事例 種類 病気・怪我の種類 お支払い金額
1 肺炎、外耳炎ほか 約65万円
2 右肺葉捻転、乳び胸 約45万円
3 腸管腫瘍 約45万円
4 僧帽弁閉鎖不全症、急性脳障害ほか 約45万円
5 前十字靭帯断裂、外耳炎 約40万円

※お支払い金額は1回の請求ベースで掲載しております。
※個別の契約に関してはお答えできません。個人が特定できない範囲で情報を掲載しています。

請求書類到着日から
着金するまでの日数
平均
12.52

※2021年9月1日~2021年9月30日に保険金支払手続きを行った事案
※保険金請求書類が整った日の翌日から起算してお客さまの口座に振り込まれる日までの実日数(土日祝日を含みます)

一日も早いご回復を心よりお祈り申し上げます。

[追記日] 2022年1月12日

平均的な保険金のお支払い事例

保険金のお支払いは、上記のように高額なものに限りません。次に、平均的な保険金のお支払い事例としてペットの膀胱炎、歯根膿瘍の診療をご紹介します。

犬の膀胱炎について詳しく

事例 種類 病気・怪我の種類 お支払い金額
1 膀胱炎、歯根膿瘍 39,000円

上記金額は、1,000円未満を切り捨てています。

高額診療「犬の腸管腫瘍」を獣医師が解説

2021年9月度の高額保険金お支払い事例で取り上げた「犬の腸管腫瘍」の診療内容について、当社ペット保険付帯サービス『獣医師ダイヤル』を担当されています「電話どうぶつ病院Anicli24」院長、三宅亜希先生にご解説いただきました。

腸管腫瘍とは、どんな病気なのか

腫瘍には良性と悪性があり、悪性のものを「がん」と呼びます。腸管にできる腫瘍にも良性と悪性があります。

犬でよく見られる腸管腫瘍には、腺癌、リンパ腫、平滑筋肉腫、平滑筋腫などがあり、一般的に高齢での発症が多く知られています。このほかにも、肥満細胞腫や消化管間質腫瘍などが生じます。

また、ミニチュア・ダックスフンドは、大腸の炎症性ポリープの好発犬種(その病気にかかりやすい犬種)として知られています。炎症性ポリープは良性ですが、悪性化する場合もあり、注意が必要です。

腸管腫瘍の症状や予後は、腫瘍の種類以外にも、腫瘍ができた場所や、腫瘍により腸管内の通過障害があるか、腫瘍部から腸管に穴が開いているか、転移があるか、などによって異なります。良性でも、軟便、血便、便秘、食欲不振、嘔吐などの症状が起こる場合があります。

事例の犬の腸管腫瘍の通院日数、入院日数、手術回数について

種別
傷病名 腸管腫瘍
通院日数 12日
入院日数 14日
手術回数 0回

※上記の数値は、PS保険加入者さまから請求されたものであり、ペットメディカルサポート株式会社が補償する範囲を示すものではありません。また、平均や水準を示すものでもありません。

犬の腸管腫瘍の診療内容

※下記の内容は、犬の腸管腫瘍の一般的な診療についての記述であり、PS保険にご請求いただいた事案の診療内容とは異なります。

検査

問診、視診

飼い主さんに症状が始まった時期やきっかけ、日常生活での様子、既往歴の有無、薬の投与歴などの問診を行います。

触診

腫瘍の場所や大きさによっては、腹部の触診で腫瘍を確認できる場合もあります。

血液検査

採血をして、全身状態を確認します。症状によっては貧血などが確認できます。

画像検査

レントゲン検査や超音波検査により、腫瘍を確認します。レントゲン検査の際に造影剤を使用して、腫瘍の正確な位置や腸管内の通過障害の有無を確認する場合もあります。また、腸全体を十分に確認するためにCT検査を行うこともあります。

内視鏡検査、病理検査

内視鏡が届く場所(十二指腸、もしくは直腸)の腫瘍に対しては、内視鏡で組織を採取し、顕微鏡で確認できます。それにより、悪性腫瘍なのか、良性腫瘍なのか、または炎症や過形成(細胞が過剰に増加すること)などが原因で腫れているのかを鑑別します。

試験開腹

内視鏡が届かず、また腹壁から針も届かない場所にある腫瘍では、病理のために試験開腹が必要になる場合もあります。試験開腹では通常の開腹手術と同様に全身麻酔下で行うため、全身麻酔を安全に行えるのかを確認する必要があり、術前検査として血液検査や胸のレントゲン検査を行います。

治療法

腫瘍の種類によって治療法は変わります。悪性度の度合によっても異なりますが、リンパ腫は抗がん剤の効果が期待できます。リンパ腫と診断された際は、抗がん剤治療を行います。

リンパ腫以外の腫瘍では、基本的に外科治療が選択されます。なお、外科治療は全身麻酔下で行うため、全身麻酔を安全に行えるのかを確認する必要があり、術前検査として血液検査や胸のレントゲン検査を行います。

予後

予後は、腫瘍の種類や手術で完全に切除できたかなどにより異なります。リンパ腫で、悪性度があまり高くなく、抗がん剤の効果が十分にあった場合は寛解(がん化したリンパ球が消失し、見つからなくなること)する可能性があります。また、リンパ腫以外の腫瘍でも悪性度が低く、手術で完全に切除できた場合、予後は期待できます。

まとめ

犬の腸管腫瘍は、消化器症状を起こす場合が多いため、日ごろから便の様子を観察しておくと早期発見が期待できます。

また、良性であっても、重い症状が出る場合や悪性化するおそれがあるため、しばしば手術が選択されます。もし愛犬が腸管腫瘍と診断されたら、かかりつけの先生やご家族とよく話し合って治療に臨んでください。また、悪性の場合は、治療後も楽観視はできませんが、適切な治療を受ければ、一緒に暮らす時間を増やせるでしょう。

執筆者プロフィール

三宅亜希 先生
三宅亜希 先生

獣医師。日本で唯一の電話相談専門病院である「電話どうぶつ病院Anicli24」院長。電話による24時間365日の相談、健康診断や未病予防の啓発、獣医師向けのホスピタリティ講演などを中心に活動。