猫がバナナを食べても大丈夫。与え方の注意点を獣医が解説

最終更新日:2024年07月09日

本コンテンツは獣医師2名による確認を行い、制作をしております。

猫にバナナを与えても大丈夫です。ただし、食べすぎると消化器症状を引き起こす可能性があります。また、猫の健康状態によっては、症状を悪化させてしまうおそれがあります。

ここでは、猫へのバナナの与え方について獣医師が詳しく解説します。

猫がバナナを食べても大丈夫。与え方の注意点を獣医が解説

バナナは猫が食べても大丈夫

―バナナを愛猫に与えてもいいのでしょうか。成分面で問題はありますか?

バナナを猫に与えても、中毒を引き起こすことはなく、猫の健康に悪影響は特にはありません。

バナナにはビタミンやミネラル、糖分が豊富に含まれていて、栄養価が高い食べ物です。ビタミン・ミネラルは体の機能を維持するために役立ちますし、糖分はエネルギー源になります。バナナはおやつとして与えるのがおすすめです。

以上のような健康効果が期待できるバナナですが、猫の健康維持には通常のキャットフードで十分なため、あえてバナナを与える必要はありません。また、与える場合にはいくつかの注意点があります。

猫に与えてもいいバナナの量

猫に与えてもいいバナナの量

―猫に与えてもいい、バナナの量を教えてください。

成猫の場合

体重が4kgの成猫の場合、一日あたりに必要なカロリーはおおよそ240~280kcalです。それに対してバナナ1本のカロリーはおおよそ90kcalです。丸々1本を猫に与えてしまうと、おやつとしてはかなり高カロリーになります。

バナナは猫に与えなくても大丈夫なものです。しかし、どうしても与えたい場合は、ごく少量にとどめてください。目安は、人間の小指の先端から第一関節くらいまでの量です。与えすぎると下痢や嘔吐(おうと)などの症状を引き起こす場合もありますので注意しましょう。

子猫の場合

子猫の場合、成猫よりも必要なカロリー量は少なく、150~200kcal程度です。バナナを与える量は、成猫の半分以下にとどめましょう。子猫は体の機能が未発達で、成猫よりも下痢や嘔吐などの症状を引き起こしやすいため、バナナの与えすぎにはくれぐれも注意してください。

※上記の量はおおよその目安です。実際の体格や運動量などによって異なります。

猫にバナナを与えるときの注意点

猫にバナナを与えるときの注意点

食材の処理の仕方

―愛猫にバナナを与えるときに注意することはありますか?

バナナの皮はむいて可食部(食べられる果実)を与えてください。その際、細かく刻んだり、すりつぶしたりして、猫が食べやすい形状にしましょう。そのまま食べさせると、喉や消化管に詰まらせてしまう可能性があります。

バナナの加工食品に注意

―バナナの加工食品やジュース、お菓子などを猫に与えても問題はありませんか?

バナナの加工食品やジュース、お菓子などは、添加物や糖分などが含まれています。中毒や糖尿病などの病気の原因になりますので、与えないでください。

食物アレルギー

猫によっては、バナナが食物アレルギーの原因になる場合があります。そのため、初めて与える場合には少しずつにし、その後1~2時間は様子を見てください。アレルギーの初期症状は体のかゆみや嘔吐、下痢などです。これらの症状が見られた場合には、なるべく早く動物病院に連れて行きましょう。受診の際、便や嘔吐物、食べさせたものを持って行くと診察がスムーズに進むことがあります。現物が難しい場合は、写真でもいいでしょう。

どんなときにバナナを与えたらいいの?

―猫にはどのようなときにバナナを与えたらいいのでしょうか。

猫に食欲がなく、キャットフードを食べてくれないとき、バナナをトッピングしてあげると食欲が刺激されて食が進む場合があります。栄養失調気味のときは、バナナに限らず、食べられるものを与えるといいでしょう。

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こんなときは猫にバナナを食べさせないこと

こんなときは猫にバナナを食べさせないこと

アレルギー用や腎臓病用の療法食を与えている場合

アレルギー用や腎臓病用の療法食を与えている場合、それ以外のものを与えてしまうと効果が著しく低下してしまいます。そのため、これらの療法食を与えている猫には、バナナを与えないでください。

腎臓病を患っている場合

バナナにはカリウムが豊富に含まれています。慢性腎臓病の場合、カリウムの摂取量を極力減らすことが重要ですので、バナナは避けましょう。

下痢をしている場合

水分を多量に含んだバナナが刺激となり、下痢が悪化するおそれがあります。

子猫や老猫の場合

子猫は消化管が未熟ですので、バナナを与えすぎないようにしてください。歯が生えそろうころまでは注意が必要です。

老猫は多くの場合、慢性腎臓病を患っており、バナナを多く与えてしまうと、豊富なミネラル分が猫の健康に悪影響を及ぼすケースがあります。食欲がまったくなく、バナナくらいしか食べないなどの場合を除いて、与えないほうが無難です。

まとめ「猫にバナナを与えるなら少量で。アレルギーや既往症など状態によっては不向き」

バナナは栄養価が高く、猫に与えすぎると栄養過多につながりますが、少量であれば健康効果が期待できます。しかし、猫にとってバナナは必須の食べ物ではありません。また、食物アレルギーや既往症、子猫や老猫には不向きです。愛猫の状態をよく確認して、バナナを与える際は、おやつとしてごく少量にとどめましょう。

愛猫に食べさせていいかを迷ったり、何かを食べて具合が悪くなったかもしれないと思ったりしたら、獣医師監修の「猫が食べても大丈夫なもの」「猫が食べてはいけない危険な食べ物」を併せてご覧ください。

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