犬が大根を食べても大丈夫。与え方の注意点を獣医が解説
最終更新日:2024年07月08日
本コンテンツは獣医師2名による確認を行い、制作をしております。
犬が大根を食べても大丈夫です。大根は根と葉の部分で含まれる栄養が異なり、それぞれ犬の健康をサポートする成分が含まれています。ここでは、犬に与えていい大根の量と与えるときの注意点について獣医師が解説します。
大根は犬が食べても大丈夫
大根は犬にとって問題のある成分が含まれていないため、与えても基本的には問題ありません。
大根は90%以上が水分でできています。また、根は淡色野菜、葉は緑黄色野菜であり、それぞれ含まれている栄養素が大きく異なります。
- 根に含まれる栄養素
根の先端部分には、抗酸化作用や抗菌作用をもち、人ではがん予防の効果が期待されている「イソチオシアネート」を多く含んでいます。ただし、犬にも同様の効果が期待できるかどうかは、まだ、はっきりとわかっていません。このイソチオシアネートは辛み成分であるため、与えすぎないように気を付けましょう。
また、根にはでんぷんを糖に分解する「アミラーゼ」という消化酵素も多く含まれています。アミラーゼは消化をサポートする働きがあり、消化機能が衰えている犬に効果的です。
- 葉に含まれる栄養素
強い抗酸化作用をもつβ-カロテンやビタミンC、骨を強くするカルシウムなどが多く含まれています。
犬に与えてもいい大根の量
通常、野菜を犬に与えたいときは、一日に必要なカロリー量の10%程度までが目安とされています。
しかし、大根の根の部分(生)は100gあたり18kcalと、かなり低カロリーです。さらに、大根は水分が多く、犬にとって消化が苦手な食物繊維も多く含まれています。これらを総合的に考えて、与えてもいい量を判断しなければなりません。
一方、葉の部分(生)のカロリーは100gあたり25kcalです。根の部分に比べて約3倍の食物繊維が含まれているため、根の部分に比べ少量にとどめましょう。
ここでは、根の部分だけを与える場合、葉の部分だけを与える場合に分けて紹介します。同時に与える場合の適正量は変化しますのでご注意ください。
超小型犬(体重4kg未満)
- 根の部分:~約28g(輪切り約1/3個)
- 葉の部分:~約6g(葉1本分)
小型犬(体重10kg以下)
- 根の部分:~約70g(輪切り約1/4個)
- 葉の部分:~約15g(葉2.5本分)
中型犬(体重25kg未満)
- 根の部分:~約134g(輪切り約1と1/3個)
- 葉の部分:~約29g(葉5枚分)
大型犬(体重25kg以上)
- 根の部分:約135g~
- 葉の部分:約30g~
※上記の量はおおよその目安であり、実際の犬の体格や運動量によって異なります。
犬に大根を与えるときの注意点
大根を犬に与えすぎてしまうと、水分過多になったり、食物繊維を消化しきれなかったりといった理由から、下痢をしてしまう可能性があります。また、与えた大根の分だけ主食となるドッグフードの量が減るため、栄養バランスを崩すおそれもあります。そのため、犬に大根を与える際は、先ほど紹介した適量を守るようにしましょう。
食材の処理の仕方
調理方法については、根の部分は生でも加熱処理しても大丈夫です。いずれも丸飲み防止のため、細かく刻んだり、すりおろしたりしてから与えるようにしましょう。また、大根の根の部分は、場所によって辛みの強さが変わります。根の下の部分は辛みが強く、葉に近い部分は甘味が強いため、葉に近い部分を与えるのがおすすめです。
葉の部分は生のままだとあまり消化に良くないため、加熱処理をして小さく刻んでから与えるようにしましょう。
アレルギー
人と同じように、犬にも食物アレルギーが存在し、大根も食物アレルギーの原因となることがあります。愛犬に初めて大根を与える際は、ひと口分だけ与えて様子を見ましょう。その後、体調に問題がないようであれば、徐々に与える量を増やすようにしてください。
かゆみや嘔吐、下痢など、アレルギーが疑われるような症状が見られた際は、すぐに与えるのをやめて、動物病院を受診するようにしましょう。
大根の加工食品
切り干し大根は、細く切った大根を天日干しして乾燥させた食品なので、犬に与えても基本的には問題ありません。犬に与える際は、水で戻してから細かく刻むようにしましょう。戻し汁には流れ出た栄養素が詰まっているため、戻し汁も与えていただいて問題ありません。戻し汁を与える際は、切り干し大根を水で戻す前に、サッと水洗いをするようにしましょう。
一方で、漬物や缶詰、レトルト食品などは、大抵の場合、多くの塩分を含んでいるため、犬には与えないようにしましょう。
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こんなときは犬に大根を食べさせないこと
甲状腺機能が低下している犬に大根を与えない
大根には「グルコシノレート」という成分が含まれています。グルコシノレートは体内で「ゴイトリン」という物質に変化しますが、このゴイトリンは甲状腺ホルモンの合成を阻害してしまいます。健康な犬であれば、大根を大量に食べない限り、特に心配はいりませんが、甲状腺機能が低下している犬には大根を与えないほうが安心です。
まとめ「大根の根は小さくカット、葉は加熱してから刻んで与える」
大根の根と葉の部分では含まれる栄養が変わり、与え方にも違いがあります。根の部分は生でも大丈夫ですが、葉の部分は消化に良くないので、加熱してから与えるようにしましょう。また、与えすぎは下痢のような消化器症状を引き起こす原因になります。
上記でお伝えした、量を守り、与えすぎには気を付けましょう。
犬と食べ物に関する記事
愛犬に食べさせていいかを迷ったり、何かを食べて具合が悪くなったかもしれないと思ったりしたら、獣医師監修の「犬が食べても大丈夫なもの」「犬が食べてはいけない危険な食べ物」を併せてご覧ください。
犬種別の保険料
- 純血犬は、犬種により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類され、それぞれ保険料が異なります。犬種の区分については、「犬種分類表」をご確認ください。
- ミックス犬の保険料は、年齢と体重により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類します。詳しくは、「犬種分類表」の「ミックス犬」の欄をご確認ください。
- 猫の場合は、品種によらず純血猫もミックス猫もすべて同じ保険料です。
ア行~カ行犬の品種分類表
ア行
- アーフェンピンシャー
- アイリッシュ・ウルフハウンド
- アイリッシュ・セター
- 秋田
- アフガン・ハウンド
- アメリカン・コッカー・スパニエル
- アメリカン・スタッフォードシャー・テリア
- アメリカン・ピット・ブルテリア
- アメリカン・フォックスハウンド
- アラスカン・マラミュート
- イタリアン・グレーハウンド
- イングリッシュ・コッカー・スパニエル
- イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル
- イングリッシュ・セター
- イングリッシュ・ポインター
- ウィペット
- ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
- ウェルシュ・コーギー・カーディガン
- ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
- ウェルシュ・スプリンガー・スパニエル
- ウェルシュ・テリア
- エアデール・テリア
- オーストラリアン・キャトル・ドッグ
- オーストラリアン・ケルピー
- オーストラリアン・シェパード
- オーストラリアン・シルキー・テリア
- オーストラリアン・テリア
- オールド・イングリッシュ・シープドッグ
カ行
- カーリーコーテッド・レトリーバー
- 甲斐
- カニーンヘン・ダックスフンド
- キースホンド/ジャーマン・ウルフスピッツ
- 紀州
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
- キング・チャールズ・スパニエル
- グレート・デーン
- グレート・ピレニーズ
- グレーハウンド
- ケアーン・テリア
- ケリー・ブルー・テリア
- コーイケルホンディエ
- コーカサス・シープドッグ
- ゴードン・セター
- ゴールデン・レトリーバー
- コリア・ジンドー・ドッグ
- コリー
サ行~ナ行
サ行
- サモエド
- サルーキ
- シー・ズー
- シーリハム・テリア
- シェットランド・シープドッグ
- 四国
- 柴(小柴・豆柴も含む)
- シベリアン・ハスキー
- シャー・ペイ
- ジャーマン・シェパード・ドッグ
- ジャーマン・ポインター
- ジャイアント・シュナウザー
- ジャック・ラッセル・テリア
- スカイ・テリア
- スキッパーキ
- スコティッシュ・テリア
- スタッフォードシャー・ブル・テリア
- スタンダード・シュナウザー
- スタンダード・ダックスフンド
- スタンダード・プードル
- セント・バーナード
タ行
- ダルメシアン
- ダンディ・ディンモント・テリア
- チェサピーク・ベイ・レトリーバー
- チベタン・スパニエル
- チベタン・テリア
- チベタン・マスティフ
- チャイニーズ・クレステッド・ドッグ
- チャウ・チャウ
- チワワ
- 狆(ちん)
- トイ・プードル
- トイ・マンチェスター・テリア
- ドーベルマン
- ドゴ・アルヘンティーノ
- 土佐
ナ行
- ナポリタン・マスティフ
- 日本スピッツ
- 日本テリア
- ニューファンドランド
- ノーフォーク・テリア
- ノーリッチ・テリア
ハ行~ワ行・その他
ハ行
- バーニーズ・マウンテン・ドッグ
- パグ
- バセット・ハウンド
- バセンジー
- パピヨン
- ハリア
- ビアデッド・コリー
- ビーグル
- ビション・フリーゼ
- ブービエ・デ・フランダース
- プーミー
- プーリー
- プチ・バセット・グリフォン・バンデーン
- プチ・バラバンソン
- フラットコーテッド・レトリーバー
- ブリタニー・スパニエル
- ブリュッセル・グリフォン
- ブル・テリア
- ブルドッグ
- ブルマスティフ
- フレンチ・ブルドッグ
- ペキニーズ
- ベドリントン・テリア
- ベルジアン・シェパード・ドッグ
- ボーダー・コリー
- ボーダー・テリア
- ポーチュギーズ・ウォーター・ドッグ
- ボクサー
- ボストン・テリア
- 北海道
- ポメラニアン
- ポリッシュ・ローランド・シープドッグ
- ボルゾイ
- ボロニーズ
- ホワイト・シェパード・ドッグ
マ行
- マスティフ
- マルチーズ
- マンチェスター・テリア
- ミディアム・プードル
- ミニ・オーストラリアン・ブルドッグ
- ミニチュア・シュナウザー
- ミニチュア・ダックスフンド
- ミニチュア・ピンシャー
- ミニチュア・プードル
- ミニチュア・ブル・テリア
ヤ行
ラ行
- ラージ・ミュンスターレンダー
- ラサ・アプソ
- ラブラドール・レトリーバー
- レークランド・テリア
- レオンベルガー
- ローデシアン・リッジバック
- ロットワイラー
ワ行
ミックス犬(※1)
- 8か月未満:6kg未満
- 8か月以上:8kg未満
- 8か月未満:6kg以上~20kg未満
- 8か月以上:8kg以上~25kg未満
- 8か月未満:20kg以上
- 8か月以上:25kg以上
※ 「犬種分類表」に記載のない犬種の分類につきましては別途お問い合わせ下さい。