犬がレタスを食べても大丈夫。与え方の注意点を獣医が解説

最終更新日:2024年07月08日

本コンテンツは獣医師2名による確認を行い、制作をしております。

犬にレタスを与えても大丈夫です。レタスは水分が豊富で、水分補給に適しています。ただし、食べすぎは要注意です。ここでは、犬の体格ごとに与えていいレタスの量を始め、レタスの与え方を獣医師が詳しく解説します。

犬がレタスを食べても大丈夫。与え方の注意点を獣医が解説

レタスは犬が食べても大丈夫

レタスは犬に与えても問題ありません。レタスは95%が水分なので、栄養補給というよりも、水分補給としておやつにぴったりです。また、シャキシャキした食感を気に入る犬が多く見られます。

全体量に比べて少ないものの、レタスにはビタミンE、ビタミンK、ビタミンC、食物繊維、カリウム、葉酸、ラクチュコピクリンなど豊富な栄養素が含まれています。

  • ビタミンE

    ビタミンEは抗酸化作用があり、アンチエイジングに効果があります。

  • ビタミンK

    ビタミンKは健康な骨の生成を促進し、出血したときに血液を固めて止血する働きをもつ栄養素です。

  • ビタミンC

    ビタミンCにも抗酸化作用があり、老化防止に役立ちます。犬はビタミンCを体内で合成できますが、老化に伴いビタミンCが不足する場合があるため、老犬には補給してあげるといいでしょう。

  • 食物繊維

    食物繊維は、便秘の改善や腸内環境を整える効果が期待できる栄養素です。食物繊維自体は栄養にはなりませんが、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう:内容物を運ぶ動き)を促す働きがあり、栄養補給の手助けとなります。

  • カリウム

    カリウムは、神経系や細胞が正常に働くためのミネラルです。余分な塩分を体外に出す効果もあります。

  • 葉酸

    葉酸はビタミンB群のひとつで、ビタミンB12とともに赤血球の生産を手助けします。

  • ラクチュコピクリン

    自律神経を整え、安眠効果やリラックス効果があります。

多くの種類の栄養素を含むレタスですが、ほとんどが水分のため、レタスを適量与えるだけでは十分な栄養補給は難しいでしょう。脱水予防のおやつとして与えるのがおすすめです。

犬に与えてもいいレタスの量

犬に与えてもいいレタスの量

犬に与えてもいいレタスの適量は、一日の食事量の10%程度です。ただし、初めて与えるときは少量ずつ与えてください。また、年齢や健康状態によっても適量は変わるため、愛犬の状態をしっかり把握したうえで与えましょう。

次に、犬の体重別にレタスを与える目安量を紹介します。

超小型犬(体重4kg未満)

およそ15g~25g
レタスの葉の半分から1枚くらい

小型犬(体重10kg未満)

およそ50g~60g
レタスの葉を2枚くらい

中型犬(体重25kg未満)

およそ100g~110g
レタス1玉の4分の1くらい

大型犬(体重25kg以上)

およそ110g~130g
レタス1玉の半分くらい

※上記の量はおおよその目安であり、実際の体格や運動量などによって多少前後します。

犬にレタスを与えるときの注意点

犬にレタスを与えるときの注意点

レタスには豊富な水分と栄養素を含みますが、ほとんどが水分なので、食べすぎると下痢を始め消化器症状が出る可能性があります。

また、レタスにはキシリトールが含まれています。キシリトールはインスリンを過剰に分泌させる作用があるため、たくさん食べると血糖値が急激に下がり、ふらつきや痙攣(けいれん)といった中毒症状を引き起こすことがあります。ただし、レタスに含まれるキシリトールは少量ですので、適量を守って与える分には問題ありません。

レタスのシャキシャキとした食感を好む犬は多く、頻繁に与えると癖になることが考えらえます。その結果、バランス良く栄養が含まれているドッグフードを食べる量が減り、栄養が偏って健康に悪影響が出る可能性があります。犬にレタスを与えるときは、おやつとして与え、本来食べるべき食事の妨げにならないようにしましょう。

食材の処理の仕方

犬には食べ物をかまずに丸飲みする習性があるため、レタスを大きい葉のまま与えると、喉に詰まらせてしまう可能性があります。細かく刻んで与えましょう。

食物アレルギー

レタスが愛犬の体質に合わない場合は、嘔吐(おうと)や下痢などの消化器症状や、発疹(ほっしん)のような皮膚症状が出る可能性があります。初めて与える場合は、いきなり目安量の上限まで与えるのではなく、まずは少量から与え、愛犬の体に変化がないかを確認しましょう。

レタスの加工食品

レタスに塩やコショウ、砂糖などの調味料が使用されている加工食品は、犬には濃すぎる味付けであり、肥満といった健康リスクにつながるため、与えないようにしましょう。

どんなときにレタスを与えたらいいの?

レタスはほとんどが水分からできていますので、夏場の熱中症予防や運動後の水分補給にぴったりです。また、レタスは低カロリーなので、肥満気味で悩んでいる犬のおやつとして与えてもいいでしょう。

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こんなときは犬にレタスを食べさせないこと

こんなときは犬にレタスを食べさせないこと

犬が嘔吐や下痢といった消化器症状を起こしているときや、元気がないときなど体調が優れない場合は、レタスを与えないでください。症状が悪化する可能性があります。

食物アレルギーの懸念がある犬

皮膚症状や消化器症状が出ているなど食物アレルギーの疑いがある犬には、レタスを与えないようにしましょう。また、アレルギー用の療法食(特定の病気や健康状態に合わせて栄養管理され、一般的な健康維持食とは異なるペットフード)を与えていたり、食事制限をしていたりする場合は、ほかのものを食べると効果がなくなってしまう可能性がありますので、レタスを与える前に獣医師に相談してください。

尿路結石を患っている犬

尿路結石を患っていて療法食を食べている犬にも、レタスは与えないようにしましょう。尿路結石用の療法食はミネラル成分が細かく決まっているため、療法食以外のものを与えると効果がなくなってしまう可能性があります。

消化機能が弱い犬

消化機能が未成熟な子犬にレタスを与えすぎると、消化不良や下痢を起こし、体調を崩す可能性があります。愛犬の成長度合いや健康状態をしっかり確認し、適量を与えましょう。

まとめ「犬にレタスを与える際は、小さく刻んで。与えすぎには注意」

水分を多く含み、夏場や運動後の水分補給にぴったりのレタスは、犬のおやつに適した食べ物です。量は少ないものの数種類の栄養素も含まれているため、愛犬の健康維持にも効果があります。

ただし、少量ですが中毒症状を引き起こすキシリトールを含むため、適量を守ることが大切です。与える場合は小さく刻んだものを少量から始め、食べた後の様子をチェックしてください。また、元気がないときや皮膚や消化器症状がある場合、療法食を食べている場合は、レタスを与えないように注意しましょう。

愛犬に食べさせていいかを迷ったり、何かを食べて具合が悪くなったかもしれないと思ったりしたら、獣医師監修の「犬が食べても大丈夫なもの」「犬が食べてはいけない危険な食べ物」を併せてご覧ください。

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  • ミックス犬の保険料は、年齢と体重により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類します。詳しくは、「犬種分類表」の「ミックス犬」の欄をご確認ください。
  • 猫の場合は、品種によらず純血猫もミックス猫もすべて同じ保険料です。
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