犬が納豆を食べても大丈夫。与え方の注意点を獣医師が解説
最終更新日:2024年09月09日
本コンテンツは獣医師2名による確認を行い、制作をしております。
犬に納豆を与えても大丈夫です。ただし、納豆のパックに付属するタレや薬味は食べさせないようにしましょう。また、大豆アレルギーの犬には与えないでください。ここでは、犬の体格ごとに与えていい納豆の量を始め、納豆の与え方について獣医師が詳しく解説します。
- 納豆は犬が食べても大丈夫
- 犬に与えてもいい納豆の量
- 犬に納豆を与えるときの注意点
- どんなときに納豆を与えたらいいの?
- こんなときは犬に納豆を食べさせないこと
- まとめ「犬に納豆を与えるときは、大豆アレルギーに注意し、おやつ程度に」
納豆は犬が食べても大丈夫
―納豆を愛犬に与えてもいいのでしょうか。成分的に問題はありますか?
基本的に、納豆を犬に与えても問題ありません。納豆はもともと人にとって健康価値の高い食品として食べられており、また、犬にとって危険となる成分は含まれていないことから、安心して愛犬に食べさせられます。
納豆には犬の健康に有益な栄養素がたっぷり含まれています。主に「たんぱく質」「ビタミン」「食物繊維」「ミネラル」のほか、ポリフェノールの一種である「大豆イソフラボン」や「大豆サポニン」など、原料となる大豆に栄養が豊富に詰まっています。また、大豆が納豆菌により発酵し、作り出される成分としては、血液凝固や骨代謝にかかわる「ビタミンK2」、血糖値の上昇を抑える効果がある「ポリグルタミン酸」、血栓の主成分に直接働きかけて溶解する「ナットウキナーゼ」があります。
こうした納豆を愛犬の食事のメニューやおやつとして与えることで、人と同様、犬もこれら栄養素の効果を期待できると考えられます。
犬に与えてもいい納豆の量
―犬に与えてもいい納豆の量を教えてください。
犬に与える納豆の適正量は、正確に決まっているわけではありません。しかし、犬に納豆ばかり食べさせると栄養バランスを崩すことになるため、おやつとしての量にとどめておくようにしましょう。量は、一日の必要カロリーの10%程度になるように計算します。目安としては、以下のようになります。
超小型犬(体重4kg未満)
3~5g程度、小さじ1杯程度
小型犬(体重10kg以下)
16g程度まで、大さじ1杯程度
中型犬(体重25kg未満)
27g程度まで、1/2パック程度
大型犬(体重25kg以上)
27g~45g程度、1パック程度
※上記の量はおおよその目安であり、実際の体格や運動量などによって異なります。
―犬にとって納豆が健康にいいなら、たくさん食べさせたくなります。
何を与えるにしても、偏ってたくさん与えることは下痢を始め、体調を崩す原因になるため良くありません。食事のベースとなるドッグフードに少量トッピングする、おやつ程度の量にとどめておくようにしましょう。
犬に納豆を与えるときの注意点
食材の処理の仕方
―愛犬に納豆を食べさせるときに注意することはありますか?
納豆の栄養素を効果的に取り込むには、加熱せずに冷蔵や常温などそのまま与えることが望ましいと言えます。また、納豆の種類は「ひきわり」のほうが消化しやすいためお薦めですが、粒の場合でもある程度刻んで与えると消化不良を防げます。
注意すべき点としては、納豆のパックに付属している「タレ」や「薬味」を食べさせないことです。「タレ」は犬にとっては塩分が多すぎることと、保存料や添加物などにより下痢を始め体調を崩すことがあります。また「薬味」はネギのような犬にとって危険な材料が入っていることがあるので絶対に与えないようにしてください。
アレルギー
一部の犬には、主に納豆の原料となる「大豆」に食物アレルギーをもつ場合があります。愛犬に納豆を初めて食べさせる場合には、アレルギーが出ないかどうかを慎重に見極めなければならないため、ほんの少しだけ食べさせるようにしましょう。アレルギー症状である体のかゆみや嘔吐、下痢などの症状がなければ、次の日にまた少し増やし、徐々に増量していくといいでしょう。
納豆の加工食品
―納豆の加工食品を犬に与えても問題ありませんか?
納豆の原料は「大豆」と「納豆菌」と「水」です。もし加工食品にこれら以外の成分が入っている場合には、犬にとって安全とは言えない場合があるので与えないほういいでしょう。
与えても問題ない加工食品は納豆の「フリーズドライ」です。これは成分的に納豆そのものとほぼ変わりなく、ねばつきもないことから犬には与えやすい加工食品と言えます。犬用のおやつとしてフリーズドライの製品が販売されているので、こういったものを選ぶといいでしょう。
どんなときに納豆を与えたらいいの?
―犬にはどんなときに納豆を与えたらいいのでしょうか。
たんぱく質やビタミンが豊富であることから、筋力や体力を付けたいときに与えると良いと考えられます。また、「大豆サポニン」による抗酸化作用や免疫力向上の効果を期待して、免疫力が低下している犬に与えるのがお薦めです。さらに、納豆に含まれる「ナットウキナーゼ」という成分には血栓症抑制効果があることから、心臓病をもつ犬に与えると良いと言われています。
愛犬の急なトラブルに、24時間365日、獣医師が電話で直接サポート
愛犬の食事についての悩みは様々です。
上記以外の食べ物でも「こんなものは食べても大丈夫なの?」という疑問を持ったり、「愛犬が誤食をして様子がおかしい」、「もしかしたら危険なものを食べたかもしれない」などトラブルが突然起こることもあるかもしれません。
ペットメディカルサポート株式会社のペット保険「PS保険」では契約者サービスとして24時間365日、獣医師に電話で直接相談できる【獣医師ダイヤル】を提供していますので、そんなときにいつでも気軽に獣医師に相談できて安心です。
「PS保険」では、24時間365日、獣医師による無料※電話相談サービス「獣医師ダイヤル」を提供しております。病院へ足を運ぶまでの応急処置を含む医療相談から、素朴な疑問まで幅広く応対してくれるので、もしものときも安心です。
※:通話料はお客さまのご負担になります。
※当サービスは、株式会社チェリッシュライフジャパン(CLJ)と提携し、アニクリ24のサービスを提供するものです。
※Anicli24(アニクリ24)は獣医師による電話医療相談サービスを提供する動物病院です。
こんなときは犬に納豆を食べさせないこと
―どんな場合には、犬に納豆を食べさせないほうがいいのでしょうか。
愛犬に納豆を食べさせないほうがいいケースは以下のような場合です。
大豆アレルギー
犬にも大豆アレルギーをもっている場合があるため、アレルギー体質の犬に初めて食べさせる場合は注意が必要です。もちろん大豆アレルギーがあるとわかっている場合は食べさせないでください。
腎臓病を患っている犬
進行した腎臓病の犬には納豆を積極的に与えないほうがいいと考えられます。納豆はたんぱく質とカリウムを多く含む食材であり、たんぱく質やカリウムを取りすぎると腎臓に負担をかけ、さらに腎臓を悪くしてしまいます。
まとめ「犬に納豆を与えるときは、大豆アレルギーに注意し、おやつ程度に」
納豆は、犬の健康に有益な栄養素が豊富に含まれますが、食べすぎは下痢のような体調不良につながります。また、一部の犬は大豆アレルギーをもつ場合がありますので、食べ初めは十分注意し、量はおやつ程度にとどめましょう。
関連リンク
愛犬に食べさせていいかを迷ったり、何かを食べて具合が悪くなったかもしれないと思ったりしたら、獣医師監修の「犬が食べても大丈夫なもの」「犬が食べてはいけない危険な食べ物」を併せてご覧ください。
犬種別の保険料
- 純血犬は、犬種により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類され、それぞれ保険料が異なります。犬種の区分については、「犬種分類表」をご確認ください。
- ミックス犬の保険料は、年齢と体重により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類します。詳しくは、「犬種分類表」の「ミックス犬」の欄をご確認ください。
- 猫の場合は、品種によらず純血猫もミックス猫もすべて同じ保険料です。
ア行~カ行犬の品種分類表
ア行
- アーフェンピンシャー
- アイリッシュ・ウルフハウンド
- アイリッシュ・セター
- 秋田
- アフガン・ハウンド
- アメリカン・コッカー・スパニエル
- アメリカン・スタッフォードシャー・テリア
- アメリカン・ピット・ブルテリア
- アメリカン・フォックスハウンド
- アラスカン・マラミュート
- イタリアン・グレーハウンド
- イングリッシュ・コッカー・スパニエル
- イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル
- イングリッシュ・セター
- イングリッシュ・ポインター
- ウィペット
- ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
- ウェルシュ・コーギー・カーディガン
- ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
- ウェルシュ・スプリンガー・スパニエル
- ウェルシュ・テリア
- エアデール・テリア
- オーストラリアン・キャトル・ドッグ
- オーストラリアン・ケルピー
- オーストラリアン・シェパード
- オーストラリアン・シルキー・テリア
- オーストラリアン・テリア
- オールド・イングリッシュ・シープドッグ
カ行
- カーリーコーテッド・レトリーバー
- 甲斐
- カニーンヘン・ダックスフンド
- キースホンド/ジャーマン・ウルフスピッツ
- 紀州
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
- キング・チャールズ・スパニエル
- グレート・デーン
- グレート・ピレニーズ
- グレーハウンド
- ケアーン・テリア
- ケリー・ブルー・テリア
- コーイケルホンディエ
- コーカサス・シープドッグ
- ゴードン・セター
- ゴールデン・レトリーバー
- コリア・ジンドー・ドッグ
- コリー
サ行~ナ行
サ行
- サモエド
- サルーキ
- シー・ズー
- シーリハム・テリア
- シェットランド・シープドッグ
- 四国
- 柴(小柴・豆柴も含む)
- シベリアン・ハスキー
- シャー・ペイ
- ジャーマン・シェパード・ドッグ
- ジャーマン・ポインター
- ジャイアント・シュナウザー
- ジャック・ラッセル・テリア
- スカイ・テリア
- スキッパーキ
- スコティッシュ・テリア
- スタッフォードシャー・ブル・テリア
- スタンダード・シュナウザー
- スタンダード・ダックスフンド
- スタンダード・プードル
- セント・バーナード
タ行
- ダルメシアン
- ダンディ・ディンモント・テリア
- チェサピーク・ベイ・レトリーバー
- チベタン・スパニエル
- チベタン・テリア
- チベタン・マスティフ
- チャイニーズ・クレステッド・ドッグ
- チャウ・チャウ
- チワワ
- 狆(ちん)
- トイ・プードル
- トイ・マンチェスター・テリア
- ドーベルマン
- ドゴ・アルヘンティーノ
- 土佐
ナ行
- ナポリタン・マスティフ
- 日本スピッツ
- 日本テリア
- ニューファンドランド
- ノーフォーク・テリア
- ノーリッチ・テリア
ハ行~ワ行・その他
ハ行
- バーニーズ・マウンテン・ドッグ
- パグ
- バセット・ハウンド
- バセンジー
- パピヨン
- ハリア
- ビアデッド・コリー
- ビーグル
- ビション・フリーゼ
- ブービエ・デ・フランダース
- プーミー
- プーリー
- プチ・バセット・グリフォン・バンデーン
- プチ・バラバンソン
- フラットコーテッド・レトリーバー
- ブリタニー・スパニエル
- ブリュッセル・グリフォン
- ブル・テリア
- ブルドッグ
- ブルマスティフ
- フレンチ・ブルドッグ
- ペキニーズ
- ベドリントン・テリア
- ベルジアン・シェパード・ドッグ
- ボーダー・コリー
- ボーダー・テリア
- ポーチュギーズ・ウォーター・ドッグ
- ボクサー
- ボストン・テリア
- 北海道
- ポメラニアン
- ポリッシュ・ローランド・シープドッグ
- ボルゾイ
- ボロニーズ
- ホワイト・シェパード・ドッグ
マ行
- マスティフ
- マルチーズ
- マンチェスター・テリア
- ミディアム・プードル
- ミニ・オーストラリアン・ブルドッグ
- ミニチュア・シュナウザー
- ミニチュア・ダックスフンド
- ミニチュア・ピンシャー
- ミニチュア・プードル
- ミニチュア・ブル・テリア
ヤ行
ラ行
- ラージ・ミュンスターレンダー
- ラサ・アプソ
- ラブラドール・レトリーバー
- レークランド・テリア
- レオンベルガー
- ローデシアン・リッジバック
- ロットワイラー
ワ行
ミックス犬(※1)
- 8か月未満:6kg未満
- 8か月以上:8kg未満
- 8か月未満:6kg以上~20kg未満
- 8か月以上:8kg以上~25kg未満
- 8か月未満:20kg以上
- 8か月以上:25kg以上
※ 「犬種分類表」に記載のない犬種の分類につきましては別途お問い合わせ下さい。