猫のくしゃみが止まらない原因は?病院に連れて行くべき症状を獣医が解説

猫もくしゃみをしますが、くしゃみを連発して止まらない、ほかの症状が見られるようになったら、どんな病気が考えられるのでしょうか。また、予防や対処法、動物病院を受診すべきタイミングなどを獣医師さんに伺ってみました。

猫の動作の異常や行動の変化は、何かの病気のサインかもしれません。すぐに獣医師さんに相談しましょう。

猫のくしゃみが止まらない原因は?病院に連れて行くべき症状を獣医が解説

目次

猫がくしゃみをする原因

―猫がくしゃみをするのはどうしてですか?

私たち人間も風邪を引いたときにくしゃみをしますが、これは猫でも同様です。

くしゃみは鼻腔の刺激によってもたらされる反射で、侵入した異物を積極的に排除する生体防御機構の一部です。猫の場合も鼻の粘膜にごみやウイルスなどが付着すると、それらを排除しようとして、くしゃみが出ます。くしゃみによって一気に空気が勢いよく押し出され、これによって粘膜に付着しているごみやウイルスなどを吹き飛ばすのです。

猫のくしゃみの原因として考えられる病気とは?

猫のくしゃみの原因として考えられる病気とは?

感染症やアレルギーの可能性

―猫のくしゃみは、どのくらいの頻度で続くと病気が疑われるのでしょうか?

猫がたまに1、2回のくしゃみをする程度であれば病気の可能性は低く、さほど心配する必要はありません。ですが、猫のくしゃみが毎日続く、くしゃみを連発して止まらないなどの場合は、感染症やアレルギーが原因の場合もありますので、注意が必要です。

―猫のくしゃみが多い、止まらない場合、考えられる病気を教えてください。

考えられる病気としては、下記のものが挙げられます。いずれの病気も幼若猫では重症化するリスクが高いため、注意しましょう。

猫風邪

猫のくしゃみの原因として代表的なものが「猫風邪」です。猫風邪はウイルスや細菌によって引き起こされます。主な症状は、くしゃみや鼻汁、食欲不振、目やになどです。原因となる病原体は、ほかの猫に伝染しますので、多頭飼いの場合は特に注意しなければなりません。

猫風邪の原因となる病原体には、主に下記のものが挙げられます。

猫カリシウイルス

猫カリシウイルスは、口、鼻、目の結膜から体内に侵入して感染します。主な症状は口腔内、特に舌や口唇、そして鼻の潰瘍です。この潰瘍により、くしゃみや結膜炎、鼻汁、目やになどが生じるようになります。また、口腔内の痛みによってよだれが多く出たり、食欲不振を引き起こしたりすることもあります。

猫ヘルペスウイルス

猫ヘルペスウイルスも猫カリシウイルスと同様に体内への侵入経路は、口、鼻、目の結膜などです。主な症状は、くしゃみ、食欲減退、発熱、目やに、鼻汁などですが、これらの症状は、おおよそ猫カリシウイルスによるものよりも重くなります。

細菌性鼻炎

細菌性鼻炎は、何らかの原因により細菌が鼻腔内にとどまって感染し、生じます。多くの場合、常在菌による日和見感染※やウイルス感染、また、腫瘍や異物などから二次的に発症します。抗生剤で治療してもしばしば再発してしまうので、基礎疾患を特定することが重要です。

※日和見感染(読み:ひよりみかんせん。意味:健康体では通常病気を起こさない病原体によって引き起こされる感染症)

クリプトコッカス症

クリプトコッカスという真菌が原因の感染症で鼻炎を引き起こし、それによってくしゃみを生じることがあります。多くの場合、猫白血病ウイルス感染症、猫免疫不全ウイルス感染症など、ウイルス疾患による免疫機能低下の結果として感染するものと考えられています。

アレルギー

猫でも人間と同様にハウスダストやタバコの煙、花粉などが原因でアレルギー性鼻炎を起こし、くしゃみを生じる場合があります。症状は、くしゃみや鼻汁、咳などです。

そのほかの原因

上記のような感染症やアレルギー以外のくしゃみの原因としては、異物や歯牙疾患による鼻炎、また、腫瘍などがあります。いずれも原疾患(原因となる病気のこと)の治療が重要です。

猫がくしゃみをしていて、こんな症状があるときは動物病院へ

猫がくしゃみをしていて、こんな症状があるときは動物病院へ

猫に以下のような症状が見られる場合は、それ以上悪化してしまう前に動物病院を受診するようにしましょう。

  • くしゃみを連発して止まらない場合
  • 何日も続く場合
  • 元気や食欲がなくなってしまった場合
  • 発熱がある場合

これらの症状は、点滴による栄養や水分の補給、抗ウイルス薬や抗生剤の投与などにより改善する場合があります。

また、同居猫がいる場合は、ほかの猫にも病気を移してしまう可能性がありますので、早めに受診してください。

猫がくしゃみをしていても様子を見てもいい場合

―猫がくしゃみをしていても食欲があって元気そうにしている場合は、様子を見ていても大丈夫でしょうか?

猫のくしゃみがたまにしか見られない場合、また、食欲や元気があり、栄養を十分に取れている場合は様子を見てもいいでしょう。それでも心配であれば健康診断もかねて動物病院を受診してみてください。

受診を強く勧める場合

―受診すべき状態の見分け方、併発するそのほかの症状を教えてください。

それぞれの病気について、くしゃみ以外の症状としては以下のようなものが挙げられます。

猫風邪

  • 口腔内の潰瘍
  • 結膜炎
  • 鼻汁
  • 目やに
  • 発熱
  • 跛行(幼若猫の場合)

これらの症状が長期間治らない場合は受診をお勧めします。体が弱ってしまうと免疫力が落ち、細菌などの二次感染を起こしてしまう可能性がありますので注意してください。また、口腔内の潰瘍は食欲不振を引き起こしますので、ご飯をあまり食べられていない場合にも受診したほうがいいでしょう。

細菌性鼻炎

  • 粘液性あるいは膿性の鼻汁
  • 目やに
  • 食欲不振

鼻腔内の炎症が続くと鼻腔が閉鎖されたり、鼻腔内の構造が破壊されたりして嗅覚に異常を来すことがあります。また、食物の匂いを嗅げなくなると食欲不振を起こしてしまいますので、早めに受診し、栄養補給をしてもらいましょう。

クリプトコッカス症

  • 鼻汁
  • 顔面の変形
  • ぶどう膜炎、網膜剥離
  • 神経症状(体が動かない、麻痺など)

クリプトコッカス症は感染が広がると脳炎によって神経症状を引き起こすことがあります。体が動かせない、麻痺(まひ)するなどの症状が現れた場合にはすぐに動物病院を受診しましょう。

猫のくしゃみが止まらない場合の対処法

―猫のくしゃみが止まらないときに自宅でできることはありますか?

多頭飼育の場合には、ほかの猫にうつしてしまわないように隔離しましょう。また、アレルギーが原因の場合には、部屋を掃除することや、タバコの煙を近づけないなどの対処法で改善する可能性がありますので、試してみてください。

猫のくしゃみの対処法と予防法

猫のくしゃみの予防法

―猫のくしゃみを防ぐ対策があれば教えてください。

毎年のワクチン接種で感染リスクを大幅減少

猫風邪の原因となるウイルスは、ワクチンの接種で予防できます。毎年必ず摂取すれば、感染のリスクを大幅に減少させられるでしょう。

猫免疫不全ウイルス感染症や猫エイズの予防

猫免疫不全ウイルス感染症や猫エイズによる免疫抑制状態は、原因となる病原体の感染リスクを上げてしまいますので、これらの病気を予防することも重要です。

病気をもらわないよう室内飼育を

くしゃみの原因となる病原体は、ほかの猫から移ることがあります。外に出してしまうと、ほかの飼い猫や野良猫から病原体をもらってきてしまうので、あまり外に出さず室内飼育をお薦めします。

アレルギー対策は、部屋を清潔に

アレルギーによるくしゃみを避けるために、猫を飼育する部屋はなるべく清潔に保ちましょう。

まとめ

猫のくしゃみは、たまにであればそれほど気にする必要はありませんが、長く続くようであれば病気の可能性があります。感染症が原因のときには、ほかの猫にも伝染してしまう可能性があるため、よりいっそう注意が必要です。

いずれの病気も重症化してしまうと治療が大変ですので、気付いた場合にはなるべく早く動物病院を受診し、治療してもらいましょう。

また、ワクチン接種で予防可能なものもありますので、ワクチンの定期接種をお勧めします。

そのほか気になる猫の体や行動の異常・変化については、獣医師監修の「猫の症状」を併せてご覧ください。

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