脊髄性筋萎縮症

胴や四肢の筋肉を動かす脊髄の運動神経細胞(運動ニューロン)が消失し、徐々に筋力の低下や萎縮が起こる遺伝性の神経疾患です。

猫の場合は、生後15~17週に筋萎縮や筋力低下といった症状が現れ始め、寿命の短縮をもたらします。

英語では、「spinal muscular atrophy : SMA」と書かれます。

脊髄性筋萎縮症にかかりやすい猫種

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猫の脊髄性筋萎縮症の症状

生後15~17週頃より後ろ足が弱くなり、かすかな震えが認められるなどの兆候が現れます。

5か月を過ぎると、脊髄の運動神経が分解され、筋力が弱まり、飛んだり跳ねたりといった子猫らしい動きがなくなります。

その後、筋力低下によって後ろ足をゆらゆらと動かしながら歩行するようになります。

こうした筋力の低下や萎縮は、後ろ足だけにとどまらず、次第に全体に広がっていきます。

個体によっては、歩くのもやっとで、すぐに呼吸が荒くなる場合もあります。

8か月から12か月経つと、これら機能障害の進行はゆるやかになります。

猫の脊髄性筋萎縮症の原因

脊髄性筋萎縮症は、遺伝性の病気であり、両親が共に原因遺伝子のキャリアである場合に発症します。

原因となるのは、運動神経細胞生存(survival of motor neuron:SMN)遺伝子の変異であり、SMNタンパクを十分に作り出せなくなることで脊髄の運動神経細胞が消失し、筋力の低下や筋萎縮を招きます。

なお、両親のどちらかが脊髄性筋萎縮症の原因遺伝子のキャリアで、もう一方に異常がない場合、生まれた子猫は、1/2の確率でキャリアとなりますが、生涯を通じて無症状です。

猫の脊髄性筋萎縮症の治療法

アメリカのバイオジェンという製薬会社が開発した「スピンラザ」という薬が、有効性を証明しています。

日本でもスピンラザは承認されていますが、残念ながら非常に高額な新薬のため、猫への投薬はまだ現実的ではありません。

脊髄性筋萎縮症を発症すると、体の筋力低下や筋萎縮が起こり、歩行困難や排せつ困難になる場合があります。

適切なケアとQOL(Quality of life=生活の質)の維持に努めましょう。

猫の脊髄性筋萎縮症の予防法

脊髄性筋萎縮症は、遺伝性の病気であるため予防は困難です。

そのため、脊髄性筋萎縮症の原因遺伝子をもつ猫を繁殖に用いないことが大切です。

しかし、原因遺伝子をもつキャリアであっても、両親が共にキャリア同士でかけあわせた個体以外では、この病気を発症しないため、判断には遺伝子検査が必要です。

また、見た目に異常が見られない両親から脊髄性筋萎縮症の子猫が生まれた場合、この両親は共に原因遺伝子をもつキャリアということになります。

この場合、片親をそれぞれ正常な個体とかけあわせることで、脊髄性筋萎縮症を発症しない子猫を設けることができます。

しかし、一方でキャリアとして生まれてくる可能性があり、その個体を繁殖に用いることは、脊髄性筋萎縮症の拡大につながります。

繰り返しになりますが、脊髄性筋萎縮症の原因遺伝子をもつ猫を繁殖に用いないことが、予防と拡大防止の最善策です。

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記事監修:ペットメディカルサポート株式会社

動物病院での実務経験をもつベテラン獣医師および動物看護師が多数在籍するペット保険の少額短期保険会社。スタッフ全員が動物好きなのはもちろんのこと、犬や猫といったペットを飼っている者も多いので、飼い主様と同じ目線に立ったサポートに取り組んでいます。