猫のかさぶたができる原因とは?病院に連れて行くべき症状を獣医が解説

猫のかさぶたができる原因とは?病院に連れて行くべき症状を獣医が解説

目次

猫のかさぶたの原因とは?

かさぶたとは?

猫も含めて動物の皮膚は、体内の組織や血液を外界からの刺激に対して保護する役割をしています。皮膚に傷ができると、その保護機能が破綻し、出血を起こします。出血が起こると、血液の中に含まれている血小板と凝固因子の働きによって血液が凝固し、それ以上の出血を抑えます(止血)。

かさぶたとは、皮膚の傷から出血した血液が血小板と凝固因子の働きにより凝固し、赤血球や白血球を巻き込んで乾燥した状態の傷口にできるものです。かさぶたには血液の大部分を占める赤血球が多く含まれているため、赤、茶色系の色をしています。また、かさぶたができているということは傷口から多少なりとも出血があったという証拠でもあります。

猫のかさぶたができる病気とは?

猫のかさぶたができる病気とは?

―猫にかさぶたができる原因・病気として、どんなものが考えられますか?

外傷

猫同士のけんかのように何らかの外傷を受けると、出血した部位にかさぶたができます。細菌による二次感染などがない限り、多くの場合、自然に治癒します。

アレルギー

アレルギー性の皮膚炎では、アレルギーによるかゆみによって猫がかきむしってしまい、皮膚に傷ができ、かさぶたが形成されることがあります。原因となるアレルギーは、食物アレルギーやノミアレルギー、アトピー性皮膚炎などがあります。

食物アレルギー

食物アレルギーでは餌に含まれているアレルゲンによって引き起こされ、全身のさまざまな箇所(特に関節や顔の周りの皮膚の薄い部分)に強いかゆみが現れます。また、発疹や脱毛を伴うこともあります。治療にはアレルゲンの入っていないアレルギー対策の食事を与えます。

猫のアレルギー性皮膚炎の詳しい説明は、獣医師監修の「猫の疾患 猫のアレルギー性皮膚炎」を併せてご確認ください。

ノミアレルギー

ノミにかまれたときに注入されたノミの唾液に対し、猫に強いアレルギー反応が起こることがあります。症状として強いかゆみを伴った発疹やしこりができ、かさぶたや脱毛も認められます。症状は首からしっぽの付け根にかけての背中の部分によくでます。ノミアレルギーは、ノミで起こるアレルギーですので治療にはノミの駆除が第一です。また、かゆみが強い場合には、ステロイド剤を用いて症状を抑えることもあります。

アトピー性皮膚炎

ハウスダウトやダニなど、さまざまなアレルゲンに反応してアトピー性皮膚炎が起こります。症状は、かゆみと脱毛を伴う発疹が、猫の顔や腹など皮膚の薄い部分で広範囲に認められます。治療にはステロイド剤を用いて、かゆみや炎症を抑えます。アレルゲンを特定することができればいいのですが、特定困難な場合もあります。

感染性の皮膚病

ノミやダニといった寄生性の節足動物や真菌(いわゆるカビ)、細菌などの病原性微生物に感染することで引き起こされる皮膚病に罹患していると、かさぶたが見られる場合があります。代表的な感染性の皮膚病を以下に挙げます。

ニキビダニ症(毛包中症)

ニキビダニ症(毛包中症)は、猫ニキビダニが原因で発症する皮膚病で、顔の周辺や首周りに症状がしばしば現れます。発症部位では脱毛やフケが見られ、赤く炎症を起こしたり、かさぶたができたりすることもあります。通常は若齢の猫で見られますが、成猫でも発症することがあり、その場合は猫エイズのようなほかの基礎疾患によって免疫力が低下していることが疑われます。治療にはダニ駆除薬の投与や薬浴を行います。

疥癬

疥癬(かいせん)は、ヒゼンダニに寄生されることで発症します。症状は発疹やフケ、かさぶたが見られます。初期では主に耳や顔に症状が出ますが、症状が進行すると全身に病変が広がることがあります。また、かゆみが強いと、血が出るまで猫がかきむしることがあるのです。治療にはダニ駆除薬を用います。

猫の疥癬の詳しい説明は、獣医師監修の「猫の疾患 耳疥癬」を併せてご確認ください。

皮膚糸状菌症(白癬)

皮膚糸状菌症(白癬)は、糸状菌と呼ばれるカビの一種の感染によって発症します。顔の周りや四肢に円形の脱毛が見られることが特徴です。また、脱毛部位ではフケやかさぶたが見られます。治療には抗真菌薬を用いますが、それに伴い毛刈りが必要になることがあります。

がん

猫に多いがんとして扁平上皮がん(いわゆる皮膚がん)が知られています。扁平上皮癌は耳や顔の周りに発生しやすく、症状として潰瘍ができたり、出血やかさぶたが見られたりすることがあります。治療は外科的に切除することが第一選択です。

ストレス

ストレスに伴った過度の毛づくろいによって、猫に脱毛やかさぶたがてきることがあります。この場合、かゆみはありません。猫のストレスを軽減するように工夫することが必要です。

猫のかさぶたで、こんな症状ならすぐ病院へ

猫のかさぶたで、こんな症状ならすぐ病院へ

心配のいらない猫のかさぶた

―自然治癒してしまう、心配しなくてもいい猫のかさぶたについて教えてください。

かさぶたは創傷治癒(傷が治る)に伴ってできるものなので、通常のかさぶたの色(赤や茶色)で、傷の原因がわかっている場合には、あまり気にする必要はありません。

受診を強く勧める猫のかさぶたの症状

―受診すべき猫のかさぶたの状態、見分け方を教えてください。

かさぶたが黄色や緑色などの異常な色をしていたり、かさぶたがジュクジュクと湿ったままだったり、かさぶたができている部位が増えたり広がったりしている場合には、注意が必要です。これらの症状は、何らかの病気のサインであったり、何らかの病気に進行していたりする可能性があるので、獣医さんに相談してください。

猫のかさぶたの予防や対処法

猫のかさぶたの予防や対処法

―家庭でできる猫のかさぶた、皮膚病を予防する方法を教えてください。

アレルギー性の皮膚炎では、アレルゲンである物質に接触しないことが重要です。また、部屋や猫の寝床はこまめに掃除し、清潔な環境を保つようにしてください。感染性の皮膚病は、ほかの猫や犬などのペット、人と接触することで感染が広がります。そのため、外に猫を出していると、感染している動物に接触する可能性がありますので、予防の観点から完全室内飼いにすることをお勧めします。

また、野良猫に触った場合は、家に帰ってから手を洗ったり、着替えたりするなど、感染のリスクが低くなるようにしましょう。

扁平上皮がんついては、発がんの原因のひとつとして紫外線を浴びることが知られています。特に、白猫のような色素の薄い猫では、そのリスクが高まります。紫外線を浴びすぎないようにするためにも猫の完全室内飼いがお勧めです。

―猫のかさぶたを見つけたら、応急処置としてどのように対処したらいいですか?

かさぶたができている場合は、すでに傷がふさがり始めているので、特に処置は必要ありません。逆にかさぶたを剥がすと、細菌感染のリスクが高くなってしまったり、傷跡が残りやすくなったりするので自然に剥がれるまで放っておいて問題ありません。

まとめ

かさぶたができることは、傷が治る過程において普通のことです。ですが、何らかの病気のサインになっていることもあるので、気になる場合は気軽に動物病院で獣医さんに相談してください。

そのほか気になる猫の皮膚・アレルギーの病気については、獣医師監修の「猫の疾患 皮膚・アレルギーの病気」をご覧ください。

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