約に関してはお答えできません。個人が特定できない範囲で情報を掲載しています。

請求書類到着日から
着金するまでの日数
平均
8.73

※2020年11月1日~2020年11月30日に保険金支払手続きを行った事案
※保険金請求書類が整った日の翌日から起算してお客さまの口座に振り込まれる日までの実日数(土日祝日を含みます)

一日も早いご回復を心よりお祈り申し上げます。

[追記日] 2021年 3月 17日

平均的な保険金のお支払い事例

保険金のお支払いは、上記のように高額なものに限りません。次に、平均的な保険金のお支払い事例としてペットの歯周病の診療をご紹介します。

事例 種類 病気・怪我の種類 お支払い金額
1 歯周病 38,000円

上記金額は、1,000円未満を切り捨てています。

高額診療「犬の橈尺骨骨折」を獣医師が解説

2020年11月度の高額保険金お支払い事例で取り上げた「犬の橈尺骨骨折」の診療内容について、当社ペット保険付帯サービス『獣医師ダイヤル』を担当されています「電話どうぶつ病院Anicli24」院長、三宅亜希先生にご解説いただきました。

橈尺骨骨折とは、どんな傷病なのか

橈尺骨骨折と言いますが、「橈尺骨」という名前の骨があるのではなく、「橈骨(とうこつ)」と「尺骨(しゃっこつ)」という2本の骨がどちらも骨折している状態を表します。

橈骨も尺骨も前肢の骨で、肘から手首をつなぐ細長い形をしています。肘から親指側をつないでいるのが橈骨で、肘から小指側をつないでいるのが尺骨です。この場所を骨折すると、強い痛み、腫れ、熱感などが起こり、前肢を挙上して地面に着かないという症状が見られます。犬の橈尺骨骨折は、多くの場合、骨の真ん中あたりよりも手首側に起こりますが、まれに、橈骨だけ、尺骨だけが骨折することもあります。

橈尺骨骨折の好発犬種(その病気にかかりやすい犬種)は、トイ・プードル、チワワ、ミニチュア・ピンシャー、ヨークシャー・テリア、ポメラニアンなどのトイ犬種です。また、若い年齢でしばしば見られ、特にその原因は1歳未満での事故(ソファからの飛び降り失敗、抱っこからの落下など)が多くを占めます。

犬の骨折は治療を行っても癒合不全(骨折部位がくっつかないこと)を起こしたり、癒合しても曲がる、短くなるなど変形したりすることがあります。橈尺骨骨折についてもこれらが起こりやすく、特に骨の細いトイ種ではさらにリスクが高まってしまうのです。

犬の骨折について詳しく

事例の犬の橈尺骨骨折の通院日数、入院日数、手術回数について

種別
傷病名 橈尺骨骨折
通院日数 4日
入院日数 11日
手術回数 2回

※上記の数値は、PS保険加入者さまから請求されたものであり、ペットメディカルサポート株式会社が補償する範囲を示すものではありません。また、平均や水準を示すものでもありません。

犬の橈尺骨骨折の診療内容

※下記の診察内容は、犬の橈尺骨骨折の一般的な診療内容についての記述になり、PS保険にご請求いただいた事案の診療内容とは異なります。

検査

問診、視診、触診

飼い主さんに症状が始まった時期やきっかけ、日常生活での様子、既往歴の有無、薬の投与歴などの問診を行います。また、患肢(けがをしてる肢)の体重のかけ方、腫れ、熱感、痛みの度合いなどを観察します。

画像検査

骨折が疑われたら、レントゲン検査を行います。肢の角度を変え、数枚撮影します。骨折があればレントゲン検査で確定診断が可能です。

治療法

犬の橈尺骨骨折では、外科治療が第一選択ですが、場合によっては保存療法を行うこともあります。

保存療法

手術を行わず、ギプス固定で骨癒合を試みます。しかし、癒合不全を起こすリスクが高いため、通常は選択されません。

外科治療

外科治療にはいくつかの方法があり、骨折の状況、犬の性格、術後の管理や通院がどれくらい可能か、などを考慮して決定されます。主な方法としては、プレートを骨折部位にあて、スクリューで固定して骨折を整復する方法や、外側から創外固定器を用いて骨折を整復する方法(患肢の外側に固定器を置き、皮膚を通してピンやワイヤーを骨に貫通させ、固定器に固定)があります。

なお、外科治療は全身麻酔下で行うため、全身麻酔を安全に行えるのかを確認する必要があり、術前検査として血液検査や胸のレントゲン検査を行います。

予後

術式や骨折の状況により予後も異なりますが、通常、術後1週間程度は入院が必要であり、その後も骨癒合の状態や術創の確認のため、数か月の間は定期的な通院が必要です。自宅で愛犬を安静にすることが難しい場合では、術後の入院期間が長くなることもあります。また、プレートや創外固定器を抜去できる時期は骨癒合の状況により異なります。

最初に記載したように、特にトイ種の橈尺骨骨折では外科手術を行っても骨癒合がうまくいかず、場合によっては再手術が必要になることもあります。

まとめ

橈尺骨骨折は、犬の骨折の中でも珍しくない疾患であり、かかりやすい犬種は存在するものの、どの犬種でも起こるおそれがあります。ちょっとした事故が原因になることが多いので、特にやんちゃな子犬の時期は犬の扱いに十分注意が必要です。受傷したらほとんどのケースで外科手術が必要になり、診療費は高額です。しかし、適切な治療を受ければ、犬は通常どおり走る喜びを得られ、日常生活を楽しめるようになります。

執筆者プロフィール

三宅亜希 先生
三宅亜希 先生

獣医師。日本で唯一の電話相談専門病院である「電話どうぶつ病院Anicli24」院長。電話による24時間365日の相談、健康診断や未病予防の啓蒙、獣医師向けのホスピタリティ講演などを中心に活動。