犬にはちみつをあげても大丈夫?与える量や注意点を獣医師が解説

最終更新日:2024年04月30日

そもそも犬ってはちみつを食べていいの?

健康な成犬ならば、少量のはちみつを犬に与えても問題はないといわれています。ただ、腸内環境がまだ未発達の子犬や何かしらの持病がある犬、高齢犬には与えないようにしましょう。

はちみつを犬に与えることで期待できる効果としては主に以下の2点を挙げることができます。

  • 速やかなエネルギー補給効果:はちみつの約80%は「ぶどう糖」「果糖」などの糖質であり、犬の体内に入ると胃腸などの消化器官へ胃腸に負担をかけずに速やかにエネルギーに変換されるという特徴があります。よって健康には何の問題がないが、もともと少食の成犬や季節の変わり目などで少し元気がない成犬にはちみつを与えることによって、素早いエネルギー補給効果が期待できるかもしれません。
  • 腸内環境を良くする効果:はちみつに含まれている「オリゴ糖」と「グルコン酸」にはビフィズス菌や乳酸菌といった善玉菌を増やし、ウェルシュ菌などの悪玉菌を抑制することで腸内環境に良い影響を与える働きがあるといわれています。体質的にお腹が弱い成犬には、フードのトッピングとして少量のはちみつを与えてみても良いでしょう。

犬に与えてもいいはちみつの量は?

はちみつのカロリーは1gあたり、約3~4カロリーといわれており、犬種別の1日に与えても良いはちみつの量は以下が目安と考えることができます。

  • 超小型犬(成犬時の体重~4kg):1~4g
  • 小型犬(成犬時の体重4~10kg):5g~10g
  • 中型犬(成犬時の体重10~25kg):10g~25g
  • 大型犬(成犬時の体重25kg~50kg):25g~50g

しかし、あくまでこれは犬の体重と必要カロリーのみを考慮していわれている量であり、全ての犬が当てはまるわけではないため注意が必要となります。

犬へ最適なはちみつの与え方とは?

犬用のはちみつ入りクッキーやビスケット、ボーロなどのはちみつが含まれた犬用のおやつをパッケージに記載されている給与量などを守って与えることがおすすめです。

他にはごく少量のはちみつを普段食べているフードのトッピングとして与えたり、ご褒美として適量のはちみつをたまに舐めさせたりなどの与え方も健康な成犬ならば問題ないと考えられます。

なお、その際には可能ならばペット用のはちみつを使用するほうがより愛犬にとって安心な与え方となるでしょう。

犬にはちみつを与える際の注意点とは?

ここからは、実際に犬へはちみつを与える際に気を付けたいポイントを詳しくご紹介していきます。

適量をきちんと守る

はちみつは1gあたり約3~4カロリーと、かなりカロリーが高い食べ物となります。

よって愛犬が喜ぶからといって適量を守らずについ与えすぎてしまうと、カロリー過多となり肥満を引き起こしてしまう可能性が高いと考えられます。

また、犬の舌には人間と同様に味蕾と呼ばれる味をキャッチするためのセンサーが存在しており、甘みに対する味蕾もあるため甘みを好む傾向にあります。

よってはちみつを与えすぎることで主食となるドックフードを食べなくなってしまう場合もあるため、注意が必要です。

花粉症(アレルギー)持ちの犬へは与えない

はちみつは菜の花などの花やアカシアなどの樹木から蜂が採取した蜜を加工したもののため、花粉がはちみつの中に紛れ込んでいる場合があります。

よって花粉症のある犬やアレルギー体質の犬では、はちみつに含まれている花粉によってアレルギー症状を起こすことがあるため、はちみつは与えないようにしましょう。

また、はちみつを与えた後に愛犬の目や口の周りが赤くなっていたり、体をかいたりするような様子が見られたら、すぐに動物病院を受診することをおすすめします。

子犬には与えない

はちみつには「ボツリヌス菌」という、乾燥や熱に強い「芽胞(がほう)」を形成する菌が含まれている可能性があります。

健康な成犬ならば腸内環境が整っているため、ボツリヌス菌が体内に入っても問題になる可能性は低いと考えられていますが、腸内環境がまだ未発達の子犬においてはボツリヌス菌で中毒を起こす危険性が高いといわれています。

よって子犬や加齢によって抵抗力が低下している高齢犬には、はちみつを与えないようにしましょう。

体調不良や持病がある犬には与えない

体調不良で体力が低下していたり、免疫力が低下している犬は体内の毒素を排出しにくくなってしまっているため、子犬や高齢犬と同様にボツリヌス菌で中毒を起こす危険性が高いといわれています。

よって体調不良や持病がある犬には、はちみつは与えないようにしましょう。

もし、体調不良や持病がある愛犬が誤ってはちみつを食べてしまった場合は様子を見るのではなく、かかりつけの動物病院に相談して指示を仰ぐことをおすすめします。決して自己判断で水を無理に飲ませたり吐かせたりするような処置を行ってはいけません。

はちみつ入りの加工品は与えない

私達人間が食べるものの中にも「はちみつ梅干し」や「はちみつレモン」、「はちみつキャンディ」など様々なはちみつ入りの加工品が販売されていますが、これらを愛犬に与えることはおすすめできません。

というのも、これらの食品はあくまで「人間用」であるため犬に与えてしまうと糖分や塩分の過剰摂取となってしまったり、犬にとっては有害な成分が含まれていることで体調不良を引き起こしてしまったりする可能性があるからとなります。

愛犬にはちみつ入りの加工品を与えたいならば、必ず「犬用」と記載されているものを選ぶようにしてください。

まとめ

はちみつを犬に与えることで速やかなエネルギー補給効果や腸内環境を良くする効果を期待することはできますが、子犬や高齢犬、またアレルギー体質や腎臓病など。

何かしらの疾患がある犬においてはボツリヌス菌中毒によって悪影響を引き起こしてしまう危険性があります。

また、健康な成犬においても肥満や偏食などを防ぐためには必ず適量を守って与える必要があるとともに、人間用のはちみつ入りの加工品は体調不良を引き起こしてしまう危険性があるため、愛犬が誤って食べないように注意してあげてくださいね。

犬種別の保険料

  • 純血犬は、犬種により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類され、それぞれ保険料が異なります。犬種の区分については、「犬種分類表」をご確認ください。
  • ミックス犬の保険料は、年齢と体重により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類します。詳しくは、「犬種分類表」の「ミックス犬」の欄をご確認ください。
  • 猫の場合は、品種によらず純血猫もミックス猫もすべて同じ保険料です。
ア行~カ行犬の品種分類表
ア行
カ行
サ行~ナ行
サ行
タ行
ナ行
ハ行~ワ行・その他
ハ行
マ行
ヤ行
ラ行
ワ行
ミックス犬(※1)
  • 8か月未満:6kg未満
  • 8か月以上:8kg未満
  • 8か月未満:6kg以上~20kg未満
  • 8か月以上:8kg以上~25kg未満
  • 8か月未満:20kg以上
  • 8か月以上:25kg以上

※ 「犬種分類表」に記載のない犬種の分類につきましては別途お問い合わせ下さい。