猫の抜け毛が多い原因とは?病院に連れて行くべき症状を獣医が解説

猫の抜け毛が増える、脱毛してしまう原因としてどんな病気が考えられるのでしょうか。また、病院に連れて行くタイミング、予防や対処法などを獣医師さんに伺ってみました。

換毛期に猫の毛が抜けるのは自然ですが、その量が増える、脱毛が見られるのは、何らかの異常があると考えていいでしょう。そうした抜け毛の原因の中には、猫だけでなく人にうつるものもあります。猫の行動やふるまいに異常や変化を感じたら、すぐに獣医師さんに相談しましょう。

猫の抜け毛が多い原因とは?病院に連れて行くべき症状を獣医が解説

目次

猫の抜け毛が多くなる原因は?

―猫の抜け毛が増える原因としてどんなものが考えられますか?

猫の抜け毛の原因としては、換毛期、ストレス、食生活、加齢、環境などが考えられます。

換毛期は、春から夏と秋から冬の年2回起こりますが、自然現象であり問題はありません。また、環境の変化によるストレス、おやつが多いことやキャットフードの好き嫌いが激しく偏食であるため、しっかり食べていないなどが原因で、抜け毛が多くなることがあります。

また、これらのほか皮膚疾患を始め、病気が原因で抜け毛が増えてしまう場合があります。

猫が脱毛してしまう病気とは?

猫が脱毛してしまう病気とは?

―猫の脱毛、抜け毛が多くなる病気として、どんなものがありますか?

感染症

脱毛を引き起こす感染症には、細菌感染と糸状菌感染があります。糸状菌感染は、猫の場合、重症化することがあり、早期発見・早期治療が大切です。また、糸状菌は猫だけでなく人にも感染する場合があり、ズーノーシス(人獣共通感染症)と呼ばれます。

細菌感染

細菌感染の場合は、発疹が出てかゆがり、引っかくため傷ができてしまい、まだらに毛が抜けます。発症部位は、主に胴体に見られます。

糸状菌感染

糸状菌感染の場合は、かゆみがほとんどなく、広い範囲の毛が一気に抜けてしまいます。また、抜け毛が多い部位の周辺にはフケを伴います。発症部位は、顔面や手足から始まることが多く、治療が遅れると全身に感染します。

なお、糸状菌感染は一般的に子猫に多いのですが、猫エイズに感染していると、抵抗力が弱いため感染しやすくなります。また、アレルギーやアトピーで免疫抑制剤、ステロイドを投与している猫もかかりやすいと言えるでしょう。

寄生虫

寄生虫の中でも特にノミに寄生されたり、ヒゼンダニによって疥癬(かいせん)を発症すると、強いかゆみによって猫がかきむしったり、毛をかんでちぎったりするため、まだらに毛が抜けます。また、猫の舌はザラザラとしているので、なめ続けると広い範囲で毛がなくなり、皮膚が露出してしまうことがあります。なお、寄生虫による脱毛は、家の外に出る猫、外の猫と接触する猫に多く発生します。

ノミ

ノミの場合は、猫の被毛の間に黒いノミの糞が大量に付着し、粟粒大の発疹ができます。ノミは、体の表面を移動しますので、よく見ると動いているのが確認できるでしょう。また、発症部位は、後頭部、首、腰、後肢に多く見られます。

疥癬

疥癬は、ヒゼンダニが猫の皮膚の中にトンネルを掘り、非常に強いかゆみを発症させる病気です。そのため、猫の体がひっかき傷だらけになり、かいた部位の毛が抜けてしまうことがあります。発症部位は全身ですが、特に耳の端、肘や膝、腹部に多く見られます。なお、疥癬は猫だけでなく、人にも寄生しますので注意が必要です。

アレルギーやアトピー

猫のアレルギーやアトピーは、年齢や性別に関係なく発症し、食物や花粉が原因となることが多いのですが、中には原因がわからないものもあります。

発症すると、猫の皮膚が赤くなり、爪を立ててかきむしったり、かゆみのある部位をひたすらなめるので潰瘍を起こしたりして、かさぶたがあちこちにできます。これらの症状は、特に顔や首に多く見られます。なお、花粉に反応するアレルギーやアトピーの場合は、花粉が飛ばなくなると自然に治ります。

過剰なグルーミング

猫はグルーミング(毛づくろい)に多くの時間を割く動物ですが、中には過剰なまでにグルーミングをする猫がいます。これは、比較的神経質な猫に多く見られ、特定の場所をひたすらなめたり、かんだりすることで脱毛が起こります。

発症部位は、主に腹部や大腿部、体側など口の届く範囲に限られ、頭部や首など、猫の口が届かない部位は脱毛を起こしません。

猫の抜け毛や脱毛の対処法

猫の抜け毛や脱毛の対処法

様子を見ていい場合

―猫の抜け毛が増えてきたなと思ったら、どのように対処すればいいですか?

猫に抜け毛や脱毛を見つけたら、ほかに同じような場所がないかを探してください。また、症状が出ている場所に、ひっかき傷や発赤(ほっせき:皮膚が赤くなること)、発疹がないかを確認しましょう。

また、猫の体全体をやさしくブラッシングし、抜け毛をできるだけ取ってください。その後は、定期的に皮膚の様子を観察して、いつもと違うところがないかを確認しましょう。

―すぐに病院に連れて行ったほうがいいですか?

脱毛が1か所に集中するのではなく、全体的に抜けていて、かゆみや発疹、地肌が見える異常な抜け毛がなければ様子を見ても構いません。

猫の抜け毛で、こんな症状や行動が見られたらすぐ病院へ

―すぐに病院に連れて行かなければならない症状とは、どういったものでしょうか?

猫が脱毛している場所をしきりになめる、引っかくなどの様子が見られたり、皮膚が赤くなる、ブツブツができていたりする場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

また、次のような症状が猫に見られる場合は、「細菌や糸状菌の感染」「疥癬の寄生」「アレルギーやアトピー」の可能性が高く、様子を見ているうちに重症化してしまい、治療が難しくなってしまうことがあります。

  • 毛をむしっている
  • ひっかき傷がひどい
  • 血が出ている
  • 円形脱毛がある
  • ハゲているところがある

また、疥癬や糸状菌のように猫から人にうつる場合もありますので、様子を見ずにできるだけ早く動物病院で診てもらいましょう。

―受診時に用意したほうがいいものはありますか?

受診時には、現在食べているキャットフードのメーカーと銘柄が調べ、症状がいつから始まり、どのような経過をたどったのかも診断の大切な手掛かりになります。

また、セカンドオピニオンの場合は、次のようなことをまとめておくといいでしょう。

  • 処方薬や処方食の名前
  • 検査結果(何か検査している場合)
  • ノミ・ダニ予防薬の名前

猫の抜け毛や脱毛を予防するには?

猫の抜け毛や脱毛の予防

―予防法や飼い主が日頃から気を付けるべきことを教えてください。

寄生虫が原因で起こる猫の脱毛は、定期的にノミ・ダニ予防薬を付けることで予防可能です。早期発見できるように、普段からブラッシングや全身のチェックをするようにして、気になることがあれば、早めに動物病院を受診するようにしましょう。

また、ストレスは、さまざまな病気の原因になります。猫ができるだけリラックスできるような環境作りを心がけましょう。

まとめ

猫の脱毛や抜け毛が増える主な原因は、感染症、寄生虫、アレルギーやアトピー、過剰なグルーミングです。中には、ほかの猫や人にうつるものもあります。脱毛に気付いたら、様子を見ないで早めに動物病院を受診してください。また、病院を受診するときには、いつから、どの場所がどのように抜けてきたのかを説明できるようにしておきましょう。

そのほか気になる猫の体や行動の異常・変化については、獣医師監修の「猫の症状」を併せてご覧ください。

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