犬が卵を食べても大丈夫。与え方の注意点を獣医が解説

最終更新日:2024年07月08日

本コンテンツは獣医師2名による確認を行い、制作をしております。

犬に卵を与えても大丈夫です。ただし、与えすぎは体に良くありませんし、アレルギーにも気を付ける必要があります。ここでは、卵を犬に与えるときの注意点と、与えてもいい量について獣医師が解説します。

犬が卵を食べても大丈夫。与え方の注意点を獣医が解説

卵は犬が食べても大丈夫

犬に卵を与えても、基本的には問題ありません。卵が健康にいいことは周知の事実であるため、愛犬に卵を与えたいと思っている方は多いのでしょう。

卵はビタミンCと食物繊維以外の栄養素がすべて詰まっていることから、「完全栄養食」と呼ばれています。そして、犬の健康にも良い効果をもたらしてくれる栄養素が、たくさん含まれています。ここでは、代表的なものをいくつかご紹介します。

  • たんぱく質

    たんぱく質は筋肉や内臓、皮膚、被毛など、犬の体を作るための栄養素です。また、犬にとって、エネルギー源としての役割ももっています。

  • 脂質

    脂質もたんぱく質と同様に、犬にとって重要なエネルギー源となります。

  • ビタミン類

    暗闇での視覚をサポートするビタミンAや、皮膚や被毛の健康を維持するビタミンB2、血液を作るサポートするビタミンB12、抗酸化作用をもつビタミンEなど、ビタミンC以外のすべてのビタミンが含まれています。

  • 鉄分

    鉄分は、赤血球の大部分を占めている成分であるヘモグロビンや、筋肉中にあるミオグロビンの材料であり、その役割は全身に酸素を運ぶことです。

犬に与えてもいい卵の量

犬に与えてもいい卵の量

卵のエネルギー量は全卵で100gあたり151kcalです。犬の体格によって、一日に必要なエネルギー量は決まっています。そのため、犬に卵を与える際は、一日に必要なエネルギー量の10%以内に抑えましょう。ここでは、Mサイズ(重さ50g)の全卵を犬に与えるケースをご紹介します。

超小型犬(体重4kg未満)

~約17g(約0.3個分)

小型犬(体重10kg以下)

~約41g(約0.8個分)

中型犬(体重25kg未満)

~約80g(約1.6個分)

大型犬(体重25kg以上)

約80g(約1.6個分)~

※上記の量はおおよその目安であり、実際の犬の体格や運動量によって異なります。

犬に卵を与えるときの注意点

犬に卵を与えるときの注意点

犬は一日に必要なエネルギー量が決まっています。そのため、与えた卵の分だけ、主食のドッグフードを減らしてください。

また、卵には多くの栄養素が含まれていますが、犬にとって一日に必要な栄養素がバランスよく含まれているわけではありません。そのため、卵の食べすぎはかえって健康に害を及ぼすおそれがあります。

卵はあくまでトッピングとして与え、適量を守り、与えすぎには気を付けましょう。

食材の処理の仕方

犬に卵を与えるときは、生卵でも、茹でたり焼いたりした卵でも、基本的に問題ありません。ただし卵を調理するときは、油や塩などの調味料を使わないようにしましょう

また、意外かもしれませんが、卵の殻を犬が食べても大きな問題はありません。ただし、生卵の殻は保存状態によっては、サルモネラ菌に汚染されていることがあります。

サルモネラ菌は嘔吐や下痢などの消化器症状を引き起こすため、殻は加熱処理してから与えるようにしましょう

生卵を犬に食べさせるときは白身に注意!

先ほど生卵を与えても問題がないとご紹介しましたが、注意点がいくつかあります。

まず、生卵の白身には「アビジン」というたんぱく質が含まれています。犬がアビジンを大量に摂取すると、皮膚炎や成長不良などの症状を起こすことがあります。そのため、生卵を与える場合は、卵黄だけを与えるようにしましょう。アビジンは熱に弱いため、加熱調理すれば白身を与えても大丈夫です。

また、生卵は人が食中毒を引き起こす、サルモネラ菌に汚染されている可能性があります。犬で発生することはまれですが、加熱調理してから与えるようにしましょう。

アレルギー

人ほどではありませんが、犬も卵に対してアレルギー症状を示すことがあります。そのため、愛犬に初めて卵を与える場合にはひと口だけにとどめ、アレルギー症状が出ないかどうか、体調の変化をよく観察するようにしましょう。

また、鶏肉に対してアレルギーをもっている犬では、卵に対してもアレルギー症状を示す可能性が高いことがわかっています。そのため、鶏肉に対してアレルギーをもっている場合には卵を与えないようにしましょう。

卵の加工食品

煮卵やインスタントの卵スープ、マヨネーズ、プリン、カスタードクリームといった卵の加工食品の多くは、犬にとって塩分や糖分が過剰に含まれているため、犬には与えないようにしてください。

どんなときに卵を与えたらいいの?

健康な犬であれば、ドッグフードで一日に必要な栄養が取れるため、あえて積極的に卵を与える必要はありません。しかし、卵は良質なたんぱく源であり、栄養素も多く含まれています。シニア期や食欲が落ちている犬に対しては、調理方法や与えすぎに気を付けながら与えてみてください。

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犬の保険について

こんなときは犬に卵を食べさせないこと

こんなときは犬に卵を食べさせないこと

アレルギーがある場合や療法食を与えている場合

卵や鶏肉に対してアレルギーをもっているケースを除き、特に注意が必要な病気や、薬の飲み合わせなどは基本的にありません。

ただし、療法食を与えている場合は、療法食以外の食べ物を与えてはいけないケースが多いため、愛犬に卵を与えたいときはかかりつけ医に相談しましょう。

まとめ「犬に卵を与えるときは加熱調理すると安心」

犬は卵を生でも食べられますが、加熱調理したほうが安心です。また、与えすぎると主食のドッグフードを食べる量が減ってしまうため、卵はおやつやトッピングとして与えるようにしましょう。

関連リンク

愛犬に食べさせていいかを迷ったり、何かを食べて具合が悪くなったかもしれないと思ったりしたら、獣医師監修の「犬が食べても大丈夫なもの」「犬が食べてはいけない危険な食べ物」を併せてご覧ください。

犬の保険について

犬種別の保険料

  • 純血犬は、犬種により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類され、それぞれ保険料が異なります。犬種の区分については、「犬種分類表」をご確認ください。
  • ミックス犬の保険料は、年齢と体重により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類します。詳しくは、「犬種分類表」の「ミックス犬」の欄をご確認ください。
  • 猫の場合は、品種によらず純血猫もミックス猫もすべて同じ保険料です。
ア行~カ行犬の品種分類表
ア行
カ行
サ行~ナ行
サ行
タ行
ナ行
ハ行~ワ行・その他
ハ行
マ行
ヤ行
ラ行
ワ行
ミックス犬(※1)
  • 8か月未満:6kg未満
  • 8か月以上:8kg未満
  • 8か月未満:6kg以上~20kg未満
  • 8か月以上:8kg以上~25kg未満
  • 8か月未満:20kg以上
  • 8か月以上:25kg以上

※ 「犬種分類表」に記載のない犬種の分類につきましては別途お問い合わせ下さい。