猫の歯肉炎の症状と原因、治療法について
最終更新日:2024年07月09日
本コンテンツは獣医師2名による確認を行い、制作をしております。
- 猫の歯肉炎ってどんな病気?
- どうして症状が出るの? 原因は?
- どんな猫が歯肉炎にかかりやすいの?
- 猫の歯肉炎の症状とチェック項目
- 猫の歯肉炎の治療にはどんな方法があるの?
- どうやって予防したらいいの?
猫の歯肉炎ってどんな病気?
歯肉とは、歯の根元の肉、歯ぐきのことです。
歯肉炎は、歯周病の最初に起こる症状で、歯ぐきが炎症を起こし、赤く腫れます。
進行すると、歯と歯肉の間から出血したり、膿が出たりします。
さらに進行すると、歯を支える歯根膜や歯槽骨を破壊するようになり、歯がぐらつき、最終的には歯が抜ける場合があります。
どうして症状が出るの? 原因は?
歯に付着した細菌や細菌が出す毒素によって歯肉に炎症が起きます。
どんな猫が歯肉炎にかかりやすいの?
特になし
猫の歯肉炎の症状とチェック項目
- 歯ぐきが赤くなり、腫れる
- 歯肉に痛みが伴い、食欲不振や元気がなくなる
- よだれが多くなり、口臭がきつくなる
- 口元を気にして、頻繁に前足で触るようになる
上記の症状がひとつつでも見られたら、すぐに動物病院を受診しましょう。
猫の歯肉炎の治療にはどんな方法があるの?
歯肉炎の原因である歯の表面や歯周ポケットの歯石を除去します。
人間と同様に超音波スケーラーなどを用いて歯石を除去し、歯石の再付着を予防するために研磨剤を用いて歯の表面をきれいにします。
なお、これらの施術は麻酔下で行います。
どうやって予防したらいいの?
歯垢(プラーク)や歯石の付着を予防すること(プラークコントロール)が、歯肉炎の予防につながります。
そのためには人間と同様に歯磨きが重要です。
歯石は、歯垢が石灰化したもので、ブラッシングを徹底し、歯垢を完全に除去していれば歯石の沈着はありません。
また、猫の場合は、1週間ほどで歯垢から歯石に変わるとされています。
そのため、毎日が理想ですが、2から3日に1回のペースで歯磨きすることが大切です。
しかし、猫自らが歯磨きをすることはありませんし、猫は口の中を触られることを好みません。
そこで、人間が工夫をして猫の歯磨きをする必要があります。
最も良い方法は、猫が小さいうちから口を触られることに慣れさせることです。
成猫の歯磨きも、いきなり歯ブラシで磨こうとせず、口を触られることに慣れさせることから始めてください。
その際、猫におやつを与えることで、「口や歯を触らせるといいことがある」といういい記憶を留めるようにします。
猫が口を触られることに慣れてきたら、猫が好む液体(おやつを水で溶いたもの)をガーゼや綿棒に染み込ませて、歯を磨き始めるといいでしょう。
十分に慣れてきたら、猫用の歯ブラシを使ってください。
このほか、歯ブラシよりも歯磨き用シートを用いると、猫の抵抗感が少ないかもしれません。
また、猫の年齢や性格によっては、歯磨きおもちゃを好んで、遊びながらケアすることができます。
なお、歯磨きガムは、一種のおやつとして猫が好んで使ってくれるかもしれませんが、偏食や体重増加の原因になりますので、与えすぎに注意しましょう。
いずれの場合も、猫に「歯磨きは嫌なもの」と記憶されると、歯ブラシを見ただけで逃げ出すようになります。
焦らず根気よく、猫に嫌がられないように、歯磨きを習慣化するようにしましょう。
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記事監修:ペットメディカルサポート株式会社
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