事例 種類 病気・怪我の種類 お支払い金額
1 アポクリン腺癌、尿道炎 約50万円
2 網膜剥離、左前十字靭帯部分断裂 約45万円
3 肝臓病、胆嚢炎ほか 約40万円
4 膝蓋骨内方脱臼 約40万円
5 僧帽弁閉鎖不全症、肺水腫ほか 約40万円

※お支払い金額は1回の請求ベースで掲載しております。
※個別の契約に関してはお答えできません。個人が特定できない範囲で情報を掲載しています。

請求書類到着日から
着金するまでの日数
平均
12.17

※2021年11月1日~2021年11月30日に保険金支払手続きを行った事案
※保険金請求書類が整った日の翌日から起算してお客さまの口座に振り込まれる日までの実日数(土日祝日を含みます)

一日も早いご回復を心よりお祈り申し上げます。

[追記日] 2022年3月9日

平均的な保険金のお支払い事例

保険金のお支払いは、上記のように高額なものに限りません。次に、平均的な保険金のお支払い事例としてペットの膀胱炎、腎盂腎炎の診療をご紹介します。

犬の膀胱炎について詳しく

事例 種類 病気・怪我の種類 お支払い金額
1 膀胱炎、腎盂腎炎 40,000円

上記金額は、1,000円未満を切り捨てています。

高額診療「犬の膝蓋骨内方脱臼」を獣医師が解説

2021年11月度の高額保険金お支払い事例で取り上げた「犬の膝蓋骨内方脱臼」の診療内容について、当社ペット保険付帯サービス『獣医師ダイヤル』を担当されています「電話どうぶつ病院Anicli24」院長、三宅亜希先生にご解説いただきました。

膝蓋骨内方脱臼とは、どんな病気なのか

膝蓋骨は膝にあるお皿のような形の骨で、大腿骨(だいたいこつ)にある溝におさまっています。膝蓋骨脱臼とは、膝蓋骨が大腿骨の溝から外れてしまう病気で、内側に外れるのが内方脱臼です。膝蓋骨脱臼が起こると、後肢(後ろ足)を地面に着けずに挙上した(持ち上げた)ままにしていたり、触ると痛がったりします。自ら屈伸などをして自然と脱臼が戻ることもありますが、繰り返し脱臼したり、戻らなかったりする場合は手術になるケースもあります。脱臼に伴い、膝蓋骨を支える前十字靭帯(ぜんじゅうじじんたい)の損傷や、足の骨に変形が見られる場合もあります。

膝蓋骨内方脱臼の好発犬種(その病気にかかりやすい犬種)として、先天的に大腿骨の溝が浅いトイ種(チワワ、ポメラニアン、マルチーズ、ヨークシャー・テリア、トイプードルなど)が挙げられます。ただし、どの犬種でも事故の外傷で膝蓋骨脱臼を起こす可能性があります。内方脱臼とは逆に、外側に外れる場合を外方脱臼といい、大型犬や牛・馬などに多く見られます。

犬の膝蓋骨脱臼(パテラ)について詳しく

事例の犬の膝蓋骨内方脱臼の通院日数、入院日数、手術回数について

種別
傷病名 膝蓋骨内方脱臼
通院日数 8日
入院日数 9日
手術回数 2回

※上記の数値は、PS保険加入者さまから請求されたものであり、ペットメディカルサポート株式会社が補償する範囲を示すものではありません。また、平均や水準を示すものでもありません。

犬の膝蓋骨内方脱臼の診療内容

※下記の内容は、犬の膝蓋骨内方脱臼の一般的な診療についての記述であり、PS保険にご請求いただいた事案の診療内容とは異なります。

検査

問診、視診

飼い主さんに症状が始まった時期やきっかけ、日常生活での様子、既往歴の有無、薬の投与歴などの問診を行います。また、犬の体格、四肢の位置、体重のかけ方、座り方、筋肉のつき方などを観察します。

触診

膝蓋骨の脱臼のしやすさや戻り具合などを触診で確認し、画像診断の結果と合わせて、以下の4つのグレードに分けます。

グレード1:膝蓋骨を指で押すと脱臼するが、押すのをやめるとすぐに正しい位置へ戻る。

グレード2:膝蓋骨を指で押したり膝を曲げたりすると脱臼し、押すのをやめても正しい位置へ戻らない。膝を伸ばしたり指で膝蓋骨を押したりすると、正しい位置に戻る場合が多い。

グレード3:膝蓋骨がいつも脱臼している状態で、指で押すと正しい位置に戻るが手を離すとすぐにまた脱臼してしまう。

グレード4:膝蓋骨がいつも脱臼している状態で、正しい位置に戻せない。

画像検査

レントゲン検査を行い、膝蓋骨の位置、大腿骨の溝の状態、骨のねじれの有無などを確認します。

治療法

犬の膝蓋骨内方脱臼では、グレードにより治療法が変わります。
グレード1では状態を悪化させないように、普段の生活で以下の3点に気を付けながら、経過観察を行います。

1.体重管理

適正な体重をキープして、膝への負担を軽減します。特に小型犬では、数百グラムの体重の増加でも膝に負担がかかる可能性があります。

2.運動制限

適度な運動は健康維持には大切であり、筋肉が発達することは膝関節を支えるうえでも重要です。しかし、膝蓋骨脱臼と診断を受けた場合は、運動制限が必要な場合があります。全速力で走る行為などは避けたほうがいいでしょう。

3.床材の見直し・足裏のケア

四肢が滑りやすいと関節に負荷がかかります。フローリングの上に滑りにくい素材の床材を敷いたり、塗るタイプの滑り止めなどを使用したりすることをおすすめします。
また、爪が伸びすぎていたり、肉球が毛で覆われていたりすると滑りやすくなります。爪や足裏を定期的にチェックしましょう。

グレード2以上には、外科治療が第一選択です。外科治療では、膝蓋骨が脱臼しないよう安定させる手術を行います。術式は数種類あり、グレードや前十字靭帯の損傷の状態、骨の変形の有無、犬の状態などから総合的に判断します。両後ろ足が膝蓋骨内方脱臼を起こしている場合は、一方の足を手術し、1か月ほどして状態が安定してからもう片方の足の手術を行います。なお、外科治療は全身麻酔下で行うため、術前検査として血液検査や胸のレントゲン検査を行い、全身麻酔を安全に行えるかを確認します。

予後

術式によって予後に多少の差が出ますが、通常は手術から2週間ほどは安静に過ごし、同じ頃に抜糸を行います。術後1か月くらいから徐々に運動ができます。自宅で愛犬を安静にさせるのが難しい場合は、術後の入院期間が長くなる可能性があります。また、術後は定期的な診察と経過観察を行い、患部の腫れや痛みがある場合は内服(飲み薬)で治療します。

まとめ

犬の膝蓋骨内方脱臼は、なりやすい犬種が存在するものの、どの犬種でも起こるおそれがある疾患です。
グレード2以上のベストな治療は外科手術です。診療費が高額ではありますが、適切なタイミングで適切な手術を受けることで、愛犬は痛みから早く解放され、お散歩やお出かけなど日常生活を楽しめるようになります。また、グレード1と診断された場合は、膝に過度な負担がかからないよう愛犬の体調管理やこまめなケアを心がけましょう。

執筆者プロフィール

三宅亜希 先生
三宅亜希 先生

獣医師。日本で唯一の電話相談専門病院である「電話どうぶつ病院Anicli24」院長。電話による24時間365日の相談、健康診断や未病予防の啓発、獣医師向けのホスピタリティ講演などを中心に活動。

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