犬が下痢をした時の食事は?お腹を下した時の対処法も獣医師が解説

最終更新日:2024年04月12日

犬が下痢をした時の食事は?お腹を下した時の対処法も獣医師が解説

愛犬が下痢をした際におすすめな食事や対処法について、獣医師が詳しく解説します。

犬は食事が原因で下痢をするケースも多い

犬が下痢をした時の食事は?お腹を下した時の対処法も獣医師が解説

犬が下痢をする原因には様々なケースが考えられますが、その中の1つに「食事」が挙げられます。

食事が原因の場合は、獣医師が適切な診断と治療を行う判断材料として飼い主さんから聞き取った情報が特に大切になります。また、食事が原因の下痢は薬だけではなく食事療法による治療が必要なことも。よって今回は愛犬が、愛犬が下痢をした際におすすめな食事や対処法について一つひとつ解説していきます。

愛犬が下痢をしたら検便で原因を探るのが大切

身体を冷やさないよう注意する

どのような症状にも該当しますが、愛犬が下痢をした場合は速やかに動物病院で検便を行い、下痢の原因となる寄生虫の感染有無や腸内細菌のバランスなどを確認することが大切です。

下痢をしているということは、食べたものを適切に消化・吸収することができていないということになります。したがって、長く続くと脱水症状を引き起こす可能性もあるため、体力がない子犬や老犬においては特に注意が必要です。また動物病院を受診する際は採取したばかりの新鮮便を持参することで、その後の診察がスムーズとなることもあるため、可能な限り下痢便を持っていくことをおすすめします。

食事が原因の下痢を犬がしたらどうすればいい?

食事が原因の下痢として最も多いのが、急にフードを切り替えたことによる消化不良が原因の下痢と言われています。

その場合はフードを元の種類に戻し、下痢の症状が収まったならば時間をかけて新しいフードの割合を少しずつ増やしていく手段をとることが多いと考えられます。また、急激な変化が原因である場合の他に、ごはんの素材や組成などがその子に合わないものだった場合などが考えられます。したがって、考えられる原因に応じてフード選びのし直しや切り替えのし直しをすることをおすすめします。

下記で犬が食べても良いもの、食べてはいけないものについて、食材別に詳しく解説しています。フード切り替えの際にご参考ください。

犬が食べても大丈夫なものと与えてもいい量

犬が食べてはいけない危険な食べ物とは?

犬が下痢をした時の最適な対処法とは

まめに水分を補給する

ここからは、犬が下痢をして動物病院を受診した後に飼い主さん自身が愛犬のために行うことができる対処法にはどのようなものがあるかを ご紹介していきたいと思います。

とはいえ、あくまで一般例といえるため、基本はかかりつけの獣医師に相談してから行うようにしてくださいね。

食物アレルギーを検査してみる

感染性の下痢や消化器の状態の問題による胃腸炎の他にも、アレルギー性の腸炎の可能性も考えられます。

犬にも「食物アレルギー」は存在し、アレルゲンとなりやすい食べ物として鶏肉や牛肉、乳製品、小麦などを挙げることができます。食物アレルギーの症状としては下痢などの消化器症状や外耳炎などの皮膚症状が主に見られるといわれています。

よってこれらの状態がもし愛犬に頻繁に見られるならば、食物アレルギーの検査方法としてアレルゲンを除去した食事である除去食を与えてみて症状が治まるかどうかを観察する除去食試験の実施をかかりつけの獣医師と検討してみても良いでしょう。

まめに水分を補給する

基本的に便に含まれる水分量が正常時より多い便を「下痢便」というため、下痢をすればするほど体内から水分が失われていくと考えることができます。

人間の場合は、自分自身で経口補水液などを摂取することで脱水状態を避けることができますが、犬の場合は飼い主さんが脱水状態となることを防ぐようにしてあげる必要があります。方法としては常温の水や電解質を含む犬用の経口補水液などを少量ずつ与える対処がありますが、愛犬がお水を受けつけない場合は病院での点滴などを検討してみましょう。

消化のいいご飯を心がける

人間と同様に多くの場合、下痢をしているということは消化器に何かしらのトラブルが起きている可能性も考えられます。

トラブルが起きている消化器をゆっくり休めさせるためには1回分のフードの量を普段よりも少なめにして、その分与える回数を増やしてみたりドライフードをぬるま湯でふやかしたりして、愛犬が消化を行いやすいように食事に配慮してあげても良いでしょう。また、下痢の原因や犬の状態にもよりますが獣医師から消化率の良い療法食を与えることを推奨される場合もあります。

身体を冷やさないよう注意する

犬に限ったことではありませんが、動物たちは私たち人間よりも、かなり低い位置にいることが多いため私たちが感じている室温と犬が感じている室温には大きな差があると考える必要があります。

基本的に「冷たい空気は下へ下がり、暖かい空気は上へ上がる」という性質があるため、夏は冷房の冷たい空気が、冬は床からの冷気が犬に当たることが多く、その「冷え」によって体力の低下を起こし、下痢が治るスピードを遅めてしまう場合があります。可能ならば愛犬がよくいる場所で、かつ愛犬の目線に近い位置に温度計を設置してあげて、温度管理を適切に行なってあげるようにしましょう。

まとめ

犬が下痢を起こす原因の1つとして、フードを急に切り替えたことによる消化吸収不良を挙げることができます。 しかし考えられる原因は様々です。

飼い主さんだけで愛犬の下痢の原因を判断することは難しいため、可能ならば新鮮便を持参した上で早々に動物病院を受診するようにしましょう。動物病院への通院後は、かかりつけの獣医師の指示に従って与える食事に配慮したり室温環境を整えてあげたりなど、愛犬が早く元気になるために飼い主さんができることはたくさんあります。ぜひ、今回の記事を参考にしてみてくださいね。

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犬種別の保険料

  • 純血犬は、犬種により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類され、それぞれ保険料が異なります。犬種の区分については、「犬種分類表」をご確認ください。
  • ミックス犬の保険料は、年齢と体重により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類します。詳しくは、「犬種分類表」の「ミックス犬」の欄をご確認ください。
  • 猫の場合は、品種によらず純血猫もミックス猫もすべて同じ保険料です。
ア行~カ行犬の品種分類表
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サ行
タ行
ナ行
ハ行~ワ行・その他
ハ行
マ行
ヤ行
ラ行
ワ行
ミックス犬(※1)
  • 8か月未満:6kg未満
  • 8か月以上:8kg未満
  • 8か月未満:6kg以上~20kg未満
  • 8か月以上:8kg以上~25kg未満
  • 8か月未満:20kg以上
  • 8か月以上:25kg以上

※ 「犬種分類表」に記載のない犬種の分類につきましては別途お問い合わせ下さい。

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記事監修:ペットメディカルサポート株式会社

動物病院での実務経験をもつベテラン獣医師および動物看護師が多数在籍するペット保険の少額短期保険会社。スタッフ全員が動物好きなのはもちろんのこと、犬や猫といったペットを飼っている者も多いので、飼い主様と同じ目線に立ったサポートに取り組んでいます。