イングリッシュ・コッカー・スパニエル
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの保険加入をご検討中の方の参考になるよう、かかりやすい疾患(傷病)や特長などについてご案内します。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの罹りやすい疾患
イングリッシュ・コッカー・スパニエルとは
イングリッシュ・コッカー・スパニエルはイギリスが原産国となる鳥猟犬です。
アメリカン・コッカー・スパニエルの祖先となる歴史のあるスパニエルになります。
元々はランド・スパニエルと呼ばれるイギリスにいた土着犬がイングリッシュ・コッカー・スパニエルの祖先だと言われています。
15世紀には鳥猟犬として活躍していたという文献が残されています。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルは鳥猟犬の中では最少サイズといわれていました。
これはジビエとして人気が高いヤマシギと呼ばれる鳩くらいの大きさの猟を主としておこなうために小型化されていました。
コッカーはヤマシギ、スパニエルは鳥猟犬を指している言葉で、イングリッシュ・コッカー・スパニエルの名前の由来はイギリスのヤマシギの鳥猟犬という意味になります。
18世紀末までイングリッシュ・スプリンガー・スパニエルと同犬種として扱われていましたが、イングリッシュ・コッカー・スパニエルはイングリッシュ・スプリンガー・スパニエルよりサイズが一回りくらい小さく、大きさの違いが猟での役回りが異なると判断され、1892年にイギリスのケネルクラブはこの2つの犬種を別犬種として分類することにしました。
その後イングリッシュ・コッカー・スパニエルはアメリカに渡り、猟犬としての特徴を削り愛玩犬として改良していきました。
これをイギリスの愛好家が問題視しましたが、両国での意見は分かれてしまい、1946年にはアメリカで選択繁殖された犬種はアメリカン・コッカー・スパニエルとして確立されて別犬種となりました。
イギリスでは【English Cocker Spaniel】ではなく【the Cocker Spaniel】とよばれていてコッカー・スパニエルといったらイングリッシュ・コッカー・スパニエルを指します。
ほかにもアメリカ以外の国ではコッカーと言ったらイングリッシュ・コッカー・スパニエルを連想する人が多いと言われています。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの容姿
イングリッシュ・コッカー・スパニエルは鳥猟犬としては小さい方ではありますが、中型犬くらいの大きさはあります。
雄で体高が38-43㎝、体重が13‐16㎏、雌で36-41㎝、体重が12-15㎏ほどあります。
全体に筋肉質で骨太でしっかりしたバランス尾良い体型をしています。
顔は鼻が長く四角く細長いのマズルを持っています。
また、頭部の丸みはあるもののアメリカン・コッカー・スパニエルほど丸くはありませんが顔の彫りが深く精悍な顔つきをしています。
アメリカン・コッカー・スパニエルと見分ける時にはまず大きさがことなります。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの方が少し大きいです。
また、顔つきが結構違います。マズルが短く、ドーム状に丸い頭部に目が大きく、くりっとしているのがアメリカン・コッカー・スパニエルです。
対してイングリッシュ・コッカー・スパニエルはマズルが細長いです。
被毛はダブルコートで絹のような手触りでストレートか少しウェーブがかかっています。
手入れをしていればとても美しい被毛になりますが、長さもありゴミなどを吸着しやすく絡まりやすいためお手入れは大変です。
昨今ではバリカンで全体的に短くしてしまう人もいます。
色はソリッドカラー(1色)からバイカラー(2色)、トライカラー(3色)、ローンと呼ばれる地色に白毛が細かく混ざったものがあります。
ソリッドカラーですとブラック、レッド、ゴールド、レバー、レバー&タン、ブラック&タンがあります。
バイカラーではブラック&ホワイト、オレンジ&ホワイト、レバー&ホワイト、レモン&ホワイトがあり、トライカラーではブラック・ホワイト&タン、レバー・ホワイト&タンがあります。
ほかにはブルー・ローン、オレンジ・ローン、レモン・ローン、レバー・ローン、ブルー・ローン&タン、レバー・ローン&タンがあります。
以前はセーブルもあったのですが2019年にJKCではスタンダート外とされてしまっています。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの特長
イングリッシュ・コッカー・スパニエルは長年人と一緒に働いてきた犬種になりますので頭がよく、忠誠心のある犬になります。
また明るく、優しく甘えん坊な性格をしています。
愛想がよく、人にもよく慣れるので番犬には向きません。
また、寂しがりの性格なため、外飼育も不向きになります。
あまり吠えることもないので集合住宅にもむいていると思われますが、運動量が多く若齢期はバタバタと走り回ったりするため出来れば戸建ての方が好ましいです。
しつけやすく懐きやすいので性格的には飼育しやすい犬種になります。
また、子供とも上手にやっていけますが、子供がギリギリ抱っこできるか、できないかの大きさのため、子供が抱っこしようとして落としてしまったなどのケガが起こることも想定できますのでお子様のいる家庭では注意が必要です。
全体的に飼育しやすいイングリッシュ・コッカー・スパニエルですが、注意するべき点が2点あります。
1つは運動量です。
猟犬になりますので運動が大好きで運動不足はストレスにつながります。
最低でも1日1時間以上の散歩は必要ですし、理想としてはドッグランなどの思いっきり走れる運動も併せて行ってあげることです もう1つは被毛のお手入れです。
前述もしていますがイングリッシュ・コッカー・スパニエルの被毛は絡まりやすく、また換毛期の抜け毛の量がとても多いです。
ロングの美しい被毛をキープするのであればコーミング、ブラッシングは毎日必須になります。
さらに月に1-2回のシャンプーとトリミングをしてあげましょう。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルはとても優美で賢く自慢のパートナーになりますが、比較的お手間がかかりますので時間に余裕がある人向けの犬種になります。
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記事監修:ペットメディカルサポート株式会社
動物病院での実務経験をもつベテラン獣医師および動物看護師が多数在籍するペット保険の少額短期保険会社。スタッフ全員が動物好きなのはもちろんのこと、犬や猫といったペットを飼っている者も多いので、飼い主様と同じ目線に立ったサポートに取り組んでいます。