猫のホルネル症候群の症状と原因、治療法について
最終更新日:2024年07月18日
本コンテンツは獣医師2名による確認を行い、制作をしております。
猫のホルネル症候群ってどんな病気?
ホルネル症候群は、猫の眼につながる交感神経系の障害によって引き起こされる病気です。
原因となっている疾患を治癒することで、ホルネル症候群は自然治癒することがあります。
すぐに死に至るような病気ではありませんが、原因となる疾患の中には、腫瘍(がん)や外傷なども含まれているので、猫に症状が現れた場合は速やかに獣医師の診察を受けるようにしましょう。
どうして症状が出るの? 原因は?
眼に分布する交感神経の神経線維は、まず脳から脊髄へ、さらに胸部で脊髄から出た後、首の頚動脈のそばを通って頭部に戻り、頭蓋骨の内部を通過して眼に到達します。
この経路のどこかに障害が起きるとホルネル症候群が起ります。
多くは原因不明ですが、下記のものが挙げられます。
脳幹の病変
頭部の外傷、炎症、腫瘍などが原因で、猫がホルネル症候群を引き起こされることがあります。
脳幹の病変が原因で、猫がホルネル症候群を発症した場合、原因がある側と同じ側の筋肉に何かしらの症状が現れます。
脊髄の病変
椎間板ヘルニア、腫瘍、繊維軟骨塞栓症などの脊髄の疾患が原因で、猫にホルネル症候群を引き起こされる場合があります。
症状が現れている側と同じ側に「麻痺」が見られます。
交感神経幹の病変
外傷、縦隔腫瘍、首や胸の手術に伴う医療ミスが原因で、猫にホルネル症候群が引き起こされることがあります。
中耳の病変
外傷、腫瘍、中耳炎、鼻咽頭ポリープなどが原因で、猫にホルネル症候群が引き起こされる場合があります。
中耳の病変が原因でホルネル症候群を発症した場合、症状が出ている側と同じ側の顔の筋肉や、前庭神経にも症状が現れます。
眼球後部の病変
外傷、腫瘍、膿瘍など猫の眼球後部にできることで、ホルネル症候群を引き起こすことがあります。
この場合、症状が現れている側と同じ側の各種脳神経にも、障害を来していることがあります。
どんな猫がホルネル症候群にかかりやすいの?
猫種問わず、発症する可能性があります。
猫のホルネル症候群の症状とチェック項目
猫のホルネル症候群の症状は、多くの場合、顔の片側だけに現れます。
そして、傷害された神経線維と同じ側の眼に症状が出ます。
顕著に現れる症状として、以下が挙げられます。
- 瞳孔が小さくなる(縮瞳)
- 瞬膜が露出する
- 眼球が落ち、くぼむ
- まぶたが垂れ下がる
視力に影響はありません。
どうやって予防したらいいの?
猫のホルネル症候群を引き起こす原因のほとんどは、外傷や腫瘍といった疾患です。
普段から猫がけがをしないように気を付けるのは飼い主の役目ですが、定期的な健康診断の受診は、猫のリスクをより減らすことができるでしょう。
ホルネル症候群は、原因となる疾患を見つけるサインともとらえられます
猫にこの症状が見受けられる場合は、速やかに獣医師の診察を受けましょう。
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