犬が豆腐を食べても大丈夫。与え方の注意点を獣医が解説

最終更新日:2024年02月22日

犬に豆腐を与えも大丈夫です。豆腐は植物性たんぱく質が豊富で、犬の成長促進に効果があります。ただし、与えすぎは良くありません。ここでは、犬に与えてもいい豆腐の量を始め、与え方について獣医師が解説します。

犬が豆腐を食べても大丈夫。与え方の注意点を獣医が解説

豆腐は犬が食べても大丈夫

―豆腐を愛犬に与えてもいいのでしょうか。成分的に問題はありますか?

豆腐は主に木綿豆腐と絹ごし豆腐に分けられますが、いずれも犬に食べさせても問題ありません。豆腐の素となる材料は大豆から搾った「豆乳」と海水の塩を抜いたあとに残る「にがり」のみです。素材となる大豆の栄養素がたっぷりと含まれるため、成分的に問題なく与えられます。

以下に、犬に豆腐を与えるとどのような効果が期待できるかを説明します。

  • 高たんぱく質低カロリー

    豆腐に含まれる主な栄養素は植物性たんぱく質です。たんぱく質は皮膚や筋肉など体を作るうえで必須といえるエネルギー源であり、特に成長期の犬には積極的に取り入れるといいでしょう。また、動物性たんぱく質と比べて比較的低カロリー、かつ低コレステロールであることから、安心して与えられます。

  • アンチエイジング効果

    豆腐には大豆イソフラボンやサポニン、ビタミンEなどの抗酸化物質が豊富で、皮膚、被毛を健やかに保ち、アンチエイジングの強い味方と言えます。

    「大豆イソフラボン」は、体内で女性ホルモンのエストロゲンと同じような作用をするポリフェノールの一種です。このイソフラボンには活性酸素を除去する抗酸化作用のほかに、骨を強化し循環器疾患を予防する効果が期待できます。

    「サポニン」は抗酸化作用だけでなく、血管に付着したコレステロールや脂肪の吸収を抑えて肝臓を保護する効果があります。

  • 骨や歯を作るミネラル分が豊富

    カルシウムやマグネシウム、カリウム、リン、鉄、亜鉛など、骨や歯を作るための必須ミネラルが豊富に含まれています。これらはすべて犬の健康維持に必要なものです。

このように、豆腐には人間だけでなく犬にとっても健康に良い成分が多いので、手作り食の材料やおやつとして積極的に取り入れてもいいでしょう。

犬に与えてもいい豆腐の量

犬に与えてもいい豆腐の量

―犬に与えてもいい豆腐の量を教えてください。

犬に豆腐を与える際は、おやつやドッグフードにトッピングする程度の量にするのが目安です。おやつの量とは、ドッグフードをベースとした一日における必要カロリー量の1割程度です。

豆腐1丁が350g~400gとすると、犬に与えても問題のない体格別の適正量は次のようになります。

超小型犬(体重4kg未満)

10~20g 豆腐1丁(350~400g)の1/20程度

小型犬(体重10kg以下)

30~40g 豆腐1丁の1/10程度

中型犬(体重25kg未満)

50g程度 豆腐1丁の1/6から1/8程度

大型犬(体重25kg以上)

150g程度 豆腐半丁程度

※上記の量はおおよその目安であり、実際の犬の体格や運動量によって異なります。

―犬にとって豆腐が健康にいいなら、たくさん食べさせたくなります。

栄養価の高い豆腐ですが、豆腐ばかり与えると栄養バランスが悪くなり体調を崩しかねません。あくまでドッグフードを主食として、豆腐はおやつ程度の量にとどめておきましょう。

犬に豆腐を与えるときの注意点

犬に豆腐を与えるときの注意点

食材の処理の仕方

―愛犬に豆腐を食べさせるときに注意することはありますか?

犬に豆腐を食べさせるときには、薬味や調味料を加えることはやめてください。塩分過多になり、体調を崩してしまいます。そのため、味付けは一切せず、常温に戻して水を切ったものを与えるといいでしょう。

アレルギー

大豆アレルギーをもっている犬もいます。そのため、豆腐を初めて与える際には少量から食べさせましょう。次の日までに体調の変化がなければ少しずつ量を増やして、様子を見ながら与えるようにしてください。万が一、下痢や嘔吐、体のかゆみなどのアレルギー症状が見られた場合には、それ以上与えず、すぐに動物病院に連絡してください。

豆腐の加工食品

―豆腐の加工食品を犬に与えても問題ありませんか?

豆腐には、枝豆豆腐や焼き豆腐、厚揚げなどといった加工品があります。豆腐そのものを調理したものや、豆腐に食材を加えて作られたものであれば与えても問題ありません。しかし、塩分や砂糖、出汁が混ざっているものは与えないようにしましょう。また、油で揚げたものはできるだけ湯通しし、油抜きをしてから与えてください。与える量は上記で述べた程度にとどめるべきです。

どんなときに豆腐を与えたらいいの?

―犬にはどんなときに豆腐を与えたらいいのでしょうか。

成長期の犬にたんぱく質を積極的に与えたい場合は、ドッグフードに豆腐をトッピングするといいでしょう。また、口当たりが良く消化性も良いため、高齢犬や食欲が低下した犬に対して食べさせるのもおすすめです。

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犬の保険について

こんなときは犬に豆腐を食べさせないこと

こんなときは犬に豆腐を食べさせないこと

―どんな場合には、犬に豆腐を食べさせないほうがいいのでしょうか。

愛犬の持病や体調によって豆腐を与えないほうがいい場合があります。

尿石症を患っている場合

豆腐にはマグネシウムやリンが豊富に含まれています。そのため、愛犬がマグネシウムやリンを主成分とするストルバイト結晶という尿石症を患っている場合には、症状を悪化させる原因となるため与えないでください。

与えすぎに注意

豆腐はたんぱく源の中では比較的低カロリーですが、与えすぎると肥満の原因になるので、与えすぎには注意してください。

まとめ「豆腐を与えるときは調味料を使わず、おやつ程度の量を」

犬に豆腐を与えるときは、調味料を使わず、常温に戻し水を切ってから与えるようにしましょう。与えすぎると主食のドックフードを食べられなくなってしまうので、与える量にも注意が必要です。

また、愛犬がマグネシウムやリンを主成分とするストルバイト結晶という尿石症を患っている場合には、与えてはいけません。

関連リンク

愛犬に食べさせていいかを迷ったり、何かを食べて具合が悪くなったかもしれないと思ったりしたら、獣医師監修の「犬が食べても大丈夫なもの」「犬が食べてはいけない危険な食べ物」を併せてご覧ください。

犬の保険について

犬種別の保険料

  • 純血犬は、犬種により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類され、それぞれ保険料が異なります。犬種の区分については、「犬種分類表」をご確認ください。
  • ミックス犬の保険料は、年齢と体重により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類します。詳しくは、「犬種分類表」の「ミックス犬」の欄をご確認ください。
  • 猫の場合は、品種によらず純血猫もミックス猫もすべて同じ保険料です。
ア行~カ行犬の品種分類表
ア行
カ行
サ行~ナ行
サ行
タ行
ナ行
ハ行~ワ行・その他
ハ行
マ行
ヤ行
ラ行
ワ行
ミックス犬(※1)
  • 8か月未満:6kg未満
  • 8か月以上:8kg未満
  • 8か月未満:6kg以上~20kg未満
  • 8か月以上:8kg以上~25kg未満
  • 8か月未満:20kg以上
  • 8か月以上:25kg以上

※ 「犬種分類表」に記載のない犬種の分類につきましては別途お問い合わせ下さい。