事例 種類 病気・怪我の種類 お支払い金額
1 腎臓病、歯科疾患 約60万円
2 尿管結石、尿管閉塞 約55万円
3 モンテジア骨折 約50万円
4 悪性リンパ腫、下痢ほか 約45万円
5 歯肉炎、僧帽弁閉鎖不全症ほか 約45万円

※お支払い金額は1回の請求ベースで掲載しております。
※個別の契約に関してはお答えできません。個人が特定できない範囲で情報を掲載しています。

請求書類到着日から
着金するまでの日数
平均
12.82

※2022年3月1日~2022年3月31日に保険金支払手続きを行った事案
※保険金請求書類が整った日の翌日から起算してお客さまの口座に振り込まれる日までの実日数(土日祝日を含みます)

一日も早いご回復を心よりお祈り申し上げます。

[追記日] 2022年7月6日

平均的な保険金のお支払い事例

保険金のお支払いは、上記のように高額なものに限りません。次に、平均的な保険金のお支払い事例としてペットの歯周病の診療をご紹介します。

犬の歯周病について詳しく

事例 種類 病気・怪我の種類 お支払い金額
1 歯周病 29,000円

上記金額は、1,000円未満を切り捨てています。

高額診療「犬のモンテジア骨折」を獣医師が解説

2022年3月度の高額保険金お支払い事例で取り上げた「犬のモンテジア骨折」の診療内容について、当社ペット保険付帯サービス『獣医師ダイヤル』を担当されています「電話どうぶつ病院Anicli24」院長、三宅亜希先生にご解説いただきました。

モンテジア骨折とは、どんな病気なのか

前足には、肘から足首をつなぐ細長い2本の骨があります。肘から親指側をつないでいるのが「橈骨(とうこつ)」、肘から小指側をつないでいるのが「尺骨(しゃっこつ)」です。モンテジア骨折とは、尺骨の骨折と橈骨頭(肘関節)の脱臼が同時に起こる疾患です。

骨折や脱臼により、強い痛み、腫れ、熱感などが起こり、前足を挙上したまま地面に着けないという症状が見られます。

モンテジア骨折は犬でも猫でも発症はまれで、好発犬種(特定の病気にかかりやすい犬種)は不明です。ただし、前足の骨折はトイ・プードル、チワワ、ミニチュア・ピンシャー、ヨークシャー・テリア、ポメラニアンなどのトイ犬種での発生が多く見られます。

犬の骨折について詳しく

事例の犬のモンテジア骨折の通院日数、入院日数、手術回数について

種別
傷病名 モンテジア骨折
通院日数 5日
入院日数 15日
手術回数 2回

※上記の数値は、PS保険加入者さまから請求されたものであり、ペットメディカルサポート株式会社が補償する範囲を示すものではありません。また、平均や水準を示すものでもありません。

犬のモンテジア骨折の診療内容

※下記の内容は、犬のモンテジア骨折の一般的な診療についての記述であり、PS保険にご請求いただいた事案の診療内容とは異なります。

検査

問診、視診、触診

飼い主さんに症状が始まった時期やきっかけ、日常生活での様子、既往歴の有無、薬の投与歴などの問診を行います。また、患肢(ケガをしている足)の体重のかけ方、腫れ、熱感、痛みの度合いなどを観察します。

画像検査

骨折や脱臼が疑われる場合、レントゲン検査を行います。足の角度を変え、数枚撮影します。骨折はレントゲン検査で確定診断が可能ですが、橈骨頭の脱臼は判別できない場合があります。

治療法

犬のモンテジア骨折の治療法は、外科治療が第一選択ですが、状況によっては保存療法を行います。

保存療法

非観血的(手術を行わない内科的治療)に、皮膚の上から脱臼を整復し、ギプスで固定して骨癒合を試みます。しかし、再脱臼や癒合不全を起こすリスクが高いため、通常は選択されません。

外科治療

外科治療にはいくつかの方法があり、骨折の状況、脱臼の程度、犬の性格、術後の管理や通院がどのくらい可能かなどを考慮して、獣医師が決定します。骨折に対しては、プレート(骨折部位にあてスクリューで固定する器具)や、創外固定器(患肢の外側にあて、皮膚を通したピンやワイヤーを骨に貫通させる器具)を用いて整復する方法があります。脱臼に対しては、整復した脱臼部分を人工の靭帯(じんたい)で固定します。モンテジア骨折は、骨折と脱臼が併発しているため、骨折のみの場合よりも難易度の高い手術になります。

なお、外科治療は全身麻酔下で行います。術前検査として血液検査や胸のレントゲン検査を行い、全身麻酔を安全に行えるか確認します。

予後

術式や、骨折・脱臼の状況により予後も異なりますが、通常は術後1週間程度の入院が必要になります。退院後も骨癒合の状態や術創の確認のため、数か月間は定期的な通院が必要です。自宅で愛犬を安静に保つのが難しい場合は、術後の入院期間が長くなるケースもあります。骨折部位に装着したプレートや創外固定器を抜去する時期は、骨癒合の状況により異なります。難易度の高い手術のため、手術後も跛行(はこう:正常な歩行ができない状態)が残ったり、再手術が必要になったりする場合があります。

まとめ

犬が前足を骨折するのはよく見られますが、骨折と脱臼が同時に起こるモンテジア骨折は珍しい疾患です。ほとんどのケースで外科手術が必要で、診療費は高額になる傾向があるため、愛犬はもちろん飼い主さんの負担も大きいと言えます。しかし、適切な治療を受けた愛犬は痛みから解放され、再び日常生活を送れるようになります。足に異常が認められた場合は、速やかに動物病院を受診しましょう。

執筆者プロフィール

三宅亜希 先生
三宅亜希 先生

獣医師。日本で唯一の電話相談専門病院である「電話どうぶつ病院Anicli24」院長。電話による24時間365日の相談、健康診断や未病予防の啓発、獣医師向けのホスピタリティ講演などを中心に活動。

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