事例 種類 病気・怪我の種類 お支払い金額
1 僧帽弁閉鎖不全症、肛門腺破裂ほか 約85万円
2 ブドウ膜炎、外耳炎 約50万円
3 胃腸炎、膵炎 約45万円
4 リンパ腫、免疫介在性血小板減少症ほか 約45万円
5 クッシング症候群、悪性黒色腫ほか 約40万円

※お支払い金額は1回の請求ベースで掲載しております。
※個別の契約に関してはお答えできません。個人が特定できない範囲で情報を掲載しています。

請求書類到着日から
着金するまでの日数
平均
8.88

※2021年7月1日~2021年7月31日に保険金支払手続きを行った事案
※保険金請求書類が整った日の翌日から起算してお客さまの口座に振り込まれる日までの実日数(土日祝日を含みます)

一日も早いご回復を心よりお祈り申し上げます。

[追記日] 2021年11月10日

平均的な保険金のお支払い事例

保険金のお支払いは、上記のように高額なものに限りません。次に、平均的な保険金のお支払い事例としてペットの急性胃腸炎、嘔吐、下痢の診療をご紹介します。

犬の嘔吐について詳しく

事例 種類 病気・怪我の種類 お支払い金額
1 急性胃腸炎、嘔吐ほか 36,000円

上記金額は、1,000円未満を切り捨てています。

高額診療「犬の僧帽弁閉鎖不全症」を獣医師が解説

2021年7月度の高額保険金お支払い事例で取り上げた「犬の僧帽弁閉鎖不全症」の診療内容について、当社ペット保険付帯サービス『獣医師ダイヤル』を担当されています「電話どうぶつ病院Anicli24」院長、三宅亜希先生にご解説いただきました。

僧帽弁閉鎖不全症とは、どんな病気なのか

僧帽弁閉鎖不全症は心臓の病気です。心臓は左心房、左心室、右心房、右心室の4つの部屋に分かれています。僧帽弁(そうぼうべん)は、左心房と左心室を分けている弁です(右心房と右心室を分けている弁は三尖弁(さんせんべん)と言います)。肺から新鮮な酸素を受けとった血液は左心房に流れ、僧帽弁を通って左心室に入り、左心室から動脈を通じて全身に送り出されます。通常、血液が左心室から全身に送り出されるとき、僧帽弁が閉じて左心房への血液逆流を防ぎますが、僧帽弁閉鎖不全症を引き起こしている場合、僧帽弁がしっかりと閉じずに左心房へ血液が逆流してしまいます。

犬が僧帽弁閉鎖不全症を発症すると、運動を嫌がる、疲れやすい、呼吸が早く苦しそう、体重減少、咳が出る、といった症状が見られます。

僧帽弁閉鎖不全症は高齢の小型犬に多く見られますが、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは僧帽弁閉鎖不全症の好発犬種(その病気にかかりやすい犬種)であり、若くして発症することが知られています。

犬の僧帽弁閉鎖不全症について詳しく

事例の犬の僧帽弁閉鎖不全症の通院日数、入院日数、手術回数について

種別
傷病名 僧帽弁閉鎖不全症、肛門腺破裂、外耳炎
通院日数 18日
入院日数 24日
手術回数 2回

※上記の数値は、PS保険加入者さまから請求されたものであり、ペットメディカルサポート株式会社が補償する範囲を示すものではありません。また、平均や水準を示すものでもありません。

犬の僧帽弁閉鎖不全症の診療内容

※下記の内容は、犬の僧帽弁閉鎖不全症の一般的な診療についての記述であり、PS保険にご請求いただいた事案の診療内容とは異なります。

検査

問診、視診

症状が現れた時期やきっかけ、日常生活での様子、既往歴の有無、薬の投与歴などの問診を行います。また、呼吸の様子、粘膜や舌の色の確認、体重減少の有無などを観察します。

聴診

聴診器で心臓の音や呼吸の音を確認します。僧帽弁閉鎖不全症を患うと、逆流による心雑音が確認されます。

また、心臓が正常に機能しないと、肺から心臓へ戻る血液が停滞し、肺水腫(肺の中に血液から漏れ出た液体がたまる現象)や、胸水(胸部に水がたまる現象)を引き起こすことがあります。その場合は、呼吸音にも異常が確認されます。

画像検査

レントゲン検査により、心臓の大きさや形、肺水腫、胸水の有無などを確認します。また、超音波検査により、心臓の断面像を観察し、心筋の厚みや心臓の働き具合を確認します。

画像検査は心臓の状態を確認するために重要です。しかしながら、犬が呼吸困難を起こしていれば、検査によるストレスで状態が悪化しないよう、検査を短時間で済ませ、治療を先に始める場合があります。

治療法

内科治療が選択される場合が多いのですが、近年では外科治療が行われる場合も増えてきました。外科治療(心臓の手術)を行える病院は限られているため、希望されるのであれば、かかりつけ医から専門医を紹介してもらうのが一般的です。

また、重篤な症状を起こしている場合は、救急治療のため入院が必要になります。

内科治療

内科治療では、心臓の負担を和らげる薬や、心臓のポンプ機能を助ける薬などを使用します。また、肺水腫や咳がある場合は、その治療も同時に行います。基本的に投薬は生涯続きます。また、自宅に酸素室を用意し、安静に過ごすことが必要になる場合もあります。

外科治療

心臓の外科治療を行える専門医の診断の後、手術が適応であると判断された場合、外科治療が行えます。なお、外科治療は全身麻酔下で行うため、全身麻酔を安全に行えるのかを確認する必要があり、術前検査として血液検査や胸のレントゲン検査を行います。

予後

病態によって異なります。軽度の場合では、内服でコントロール可能なケースが多いのですが、内科治療で治せる病気ではないため進行していきます。外科手術が成功した場合は、根本的な治療となり予後は期待できます。

まとめ

僧帽弁閉鎖不全症は多くの犬がかかる病気であり、決して珍しいものではありません。初期段階ではなかなか気付かない、また、症状が出始めても「年をとった影響かもしれない」と感じることが多いため、受診するころには中等度以上になっている場合も少なくありません。高額にはなりますが、手術による根本治療が期待できるため、少しでも体調面で気になるときは、年のせいとは思わずに早めの受診を心がけるようにしましょう。

執筆者プロフィール

三宅亜希 先生
三宅亜希 先生

獣医師。日本で唯一の電話相談専門病院である「電話どうぶつ病院Anicli24」院長。電話による24時間365日の相談、健康診断や未病予防の啓発、獣医師向けのホスピタリティ講演などを中心に活動。

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