猫の鼻水の色からわかる原因とは?自宅でできる病気の対処法
最終更新日:2024年07月09日
本コンテンツは獣医師2名による確認を行い、制作をしております。
猫が鼻水を垂らす原因としてどんな病気が考えられるのでしょうか。また、その対処法や飼い主さんが心がけたいことなどを獣医師さんに伺ってみました。
単なる風邪で鼻水が出ていたと思って様子を見ていたら、実は重い病気ということかもしれません。猫の鼻水がずっと垂れっぱなし、鼻詰まりを起こしているなど、猫の変化や異常に気付いたら、すぐに獣医師さんに相談しましょう。
猫の鼻水で受診する際、聞かれること、役に立つこと
―猫の鼻水が1ヶ月ほど続いています。すぐ治るだろうと思って猫の様子を見ていたのですが、くしゃみもひどくて。
鼻水が、「いつから出ているのか」「どんな色や状態なのか」「ほかに気になる症状はないか」「悪化していないか」といった情報は、診断する際、役立ちます。
鼻水のほかに、涙や目やにが出るといったような症状はありませんか? 目と鼻は鼻涙管という管でつながっているため、鼻炎を起こすと鼻涙管も炎症を起こし、涙や目やにが出ることがあります。
―目やにはありませんが、食欲が少し落ちてきて、鼻水の量は増えたような気がします。それ以外は、元気があって、あちこち走り回っています。
元気があるのに食欲が落ちている場合、鼻づまりによって食べ物の匂いがわかりにくくなっていることがあります。
鼻水の色や状態で推測される原因
お家ではどんな感じの鼻水が出ていますか?
―ドロっとしていて、黄色や緑色っぽい鼻水で臭いがあります。血のようなピンクっぽいものが混じることがあります。何が原因でしょうか?
鼻水は、原因によって色や状態が異なります。
緑色がかった黄色、ドロッとした鼻水
鼻水の色が、緑色がかった黄色で、膿っぽい、また臭いがあるようであれば、細菌や真菌、ウイルスによる感染症や歯周病に関連するものが多く見られます。
ピンク色の鼻水
鼻炎の悪化やケガによって鼻粘膜から出血していると、ピンクっぽい鼻水になることがあります。
鼻血
ケガをして鼻血が出ることはもちろんですが、鼻腔内腫瘍の場合は、慢性的に人の鼻血のような鼻出血を伴うこともあります。
サラサラして透明の鼻水
サラサラして透明の鼻水は、異物刺激によるもの、また、アレルギーやウイルス性の初期症状のことが多く見られます。
猫の鼻水で考えられる病気
―猫が鼻水を垂らしている場合、どんな病気にかかっているのでしょうか?
猫の鼻水で考えられる病気としては、次のようなものが挙げられます。
- 猫ウイルス性鼻気管炎
- 猫カリシウイルス感染症(猫風邪)
- 猫クラミジア感染症
- クリプトコッカス症 など
また、猫白血病ウイルス感染症や猫エイズウイルス感染症を併発していると、なかなか治りにくかったり、再発を繰り返したりします。鼻炎が悪化すると副鼻腔炎を起こすこともあります。
ほかにも生まれた子猫であれば先天性の口蓋裂、お口の中の状態が悪いようであれば歯周病による鼻水も疑います。
自宅での猫の鼻水の対処法
猫の鼻水の拭き取り方
―自宅でできる猫の鼻水の対処法を教えてください。
鼻水が固まってしまわないように、なるべくこまめに拭き取ってあげるようにしてください。鼻水を拭き取るときは、目頭から鼻の穴へ向かってやさしくマッサージしながら、出てきた鼻水をティッシュでそっとぬぐうようにすると鼻が通りやすいでしょう。あまりゴシゴシこすると、ただれたり出血したりするので気を付けてください。
―それでも鼻水が固まってしまったときは、どうすればいいですか?
蒸しタオルを猫の鼻に当てて、固まった鼻水をふやかしてから取るとやりやすいでしょう。しかし、難しいようであれば無理に剥ごうとせず、動物病院で取ってもらうにしてください。
鼻詰まりによる食欲不振の場合
―食べ物で気を付けたほうがいいことはありますか?
基本的には普段どおりの食事で構いませんが、鼻が詰まってしまうと、匂いがわからなくなって食欲が落ちることがあります。
そんなときは、いつものドライフードをお湯でふやかしたり、ウェットフードをレンジで人肌に温めてあげたりすると、匂いが出て食べやすくなります。それでも食欲がないときは栄養価の高いフードを少量ずつ与えてください。
こんな症状が見られたら、すぐ動物病院へ
様子を見てもいい場合
―猫の鼻水がどのような状態なら、自宅で様子を見ていてもいいのでしょうか?
元気で食欲があって、たまにくしゃみをしてもサラッとした鼻水が少し出るといった程度であれば、数日の間、様子を見てもいいかもしれません。
しかし、早期発見・早期治療に越したことはありませんので、なるべく動物病院で診てもらってください。
すぐに受診すべき場合
―すぐ受診しなければならない場合というのは、どんな症状が見られるときですか?
鼻水の原因となる鼻炎や副鼻腔炎、鼻腔内腫瘍がひどくなると、鼻が詰まって呼吸がしづらくなる場合があります。一番危険なのは、猫が口を開けてハァハァと呼吸をしているときです。
猫は、犬とは違って滅多に開口呼吸をしません。猫が口を開けて呼吸をしている場合、かなりの呼吸困難を起こしているので、すぐに動物病院に連れて行ってください。
ほかにも、ぐったりしている、体が熱っぽい、背中の皮膚をつまんで離してみてもなかなか元に戻らないといった症状が見られる場合は、注射や点滴などの処置が必要になるので、早めに動物病院を受診してください。
鼻水の治療
感染症の場合
鼻水の細胞診や細菌・真菌培養、薬剤感受性試験などの検査によって、鼻水の原因が感染症によるものであれば、抗生剤や抗真菌薬、抗ウイルス薬などを処方します。
アレルギーの場合
アレルギーが疑われる場合は、抗炎症剤を処方します。
腫瘍や異物による場合
レントゲンやCT、内視鏡検査などによって鼻の中に異常がないかを調べ、腫瘍切除や異物摘出など外科的な治療を行います。
歯周病に関連した鼻水の場合
抜歯を始め、口腔内処置をお勧めすることがあります。
受診後の自宅での対処法と猫の薬の飲ませ方
お薬の種類や猫の体重、猫の性格などに合わせて、錠剤や粉薬、シロップなどのお薬を処方します。
―お薬の上手な飲ませ方について教えてください。
錠剤や粉薬の場合は、ごはんやおやつに混ぜて与える。シロップの場合は、そのままスポイトで直接飲ませるのが、飼い主にも猫にも負担がかかりにくいでしょう。
―警戒心が強くて、ごはんに何か混ぜるとすぐに気付いてしまうような猫の場合はどうしたらいいでしょうか?
錠剤を直接喉の奥へ入れて飲ませたり、粉薬を少し水で練って鼻の下や上顎にすりつけたりする方法などがあります。また、口の中にお薬を入れたあと、少量のお水やウェットフードを与えると、飲んでくれやすくなります。
それでも投薬が難しいようであれば、注射といった別の治療プランがありますので、獣医師に相談してください。
そのほか気になる猫の体や行動の異常・変化については、獣医師監修の「猫の症状」を併せてご覧ください。
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記事監修:ペットメディカルサポート株式会社
動物病院での実務経験をもつベテラン獣医師および動物看護師が多数在籍するペット保険の少額短期保険会社。スタッフ全員が動物好きなのはもちろんのこと、犬や猫といったペットを飼っている者も多いので、飼い主様と同じ目線に立ったサポートに取り組んでいます。