猫の目がしょぼしょぼ、目やにが多いときは角膜炎に注意

猫の目がしょぼしょぼする原因としてどんな病気が考えられるのでしょうか。また、予防や対処法、飼い主さんが心がけたいことなどを獣医師さんに伺ってみました。

大したことないだろう、しばらく様子を見ていれば良くなるだろう思っていたら、失明に至る大変な病気だったということがあるかもしれません。日ごろから猫の目の様子を観察して、大病を未然に防ぎましょう。

猫の目がしょぼしょぼしている原因は、角膜の傷による角膜炎や角膜裂傷

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猫の目がしょぼしょぼしている原因は角膜の傷

―うちの猫の目がしょぼしょぼしていて、涙がよく出ています。それと、まばたきが多くなってきて目やにが多いのが気になります。

そうした症状は、いつからですか? また、どんどんひどくなっている様子はありますか?

―1週間くらい前からですね。次第に目が赤くなってきて、最初のころよりも目やにが増えたような気がします。

この子は室内飼いですか? 屋外に出ることはありますか?

―基本的には家の中だけで飼っていますが、ときどき庭に出ることはあります。でも、そんなに長い時間、外にいるわけではありません。ただ、たまに野良猫が庭にやって来るので気にはなっています。

外に出ている間に、ほかの猫とけんかしたり、植物の棘のような異物が目に入ったりすることが原因で角膜を傷付け、角膜炎や角膜裂傷を起こすことがあります。

※角膜炎については、獣医師監修の記事「猫の角膜炎」をご参照ください。

白目の部分まで充血が見られるようだと結膜炎が疑われますね。ひどい場合だと、ぶどう膜炎を起こしているかもしれません。

フルオレセイン染色検査やスリット光検査で傷や炎症がないか調べましょう。また、目やにがよく出ているので、細菌感染などがないかも調べてみましょう。

―手術や入院をすることはありますか?

検査の結果、傷の程度が深い場合、自宅での投薬による治療が難しい場合には、手術や入院をおすすめすることがあります。

手術法としては、角膜の傷をふさぐための角膜縫合や、目を保護するための眼瞼縫合、炎症部分に栄養を届けてやすくするための結膜・瞬膜フラップ形成術などがあります。

子猫の時にかかった猫風邪が原因で感染性の角結膜炎に

今までほかの病気にかかったことはありますか?

―小さいころに鼻水やくしゃみで病院にかかって、お薬を飲んでいました。

猫ウイルス性鼻気管炎、いわゆる猫風邪にかかっていたのですね。そうすると、大人になってからヘルペスウイルスやカリシウイルス、クラミジアなどの感染による角結膜炎を起こす可能性があります。

―実は、猫をもう1頭飼っているのですが、目の病気がうつることはありますか?

ウイルス性のものなら感染する可能性があります。できれば隔離しておいたほうがいいですね。

人用の目薬を猫にさしてはダメ!

―私自身がドライアイなのですが、猫の場合もドライアイになることはあるのですか?

ドライアイは犬では多いのですが、猫の場合は角結膜炎に次いで、まれな症状で頻繁に起こるものではありません。

―ドラッグストアで売っている市販の人用の目薬をさそうかと考えたのですが、大丈夫ですか?

それは絶対にやめてください。人用の目薬は猫にとって刺激が強く、猫が痛がって目をこすって傷が入る原因になります。

人用の目薬は猫にとって刺激が強く、猫が痛がって目をこすって傷が入る原因に

また、目薬といってもいろいろな種類がありますので、猫の病気に合わせた目薬を使わないと、余計に悪化するおそれがあります。必ず、動物病院を受診して処方されたお薬を使うようにしてください。

角膜炎や結膜炎を放っておくと再発や失明してしまうかも

―目の病気にかからないために、何か予防する方法はありますか?

これをすれば絶対に角膜炎や結膜炎を起こさないというものはありませんが、できるだけ目の傷や細菌・ウイルス感染を防ぐことが大切です。例えば、完全に室内飼いにすることや毎年ワクチンを打つことなどですね。

―この子は、このまま目の治療せずに放っておいたら、どうなってしまったのでしょうか?

角膜潰瘍やデスメ膜瘤、角膜穿孔、緑内障などを引き起こし、最悪の場合、失明や眼球癆(がんきゅうろう:眼球が萎縮し、機能を失った状態)の危険があります。

※緑内障については、獣医師監修の記事「猫の緑内障」をご参照ください。

角膜炎や結膜炎の放置は失明や眼球癆につながる

―この子の目は治りますか?

軽度の傷や炎症によるものであれば、きちんと目薬をさしたり、お薬をあげたり、こまめに通院していただければ、ほとんどの子は治ります。ただ、目の表面に白っぽい跡が残ることがあります。

また、ヘルペスウイルスによるものなら、一旦治っても再発することがありますので注意が必要ですね。

目やにの対処法と目薬や薬の与えた方のコツ

―目やにのケアはどのようにすればいいですか?

目の端に少しついている程度の目やにであれば、生理食塩水や精製水を含ませたコットンでやさしくぬぐってあげてください。

目の中に入っている目やにに対しては、コットンをしぼってポタポタ垂らしながら、やさしく洗うようにすると目の外へ出てきやすいでしょう。

目やにが固まっている場合には、蒸しタオルなどでふやかしてあげると取れやすくなります。しかし、目が開かないほどひどい状態であれば、目やにだけでなく、結膜同士がくっついてしまう(瞼球癒着)場合があります。ご自身で無理にこじ開けようとせず、そのまま動物病院を受診してください。

目やにの対処法と目薬や薬の与えた方のコツ

―猫の目に目薬をさしたことがないのですが、何かコツはありますか?

目薬の場合は、なるべく猫の顔が上を向くようにすると目が開きやすくなります。頭をなででつつ、やさしく声をかけながら、上まぶたのほうから1滴ずつそっと目薬をさしてください。

眼軟膏の場合は、2mm程度を人差し指や中指に取り、上まぶたの内側に付けた後、目を閉じた状態でやさしくマッサージしてあげてください。

―飲み薬の場合はどうですか?

お薬の飲ませ方はいろいろありますが、まずは少量の缶詰やペースト状のごはんに混ぜてあげてみてください。その後すぐに、お薬の入っていないごはんをあげるようにすると、猫に負担がかからず、確実に飲ませやすいと思いますよ。

―早く治すために、お家で注意することはありますか?

本日の検査結果によってお渡しした目薬やお薬を処方どおりに、きちんと最後まで与えてください。もし、先ほどお話しした方法でもお薬を嫌がるようでしたら、この子にあったやり方を一緒に考えていきますので、早めに獣医にご相談ください。

―エリザベスカラーは必要ですか?

猫が手足で目をかいていたり、床や壁に頭をこすりつけたりする場合にはエリザベスカラーの装着が必要なので、様子をよく観察しておいてください。

そのほか、食欲が落ちたといった異常が見られた場合にも早めの受診をお願いします。くれぐれも症状が落ち着いたからと言って途中でお薬を止めたりせず、完治するまでは指定したどおりに通院してください。

そのほか気になる猫の目の病気については、獣医師監修の「猫の疾患 目の病気」をご覧ください。

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