事例 種類 病気・怪我の種類 お支払い金額
1 腎結石、副腎腫瘍ほか 約55万円
2 猫コロナウィルス感染症、腎臓病 約40万円
3 尿管結石・腎不全 約40万円
4 アレルギー性皮膚炎、尾側後頭骨奇形症候群ほか 約40万円
5 乳腺腫瘍、子宮水腫 約40万円

※お支払い金額は1回の請求ベースで掲載しております。
※個別の契約に関してはお答えできません。個人が特定できない範囲で情報を掲載しています。

請求書類到着日から
着金するまでの日数
平均
13.85

※2021年3月1日~2021年3月31日に保険金支払手続きを行った事案
※保険金請求書類が整った日の翌日から起算してお客さまの口座に振り込まれる日までの実日数(土日祝日を含みます)

一日も早いご回復を心よりお祈り申し上げます。

[追記日] 2021年 7月 14日

平均的な保険金のお支払い事例

保険金のお支払いは、上記のように高額なものに限りません。次に、平均的な保険金のお支払い事例としてペットの熱中症の診療をご紹介します。

犬の熱中症について詳しく

事例 種類 病気・怪我の種類 お支払い金額
1 熱中症 32,000円

上記金額は、1,000円未満を切り捨てています。

高額診療「猫の尿管結石・腎不全」を獣医師が解説

2021年3月度の高額保険金お支払い事例で取り上げた「猫の尿管結石・腎不全」の診療内容について、当社ペット保険付帯サービス『獣医師ダイヤル』を担当されています「電話どうぶつ病院Anicli24」院長、三宅亜希先生にご解説いただきました。

尿管結石・腎不全とは、どんな病気なのか

尿管結石とは、尿管(腎臓と膀胱をつなぐ尿の通り道)にできる結石のことです。急性腎臓病の原因になることがあり、腎臓が正常に機能しない状態(腎不全)を起こします。

急性腎臓病の原因としては、腎前性(腎臓に流れてくる血液の減少)、腎性(腎臓の障害)、腎後性(腎臓でつくられた尿が正常に排泄されない)があり、尿管結石は腎後性にあてはまります。

猫の尿路結石症について詳しく

腎臓はふたつあり、尿管も2本あります。そのため、片方の尿管が尿管結石で閉塞しても、もう片方の腎臓と尿管が正常に働いていれば、明らかな症状が出ないこともあります。ですが、両方の尿管が尿管結石で閉塞すると重篤な急性腎臓病を起こし、嘔吐、食欲廃絶、ショック、腹痛、排尿が見られない、などの症状が確認されます。

膀胱にできる結石は、ストルバイト結石とシュウ酸カルシウム結石が半々くらいですが、尿管結石はほとんどがシュウ酸カルシウム結石です。シュウ酸カルシウム結石は高齢の猫でできやすいことがわかっています。

猫のシュウ酸カルシウム結石について詳しく

事例の猫の尿管結石・腎不全の通院日数、入院日数、手術回数について

種別
傷病名 尿管結石・腎不全
通院日数 0日
入院日数 14日
手術回数 1回

※上記の数値は、PS保険加入者さまから請求されたものであり、ペットメディカルサポートが補償する範囲を示すものではありません。また、平均や水準を示すものでもありません。

猫の尿管結石・腎不全の診療内容

※下記の診察内容については、猫の尿管結石・腎不全の一般的な診療内容についての記述になり、PS保険にご請求いただいた事案の診療内容とは異なります。

検査

問診、視診、触診

飼い主さんに症状が始まった時期、既往歴の有無、薬の投与歴などの問診を行います。嘔吐や食欲不振のほか、重症の場合は、ショックや虚脱などが起こります。

画像検査

超音波検査により腎臓と尿管の状態を観察します。レントゲン検査で結石そのものが確認できることもありますが、ごく小さい場合は確認ができません。

血液検査

血中の尿素窒素、クレアチニン、電解質などを確認します。これにより腎臓病を起こしているかどうか、またその程度がわかります。

尿検査

尿の色、濃さ、蛋白や糖が出ているか、細菌や結晶成分があるか、などを確認します。正確な尿の状態を知るためには、経皮的膀胱穿刺(お腹から膀胱まで針を刺して直接膀胱内の尿を採取します)を行います。

治療法

急性腎臓病は救急管理が必要な病気です。その原因が尿管結石の場合は、外科的な治療が必要となりますが、まずは内科治療で血液中の電解質を始め、状態を正常化させます。その後、すぐに外科治療へと移ります。

内科治療

点滴を流しながら、頻繁に血液検査を行い、血液中の電解質などの状態を安定させます。

外科治療

尿管を切開、もしくは部分切除します。尿管結石がある場所や尿管の状態によって術式が選択されます。排尿ルートの確保や、術後の腎臓負担の軽減を目的として、腎瘻チューブの設置も行われます。なお、外科治療は全身麻酔下で行うため、全身麻酔を安全に行えるのかを確認する必要があり、術前検査として血液検査や胸のレントゲン検査を行います。

予後

腎臓の機能がほとんど失われ、尿を生成できないほどの状態になっていた場合、予後は非常に悪いと言えます。また、状態が良く、手術が無事終了した場合でも、腎臓内に結石が存在し、その結石が流れてきて再度尿管で閉塞することもあります。急性腎臓病になった猫は、回復しても慢性腎臓病へと移行することが多いため、定期的な経過観察が必要となります。また、再度結石ができないよう、食事管理を行うことも重要です。

まとめ

猫の尿管結石による急性腎臓病は非常にリスクが高く、命にかかわるおそれがあるものです。できるだけ初期の段階で適切な治療が行えるよう、少しでも体調に気になる点がある場合は、早めの受診が大事です。

また、再発のおそれがあるため、定期的に尿検査などで通院し、食事に気を付け、積極的に飲水させることなども大切です。

執筆者プロフィール

三宅亜希 先生
三宅亜希 先生

獣医師。日本で唯一の電話相談専門病院である「電話どうぶつ病院Anicli24」院長。電話による24時間365日の相談、健康診断や未病予防の啓発、獣医師向けのホスピタリティ講演などを中心に活動。

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