犬がほうれん草を食べても大丈夫。与え方の注意点を獣医が解説

最終更新日:2024年09月09日

本コンテンツは獣医師2名による確認を行い、制作をしております。

犬にほうれん草を与えても大丈夫です。ただし、ほうれん草の食べすぎは良くありませんし、体質的に不向きな場合もあります。ここでは、犬の体格ごとに与えていいほうれん草の量を始め、ほうれん草の与え方について獣医師が詳しく解説します。

犬がほうれん草を食べても大丈夫。与え方の注意点を獣医師が解説

ほうれん草は犬が食べても大丈夫

犬にほうれん草を与えても、基本的には問題ありません。ほうれん草には多くの栄養が含まれており、与え方に注意すれば犬の健康維持に効果があります

ほうれん草に含まれる主な栄養素は以下のとおりです。

  • ビタミンB

    ビタミンBは皮膚と被毛の健康維持に役立ちます。また、白内障の予防にも有効です。

  • βカロテン

    βカロテンは犬の体内でビタミンAに変換され、ビタミンAは目や皮膚の粘膜を健康に保ち、免疫力を高めてくれます。また、ビタミンAは視細胞の働きを助け、視力の維持にも効果的です。さらには、抗酸化作用もあるため老化防止にも役立ちます。

  • ビタミンE

    ビタミンEも抗酸化作用をもち、アンチエイジング効果があります。

  • 鉄分

    鉄分は赤血球の成分となり、酸素を運ぶ働きをします。また、貧血の予防にも有効です。

犬に与えてもいいほうれん草の量

犬に与えてもいいほうれん草の量

ほうれん草はおやつとして与えるようにしましょう。犬に与えるおやつの適量は、一日に必要なカロリーの10%以下です。

また、ほうれん草は環境省が発表している『飼い主のためのペットフード・ガイドライン』で「注意が必要なもの」に分類されています。そのため、以下を一日に与える量の目安とし、与えすぎないように注意しましょう。

超小型犬(体重4kg未満)

1本~5本(5g~25g)

小型犬(体重10kg以下)

1株:茎5本~7本(25g~50g)

中型犬(体重25kg未満)

2株:茎7本(50g~90g)

大型犬(体重25kg以上)

半束:袋詰めで売られているものの半分(90g~140g)

※上記の量はおおよその目安であり、実際の犬の体格や運動量によって異なります。

犬にほうれん草を与えるときの注意点

犬にほうれん草を与えるときの注意点

ほうれん草にはシュウ酸が含まれており、犬に与えすぎると尿路結石ができやすくなります。また、ほうれん草を過剰に与えると、嘔吐や下痢のような消化器症状を引き起こす可能性があるので注意しましょう。

なお、犬がほうれん草を気に入ってしまうと、主食のドックフードを食べなくなる場合があります。あくまでおやつとして、少量を与えてください。

食材の処理の仕方

ほうれん草はしっかり洗い、生ではなく必ず茹でてから与えましょう。また、切らずに大きいまま与えると、犬が消化管に詰まらせる可能性があります。

そのため、細かくカットしたりすりつぶしたりして、消化しやすい状態で与えてください。

アレルギー

ほうれん草が犬の体質に合わない場合は、嘔吐や下痢のような消化器症状、または発疹やかゆみといった皮膚症状が出る場合があります。

まずは、少量から与え、愛犬の体に異常がないか確認して与えるようにしましょう。

ほうれん草の加工食品

冷凍ほうれん草は塩が加えられている場合があるため、むやみに与えないようにしましょう。犬にほうれん草を与えたい場合は、塩が使用されていないかを確認してしてください。

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こんなときは犬にほうれん草を食べさせないこと

こんなときは犬にほうれん草を食べさせないこと

愛犬に嘔吐や下痢などの消化器症状が出ていたり、そのほか体調が優れなかったりする場合は与えるのを控えましょう。また、以下のような場合も与えてはいけません。

尿路結石を患っている犬

尿路結石を患っている、あるいは尿路結石の病歴がある犬には、ほうれん草を与えないでください。尿路結石とは、尿の通り道に詰まるミネラル分の塊のようなものです。尿路結石を患うと、尿が排泄できなくなり、尿毒症といった重大な病気に至る可能性があります。

ほうれん草には、この尿路結石の原因となるシュウ酸が含まれているのです。そのため、尿路結石を患ったことのない犬に与える場合も注意しましょう。ほうれん草を茹でると含まれるシュウ酸はかなり減ります。犬に与える場合は必ず茹でてからにしてください。

また、食後は必ず水を飲ませ、しっかり排尿させるように心がけましょう。不安な場合は動物病院に相談するのがおすすめです。

食物アレルギーの懸念がある犬

食物アレルギーの疑いがある犬に、いきなりほうれん草を与えるのはやめましょう。また、アレルギー用の療法食を与えていたり、食事制限をしていたりする場合は、決まったもの以外を食べると効果が出なくなるおそれがあります。これらの場合は、あらかじめ獣医師に相談してください。

まとめ「ほうれん草は必ず茹でてから。尿路結石を患っている犬には与えない」

ほうれん草は犬の健康に有益な栄養素が含まれていますが、与えすぎは良くありません。ほうれん草は必ず茹でてから、おやつとして適量を与えるようにしましょう。

また、ほうれん草にはシュウ酸が含まれています。そのため、尿路結石を患っている犬や病歴がある犬には与えないようにしてください。

関連リンク

愛犬に食べさせていいかを迷ったり、何かを食べて具合が悪くなったかもしれないと思ったりしたら、獣医師監修の「犬が食べても大丈夫なもの」「犬が食べてはいけない危険な食べ物」を併せてご覧ください。

犬の保険について

犬種別の保険料

  • 純血犬は、犬種により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類され、それぞれ保険料が異なります。犬種の区分については、「犬種分類表」をご確認ください。
  • ミックス犬の保険料は、年齢と体重により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類します。詳しくは、「犬種分類表」の「ミックス犬」の欄をご確認ください。
  • 猫の場合は、品種によらず純血猫もミックス猫もすべて同じ保険料です。
ア行~カ行犬の品種分類表
ア行
カ行
サ行~ナ行
サ行
タ行
ナ行
ハ行~ワ行・その他
ハ行
マ行
ヤ行
ラ行
ワ行
ミックス犬(※1)
  • 8か月未満:6kg未満
  • 8か月以上:8kg未満
  • 8か月未満:6kg以上~20kg未満
  • 8か月以上:8kg以上~25kg未満
  • 8か月未満:20kg以上
  • 8か月以上:25kg以上

※ 「犬種分類表」に記載のない犬種の分類につきましては別途お問い合わせ下さい。