犬の血小板減少症の症状と原因、治療法について

最終更新日:2024年09月10日

本コンテンツは獣医師2名による確認を行い、制作をしております。

犬の血小板減少症ってどんな病気?

犬の免疫介在性血小板減少症

血小板は血液中に含まれる成分で、出血が起きたときに出血部位に集まり、止血する働きがあります。

犬の免疫介在性血小板減少症は、異常を来した免疫機能が血小板を攻撃して破壊する病気です。血小板が著しく減少するため、出血が止まりにくく、皮下出血や鼻血などの症状が起こりやすくなります。

免疫介在性血小板減少症になると、次のような症状が現れます。

  • 外傷や採血した部位の出血が止まりにくい
  • 点状出血(毛細血管が破れてできる細かい点状の皮下出血)
  • 斑状出血(毛細血管が破れてできるあざのような皮下出血)
  • 血尿
  • 鼻血

こんな症状が見られたらすぐに動物病院を受診

犬に次のような症状が見られる場合は、止血異常(出血を止める働きに異常がある状態)の疑いがあり、放置すると出血多量で命にかかわるおそれがあります。

  • 止血をしても出血が止まらない
  • 皮下出血の範囲が広がる
  • 舌や歯ぐきの色がいつもより薄い
  • 呼吸が速い
  • 便が黒い(黒色便:腸管内で出血が起こっているときに出る便)
  • 血尿

止血異常の症状のうち、犬の体表(体の表面)や粘膜に現れる場合は点状出血や斑状出血が、犬の体内で起こる場合は血尿や黒色便が見られます。

これらのほか、犬の出血が増えて貧血になると、元気や食欲がなくなります。また、酸素を運ぶ赤血球数が減ると、酸欠状態になって呼吸が速くなりします。さらに犬の出血が続き症状が悪化すると、粘膜が健康なときに比べて白っぽく見えるようになります。

犬の止血異常の原因を調べるには、詳しい検査が必要です。気になる症状があれば、様子を見ずに動物病院を受診しましょう。

犬の免疫介在性血小板減少症の原因

免疫介在性血小板減少症は、免疫が自分の血小板を異物と誤認して抗体を作ってしまう自己免疫性疾患のひとつです。作られた抗体は血小板の表面に結びつき、血小板は破壊されます。

免疫機能が異常を来す原因ははっきりしていません。

免疫介在性血小板減少症にかかりやすい犬の特徴は?

どの犬種でも免疫介在性血小板減少症になる可能性があります。

犬の続発性血小板減少症

犬の続発性血小板減少症は骨髄疾患や腫瘍、感染症、薬剤などの影響を受けて二次的に起こりますが、発生はそこまで多くないと言われています。

症状は免疫介在性血小板減少症と同様に血が止まりにくかったり、あざなどの出血傾向が見られます。

犬の続発性血小板減少症の原因

腫瘍やウイルス性疾患による血小板を破壊する作用がある薬剤の投与による影響などが原因として挙げることができます。

続発性血小板減少症にかかりやすい犬の特徴は?

続発性血小板減少症には原因となる基礎疾患や薬剤が存在するため、特に犬種によるかかりやすさの違いはないと考えられます。

犬の血小板減少症の予防法

犬の免疫介在性血小板減少症の場合

免疫異常の原因が解明されていないため、犬の免疫介在性血小板減少症は予防が難しい病気です。重症化すると治療が難しくなり、命にかかわるため、早期発見・早期治療が大切になります。

愛犬に疑わしい症状が見られた場合は、できるだけ早く動物病院を受診してください。また、定期的に健康診断を受け、愛犬の体調をチェックしましょう。

免疫介在性血小板減少症は治療を続けていても再発の可能性がある病気です。途中で薬をやめると症状が悪化するだけでなく、治療に反応しなくなり、回復が見込めなくなるおそれがあります。治療は、獣医の指示に従って、しっかり続けるようにしましょう。

犬の続発性血小板減少症の場合

薬剤性の場合は、飼い主さんの自己判断のみで不用意に薬剤を投与しない、薬剤の誤飲を避けるために犬の手が届く場所に医薬品を置かないようにするなどが予防法として考えられます。

また、ウイルス感染が原因の場合は予防を行うなどが血小板減少症の予防となるでしょう。

犬種別の保険料

  • 純血犬は、犬種により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類され、それぞれ保険料が異なります。犬種の区分については、「犬種分類表」をご確認ください。
  • ミックス犬の保険料は、年齢と体重により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類します。詳しくは、「犬種分類表」の「ミックス犬」の欄をご確認ください。
  • 猫の場合は、品種によらず純血猫もミックス猫もすべて同じ保険料です。
ア行~カ行犬の品種分類表
ア行
カ行
サ行~ナ行
サ行
タ行
ナ行
ハ行~ワ行・その他
ハ行
マ行
ヤ行
ラ行
ワ行
ミックス犬(※1)
  • 8か月未満:6kg未満
  • 8か月以上:8kg未満
  • 8か月未満:6kg以上~20kg未満
  • 8か月以上:8kg以上~25kg未満
  • 8か月未満:20kg以上
  • 8か月以上:25kg以上

※ 「犬種分類表」に記載のない犬種の分類につきましては別途お問い合わせ下さい。

PS保険

記事監修:ペットメディカルサポート株式会社

動物病院での実務経験をもつベテラン獣医師および動物看護師が多数在籍するペット保険の少額短期保険会社。スタッフ全員が動物好きなのはもちろんのこと、犬や猫といったペットを飼っている者も多いので、飼い主様と同じ目線に立ったサポートに取り組んでいます。