犬がさつまいもを食べても大丈夫。与え方の注意点を獣医が解説

最終更新日:2024年07月08日

本コンテンツは獣医師2名による確認を行い、制作をしております。

犬がさつまいもを食べても大丈夫です。ただし、食べすぎや消化しにくい皮などには要注意です。ここでは、犬の体格ごとにさつまいもの許容量を始め、さつまいもの与え方について獣医師が詳しく解説します。

犬がさつまいもを食べても大丈夫。与え方の注意点を獣医が解説

さつまいもは犬が食べても大丈夫

―さつまいもを愛犬に与えてもいいのでしょうか。成分的に問題はありますか?

結論としては、犬にさつまいもを食べさせても大丈夫です。さつまいもには人だけでなく犬にとっても健康に有益な栄養と食物繊維が含まれており、特に問題なく与えられる食材です。

例えば、さつまいもの主成分である炭水化物は大切なエネルギー源となります。また、ビタミンやミネラルが豊富なため、細胞の抗酸化作用や皮膚を丈夫にするなどの効果が期待できます。さらに、食物繊維も多く含まれていることから整腸作用や便秘解消につながり、便秘がちの犬には積極的に与えると良いと考えられます。

以上のような健康効果が期待できるさつまいもですが、いくつかの注意点があります。

犬に与えてもいいさつまいもの量

犬に与えてもいいさつまいもの量

―犬に与えてもいいさつまいもの量を教えてください。

さつまいもはカロリーや糖質が高い食べ物です。そのため、おやつとして与えるのであれば、一日の総カロリー量の10%程度までにとどめることが与えすぎを防ぐ意味でも大切です。

加熱したさつまいものカロリーは100gあたり約140kcalです。また、標準的なさつまいも1本の重さ300gを基準として、犬の体格別に目安を説明します。

超小型犬(体重4kg未満)

約20gまで、輪切り1枚くらい

小型犬(体重10kg以下)

約40gまで、さつまいも1/8本くらい

中型犬(体重25kg未満)

約100gまで、さつまいも1/3本くらい

大型犬(体重25kg以上)

約150g程度、さつまいも半分くらい

※上記の量はおおよその目安であり、実際の体格や運動量などによって異なります。

―犬にとってさつまいもが健康にいいなら、たくさん食べさせたくなります。

さつまいもは炭水化物が主成分で高カロリー、糖質が多く含まれているため、犬が日常的にたくさん食べると肥満を始め、体に悪影響が出る場合があります。また、食物繊維が多くため、食べすぎると胃腸に負担がかかり消化不良を引き起こす場合もあります。

さらに、さつまいもの甘さが、犬にとって好んで食べやすい味であるため、その味に慣れてしまうと、普段食べさせている主食のドッグフードを食べなくなってしまうこともあります。そのため、さつまいもばかりを与えないようにし、ほんの少しのおやつ程度にしましょう。

犬にさつまいもを与えるときの注意点

犬にさつまいもを与えるときの注意点

食材の処理の仕方

―愛犬にさつまいもを食べさせるときに注意することはありますか?

さつまいもは生のままでは消化に悪いため、下痢や嘔吐を引き起こす場合があります。そのため、蒸すなどしてしっかりと加熱し、やけどをしないよう冷ましてから与えるようにしましょう。また、さつまいもの皮も消化しにくく、大きいサイズのままでは喉に詰まらせる危険があるため、ひと口大のサイズに切って与えるようにしてください。

アレルギー

さつまいもはアレルギーを起こしにくい食材と言われていますが、低い割合でもアレルギーを起こす犬はいるようです。そのため、初めてさつまいもを与える際には少量を与えて様子を見るようにしてください。そして、下痢や嘔吐、体のかゆみなどのアレルギー症状が出るようなら動物病院を受診するようにしましょう。急性ではなく、時間が経ってから症状が現れる場合もあるので、いつごろ、どのくらい与えたのかをメモに残しておくと病院を受診した際に役立ちます。

さつまいもの加工食品

―さつまいもの加工食品を犬に与えても問題ありませんか?

さつまいもは和菓子やケーキなどの材料として使われることが多く、添加物が含まれていたり、砂糖が加わっていたりすると考えられます。そのため、さつまいもが原料でも加工されているものは極力控えたほうがいいでしょう。

また、使われている材料がはっきりしているものでも、ひと口、ふた口にとどめておきましょう。

どんなときにさつまいもを与えたらいいの?

体力を消耗したときや便秘がちのとき

―犬にはどんなときにさつまいもを与えたらいいのでしょうか。

食欲が落ちていて体力を消耗しているときに与えるといいでしょう。蒸したさつまいもは、やわらかくて口当たりが良く、いいエネルギー源になります。

また、便秘がちで便が固い、数日に1回しか排便しないなどのときもさつまいもを与えるといいと考えられます。

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こんなときは犬にさつまいもを食べさせないこと

こんなときは犬にさつまいもを食べさせないこと

―どんな場合には、犬にさつまいもを食べさせないほうがいいのでしょうか。

肥満傾向や糖尿病の犬

さつまいもはカロリーや糖質が高い食材ですから、糖尿病の持病や肥満傾向の犬にはあまり与えないほうがいいでしょう。

また、さつまいもにはシュウ酸が比較的多く含まれています。犬はシュウ酸を多く取るとシュウ酸カルシウム結晶による尿石症を引き起こすことがあるため、さつまいもを食べすぎないほうがいいでしょう。

腎臓や心臓に障害がある犬

さらに、さつまいもはカリウムも豊富に含まれています。そのため、腎臓に障害がある犬がさつまいもを食べると、カリウムを十分に尿と一緒に排泄できず、体内に蓄積してしまいます。これによって血中のカリウム濃度が上がると、不整脈を始め心臓に影響を及ぼして突然死することもあります。そのため、腎臓や心臓病を患っている犬には、さつまいもを控えるか、さつまいもを水からゆでこぼし(ゆで汁を捨てる)、カリウムをできるだけ減らすようにしましょう。

消化機能が未熟な子犬

さつまいもを子犬に与えるのは控えたほうがいいと考えられます。子犬は、消化機能が未熟であり、下痢を引き起こす可能性があるからです。

まとめ「犬にさつまいもを与えるときは、小さく刻んで食べすぎに注意」

さつまいもは、犬にとって有益な栄養と食物繊維を多く含む食材です。犬には消化の悪い皮を除き、喉に詰まらせないよう、ひと口大に切って与えましょう。また、甘く犬が好んで食べるので、与えすぎによる栄養の偏りや肥満などには注意してください。

愛犬に食べさせていいかを迷ったり、何かを食べて具合が悪くなったかもしれないと思ったりしたら、獣医師監修の「犬が食べても大丈夫なもの」「犬が食べてはいけない危険な食べ物」を併せてご覧ください。

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  • 純血犬は、犬種により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類され、それぞれ保険料が異なります。犬種の区分については、「犬種分類表」をご確認ください。
  • ミックス犬の保険料は、年齢と体重により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類します。詳しくは、「犬種分類表」の「ミックス犬」の欄をご確認ください。
  • 猫の場合は、品種によらず純血猫もミックス猫もすべて同じ保険料です。
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