犬にきのこを与えても大丈夫?メリットや注意点とは?

最終更新日:2024年09月10日

本コンテンツは獣医師2名による確認を行い、制作をしております。

前提として犬にきのこを食べさせても大丈夫なの?

食物繊維やビタミン、ミネラルなどの栄養素が豊富かつカロリーが低いきのこを愛犬に与えたいと思う飼い主さんは多いのではないでしょうか?

基本的に犬にきのこは与えても大丈夫といわれていますが、誤った方法で与えると健康に悪影響を引き起こしてしまう可能性もあるため注意が必要となります。

きのこ類を犬に食べさせるメリットとは?

きのこには様々な栄養素が豊富に含まれていますが、その中でも食物繊維の一種である「βグルカン」が特にメリットということができるでしょう。

βグルカンには体内の免疫細胞を増加させて働きを強める効果や、がん組織の周囲に多く存在している血管が新しく作られることを防ぐ効果があるとの報告があります。

その他にも体内の老化を防ぐ抗酸化作用や血糖値を下げる作用などのいろいろな研究がされています。

犬が食べても大丈夫なきのこの種類とは?

注意点は必要とはいえ、具体的にどんなきのこなら犬が食べても良いか気になる方は多いはず。そこでここからは、実際にワンちゃんが口にしても平気なきのこの種類について詳しくご紹介していきます。

しいたけ

しいたけは犬に与えても大丈夫なきのこであり、アトピーの改善や癌への働きかけが期待できる「レンチナン」という特有の成分が含まれています。

さらに、きのこ類の中でも血中のコレステロールを低下させる働きがある「エリタデニン」という成分が最も多く含まれていることも特徴です。

ただ、適切な与え方や与える量を守らなければ逆に悪影響を及ぼしてしまう可能性もあるため注意が必要な食べ物の1つでもあります。

しいたけに含まれる栄養素とは?

きのこ類には抗腫瘍作用があると報告されている「βグルカン」という成分が含まれています。

さらにしいたけ由来の「βグルカン」には、腫瘍や免疫力への働きかけが期待できるがある「レンチナン」という特有の種類が存在しています。

また血中のコレステロールを低下させる働きがある「エリタデニン」という成分が、きのこ類の中でも最も多く含まれていることも特徴です。

犬にしいたけを与える際のポイントとは?

ここからは、実際にワンちゃんへしいたけをあげる際に意識したいポイントについて、詳しくご紹介していきます。

食べさせてもいいしいたけの量とは?

犬にしいたけを与える場合は、体重に合わせて以下の量を目安にすることをおすすめします。

  • 小型犬:75g~150g(3個~5.5個)
  • 中型犬:172g~342g(6.5個~13個)
  • 大型犬:424g~842g(16個~32個)

ただ上記の量はあくまでも目安です。個体差もあるため、しいたけを愛犬に初めて与える時にはごく少量から与えてみるようにしましょう。

犬へしいたけを与える最適な方法とは?

愛犬にしいたけを与える時には必ず火を通してから与える必要があります。なお、軸と石づきは固いため、取り除いたほうが安心ですね。

生のままのしいたけを食べてしまうと、消化不良によって下痢や嘔吐などの症状を起こす危険性が高いため注意が必要となります。

干ししいたけの場合は、犬の口内や喉が傷つくことを防ぐために必ず水で戻してから軸と石づきを切り取り、傘の部分を刻んで与えるようにしましょう。

どんなワンちゃんならしいたけを食べない方が良いの?

健康な犬は腎臓を通じて尿にカリウムを排泄しますが、腎疾患など機能の低下した犬は、カリウムの排出が苦手な傾向があります。

カリウムは腎臓から排泄されるため、腎臓病の犬にカリウムの豊富なしいたけを与えすぎてしまうと、しいたけに含まれているカリウムを排出しきれずに血液中にカリウムが残ってしまうことになります。

血液中にカリウムが大量に残ってしまうと「高カリウム血症」となり嘔吐や四肢のしびれなどが見られ、重症の場合は不整脈を起こして生命を落としてしまうという危険性があります。

よって、腎臓病で治療中だったり、腎機能の低下している犬にはしいたけは与えないようにしましょう。なお、何かしらの持病がある犬の場合も、与える前に必ず獣医師に相談してください。

舞茸

犬に与えても大丈夫な舞茸には「βグルカン」が他のきのこ類よりも多く含まれているという特徴があります。

さらに舞茸の「βグルカン」からは免疫細胞をより増加させる「MD-フラクション」や生活習慣病予防効果がある「X-フラクション」と呼ばれる成分が発見されています。

しめじ

きのこ類の中では小さなしめじですが、肝機能に効果的な「オルニチン」をしじみの5倍以上含んでいる、血液をサラサラにする「グアニル酸」を含んでいるなど、しめじを食べることで様々な栄養素を取ることができます。こちらも、犬に与えても大丈夫なきのことなります。

えのき

他のきのこ類とは少し見た目が異なるえのきは、犬に与えても大丈夫なきのこです。えのきには副交感神経を活発にさせることでリラックス効果をもたらす神経伝達物質の1つである「GABA」が含まれているという特徴があります。

エリンギ

犬に与えても大丈夫なエリンギには皮膚や粘膜の炎症を抑えたり、体の中でエネルギーを作り出す際に必要な酵素の働きを助けたりする「ナイアシン」という成分の他に、きのこ類の中でも特に食物繊維を多く含んでいるという特徴があります。

マッシュルーム

小さくて様々な料理に使用しやすいマッシュルームには食物繊維やビタミンB2、パントテン酸やカリウムなど様々な栄養成分が含まれています。

また、きのこのうまみ成分である「グアニル酸」も豊富に含んでおり、犬に与えても大丈夫なきのことなります。

まつたけ

きのこの中でも特に高価なまつたけですが、独特の香りに含まれているマツタケオールとメチルシンナメートという成分には食欲の上昇や消化を助けるなどの効能が期待できるといわれています。犬に与えても大丈夫ですが、犬にも香りによる効果があるかは確認されていません。

犬の保険について

犬へきのこを与える際の注意点とは

必ず火を通して与える

私たち人間がきのこを食べる時に加熱するのと同様に、愛犬にも必ず火を通してから与えるようにする必要があります。なお、軸と石づきは固いため予め取り除くことをおすすめします。

もし、生のきのこを食べてしまうと下痢や嘔吐などの食中毒のような症状を起こす危険性が高いため注意が必要となります。

適切な量を守る

どんなに体に良いものであっても、与えすぎてしまうと体の負担になってしまうこともあります。

特に食物繊維の豊富なきのこは、大量に与えることで消化器に負担をかける場合もあります。キノコを主食に与えるのではなく、トッピングなどで少量使用することをおすすめします。

味付けはしないで与える

きのこに限らず人間の食べ物の味は犬には濃すぎるため、きのこを愛犬に与える時には基本的に味付けをする必要はありません。

むしろ塩やソースなどの調味料は犬の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、愛犬と一緒にきのこを食べる時は味付けを行う前に与えるようにしましょう。

幼犬、老犬には与えない

きのこには食物繊維が豊富に含まれているため、消化管が未発達な幼犬や加齢により消化機能が弱くなっている老犬に与えることはおすすめできません。

理由として過剰な食物繊維によって下痢や便秘を引き起こしたり、必要な栄養素が便として排出されてしまったりする可能性が高いためと考えられています。

粉末/ペースト状にして与える

きのこは消化しにくい食材であるため、愛犬に与える前には細かく刻んだりペースト状にしたりすることをおすすめします。

大きなかたまりのまま食べてしまうと、消化不良によって体調を悪化させてしまうかもしれないため注意が必要となります。

まとめ

様々な栄養素が含まれているきのこですが「βグルカン」による免疫力の向上や癌への働きかけは期待することができます。

ただ、きのこ類の中でも犬が食べても良い種類は限られており、また必ず加熱して細かくしてから与える必要があるなど注意点はたくさんあります。また、幼犬や老犬、さらには持病がある愛犬には与えないほうが安心です。

犬種別の保険料

  • 純血犬は、犬種により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類され、それぞれ保険料が異なります。犬種の区分については、「犬種分類表」をご確認ください。
  • ミックス犬の保険料は、年齢と体重により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類します。詳しくは、「犬種分類表」の「ミックス犬」の欄をご確認ください。
  • 猫の場合は、品種によらず純血猫もミックス猫もすべて同じ保険料です。
ア行~カ行犬の品種分類表
ア行
カ行
サ行~ナ行
サ行
タ行
ナ行
ハ行~ワ行・その他
ハ行
マ行
ヤ行
ラ行
ワ行
ミックス犬(※1)
  • 8か月未満:6kg未満
  • 8か月以上:8kg未満
  • 8か月未満:6kg以上~20kg未満
  • 8か月以上:8kg以上~25kg未満
  • 8か月未満:20kg以上
  • 8か月以上:25kg以上

※ 「犬種分類表」に記載のない犬種の分類につきましては別途お問い合わせ下さい。