猫がおしっこをしない原因とは?病院に連れて行くべき症状を獣医が解説

猫がおしっこをしない、トイレには行くけど何もしないで戻って来てしまう、そんな行動の背景には、どのような原因や病気があるのでしょうか。また、病院に連れて行くタイミング、予防や対処法などを獣医師さんに伺ってみました。

そのうち治るだろうと様子を見ていたら、病状が急変し、取り返しのつかない事態に陥ってしまうかもしれません。気になることがあれば、すぐに獣医師さんに相談しましょう。

猫がおしっこをしない原因とは?病院に連れて行くべき症状を獣医が解説

目次

猫のおしっこについて

猫の一日の尿量は体重1kgあたり22~30ml。極端に少ない場合は要注意

―猫は一日にどのくらいの量のおしっこをするのですか?

猫の一日のおしっこの量は、体重1kgあたり22~30mlが標準的です。ただし、水を飲む量や食事の内容(主食はドライフードかウェットフードか、野菜や果物などを与えているかなど)によってばらつきはあります。

この量より少ないからといって、必ずしも異常があるというわけではありません。しかし、いつもと比較しておしっこの量が少ない状態が続いている、おしっこの量が極端に少ない、まったくおしっこが出ていない、という場合には何かしらの異常が発生している可能性が考えられます。

また、標準体型の猫の一日あたりのおしっこの回数は、1~3回くらいです。何らかの原因でおしっこの回数が増えると、1回あたりのおしっこの量は少なくなります。

猫のおしっこの量の測り方

―猫のおしっこの量の測り方を教えてください。

固まるタイプの猫砂を使っている場合、正確なおしっこの量は測れませんが、大体の量は把握できます。おしっこを含んだ猫砂のかたまりの大きさや重さを確認しましょう。いつもより猫砂のかたまりが小さかったり、軽かったりする場合は、1回あたりのおしっこの量が少ないと判断できます。

ペットシーツを使っている場合は、おしっこを含んだペットシーツの重さを測ってください。

最近では、自動でおしっこの量を測ってくれるトイレがあります。このトイレを使用すると、スマートフォンで簡単におしっこの量を知ることが可能です。

猫がおしっこをしない原因とは?

―猫はおしっこをあまりしないようですが、どうしてですか?

猫はもともと飲み水が少ない砂漠に住んでいたことから、健康体であってもあまり水を飲まず、少量の濃いおしっこをする習性があります。

しかし、トイレに行こうとしない、おしっこをトイレでしない場合は、何らかの原因があると考えられます。病気以外で考えられる原因は次のとおりです。

トイレが気に入らない

猫は非常にデリケートな生き物です。そのため、猫によっては、トイレの砂の種類やトイレの大きさ、トイレの設置場所など、トイレの何かが気に入らないという理由でおしっこを我慢します。

また、掃除をしていないトイレではおしっこをしない猫もいます。

ストレスを感じている

猫はストレスを感じると、おしっこを我慢する場合があります。ストレスの原因として多いのが、引っ越しや家族構成といった環境の変化や来客、騒音などです。

飼い主に内緒でおしっこをしている

猫がトイレでおしっこをしないと思っていたら、飼い主が気付かない場所でこっそりおしっこをしているケースもあります。一度トイレを失敗した場所はニオイが残っている場合もあるため、よく確認してみましょう。

しかし、トイレでおしっこをしようとしているのに、おしっこが出ない、あるいはポタポタと垂れる程度しかおしっこが出ない場合は、何らかの病気が関係していると考えられます。

猫がおしっこをしない原因として考えられる病気とは?

猫がおしっこをしない原因として考えられる病気とは?

―猫がトイレには行くのにおしっこが出ていない場合、何かの病気なのでしょうか?

おしっこをしようとしているのに出ない原因は、ふたつ考えられます。尿は正常に作られているものの体の外に出ない場合と、そもそも尿が作られていない場合です。

尿は作られているが、おしっこが出ない場合

尿は正常に作られていても、尿路結石症や膀胱炎、尿路閉塞、尿路の腫瘍といった病気が原因で、おしっこの通り道が塞がれてしまう場合があります。そうなると、猫はおしっこを体外に排出できません。おしっこがまったく出ない状態が続くと、何度も吐く、元気がなくなるなどの症状が見られるようになり、高い確率で死に至ります。

尿が作られず、おしっこが出ない場合

尿が作られない原因としては、腎機能の低下や尿の素となる血流量の減少が考えられます。

腎機能の低下は、腎不全や慢性腎臓病、腎臓腫瘍、腎炎、中毒などで生じます。また、血流量の減少は、脱水や心臓病、ショックなどで生じます。

猫がおしっこをしない、こんな症状ならすぐ病院へ

猫がおしっこをしない、こんな症状ならすぐ病院へ

猫が24時間以上おしっこをしない場合、様子を見ずに、すぐ病院へ

―猫がずっとおしっこを出さないでいると心配になります。どのくらいの時間であれば様子を見ていても大丈夫ですか?

24時間以上おしっこが出ていない場合は異常ですので、すぐに動物病院を受診してください。様子を見ている間に、猫の状態が悪化する可能性があります。

猫がおしっこをしない場合、受診を強く勧めるチェックポイント

―受診すべき症状の見分け方、併発するそのほかの症状を教えてください。

繰り返しますが、猫のおしっこがまったく出ていない場合は、ほかに何も症状が見られなくても、すぐに動物病院を受診しましょう。

また、おしっこは出ているが量が少なく、次の症状が見られる場合も、すぐに動物病院を受診してください。

  • 血尿が出ている
  • トイレに何度も行く
  • おしっこをするときに痛そうに鳴き声をあげている
  • 何度も吐いている
  • 元気や食欲がない
  • 口からアンモニア臭がする
  • ぐったりしている

様子を見続けていると尿毒症のおそれ

―猫のおしっこが出ないのを放置すると、どのようなリスクがありますか?

おしっこがまったく出ていない場合、48~72時間以内に尿毒症を引き起こすと言われています。尿毒症になると、けいれんや低体温、意識の低下などが見られるようになり、短時間で死に至ります。

猫の尿が出ないときの対処法

一刻も早く動物病院へ

―猫がおしっこをしない、トイレに行っても出しづらそうにしていたら、どう対処すればいいのでしょうか?

猫がおしっこをしないときは、自宅で対処しようとせず、一刻も早く病院で治療を受けることが大切です。病気以外の原因でも、おしっこが出ない状態が続くと、結果的に尿毒症を引き起こす可能性があります。原因にかかわらず、動物病院を受診しましょう。

人間の場合、排尿トラブルを解消するために、鍼治療やマッサージなどを施す場合があります。しかし、猫の場合は命にかかわる事態なので、動物病院で治療を受けることが先決です。また、膀胱がおしっこでパンパンになっている状態で、マッサージをして下腹部を圧迫すると、おしっこが逆流したり、膀胱が破裂したりする危険があります。むやみに下腹部を触らないようにしましょう。

猫の排尿障害を予防にするには?

猫の排尿障害を予防にするには?

猫がおしっこをしている様子とおしっこの状態を確認する

―猫がおしっこをするときに、日ごろからチェックすべきポイントについて教えてください。

まずは、猫がおしっこをしている最中に、苦しそうにしていないかを確認しましょう。その際は猫がストレスを感じないように、遠くからそっと見守ってください。

猫のおしっこが終わったら、トイレを片付けるついでに、おしっこの量や色、臭いなども確認しておきましょう。

また、日ごろから猫のおしっこの間隔を把握しておくと、早い段階で異常に気付くことができます。おしっこの回数についても注意深く観察しておしてください。

おしっこのトラブルは、再発するケースが少なくありません。月に1回程度、定期的に動物病院で尿検査を受けると安心です。

まとめ

猫のおしっこに関するトラブルは、比較的よく発生します。しかし、まったくおしっこが出ていない場合は、たった2、3日で死に至る場合も少なくありません。猫の様子がいつもと何か違うと感じたら、すぐに動物病院を受診しましょう。

そのほか気になる猫の体や行動の異常・変化については、獣医師監修の「猫の症状」を併せてご覧ください。

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