犬がアボカドを食べたときの症状と応急処置を獣医が解説
最終更新日:2024年07月09日
本コンテンツは獣医師2名による確認を行い、制作をしております。
森のバターと呼ばれるアボカドは、栄養価が高く美容にも効果があるため、人気の食材です。しかし、犬にとっては中毒を引き起こしかねない危険なものです。愛犬がアボカドをなめてしまった、食べてしまった場合、どんな症状が起こり、どう対処すべきかを獣医師が詳しく解説します。
犬がアボカドを食べると引き起こされる症状
アボカドの成分「ペルシン」が犬に中毒症状を引き起こす
1~3日ほどで消化器症状が現れる
―犬がアボカドを食べてしまうと、何が原因で、どんな症状が現れるのですか?
アボカドに含まる成分「ペルシン」は、多くの動物に中毒を引き起こします。鳥に対しての毒性は特に強いとされ、摂取してから数時間以内に死に至ることもあると言われています。
一方で、犬は鳥ほどの中毒症状を現すことは少なく、アボカドの犬への毒性については専門家の間で意見が分かれています。しかし、犬がアボカドを摂取したあと、1~3日のうちに消化器症状や呼吸器症状などを見られたケースが実際に知られていることから、犬にアボカドは与えないことが無難と言えます。
アボカドの種は消化されず、腸に詰まり危険
また、アボカドを始めとした植物の種は、一般的に犬の胃腸で消化されません。そのため、犬が誤ってアボカドの種を摂取してしまうと、そのサイズによっては胃の中に長く停滞してしまうことや、胃を通過しても腸の途中で詰まることがあります。これらの場合、摂取後すぐ、またはしばらく経ってから、急に吐く、お腹を痛そうにするといった消化器症状が現れることがあるため危険です。
犬がアボカドを食べたかも!? こんな症状が見られたら病院へ
- 食欲がない
- 吐いている
- 下痢をしている
- お腹を痛そうにしている
特に緊急性の高い状態は、以下のとおりです。
犬がアボカドを食べて見られる危険な症状
- 頻繁に吐いている
- けいれんしている
- 全身や肢がむくんでいる
- 呼吸が荒い
- 湿った咳をする
- 赤い痰を吐く
- 舌がむらさき色っぽい
アボカドの成分が含まれる食品や化粧品などに注意
―アボカドと同じ成分が含まれるものはありますか?
アボカド以外にペルシンが含まれている食べ物は現在のところ知られていません。しかし、アボカドが含まれている加工食品、飲料、オイル、化粧品などは一般に販売されていますので、これらを犬が誤って口にしないように気を付けましょう。
犬がアボカドをどのくらい食べると危険なのか
犬がアボカドをなめた、少量を食べてしまったらどうなるの?
―愛犬がアボカドをなめたり、少量を食べてしまったりしたら、どうなってしまうのでしょうか? 様子を見ていても大丈夫ですか?
アボカドを犬が摂取したときには、おおむね3日以内に出現することが多いとされる中毒のほか、アボカドに含まれる高い脂肪分が胃腸に負担をかけ消化器症状を示す、また、アボカドそのものに対するアレルギー反応などに注意する必要があります。
ただし、アボカドの少量摂取の場合には何も症状が出ない場合もあります。そのため、アボカドをなめたり、少量食べたりしたあとに、愛犬の食欲や活動性がいつもどおりで、嘔吐や下痢もないようでしたら、自宅で様子を見ていいでしょう。
しかし、犬がアボカドを摂取してから3日以内に食欲、活動性の低下や、嘔吐・下痢などの症状が見られる場合には、すぐに動物病院を受診し、アボカドを摂取していることを獣医師に伝えてください。
犬にとって危険なアボカドの摂取量
個体差があり、正確な量は断定できない
―どのくらいの量を食べると中毒症状が出るのですか?
現在のところ、犬のアボカドの中毒量は不明とされています。また、同じ犬でもアボカドへの感受性に個体差があるようです。そのため、たとえ少量でも愛犬が誤って食べてしまうことのないように気を付けることが大切です。
犬がアボカドを食べてしまったときの応急処置
家庭内ですべき応急処置、対処法
家庭内でできる対処法はなく、様子を観察し、早めに受診しましょう
―愛犬が、アボカドを食べてしまった場合、自宅でできる応急処置について教えてください。
応急処置としてご自宅でできることは残念ながらありません。
アボカドを食べたあと、愛犬に何らかの状態の変化がある場合や、種を含めて食べてしまっている可能性がある場合には、早急に動物病院へ受診されることをお勧めします。その際、食べたアボカドと同じものが自宅にあるなら、動物病院に持参すると診断や治療に役立つ場合があります。
すぐに動物病院の受診がかなわず、愛犬の状態に変化がないようなら、アボカドを食べた日時、量、食べた後の愛犬の状態を整理、記録しながら様子を見てください。のちに動物病院を受診する際、診断や治療の役に立ちます。
ただし、愛犬の食欲や活動性、嘔吐・下痢の有無などで気になることがひとつでもあるなら、すぐに動物病院を受診しましょう。
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病院での対処法
―犬がアボカドを食べてしまった場合、病院では、どのような処置を行うのですか?
動物病院では症状や状況に応じた検査・処置を行います。
血液検査・レントゲン検査・超音波検査など
アボカドの摂取による体内への影響度合や、種の有無などを調べます。
1万~2万円程度
催吐処置
胃の中にアボカドが残っている場合に、催吐処置(読み:さいとしょち、意味:異物を吐かせる処置)を行うことがあります。
1万~3万円程度(処置前検査などを含む)
点滴、薬剤処置
中毒物質の解毒を促し、症状の緩和を目的に行います。入院が必要な場合があります。
一日あたり1万~3万円程度
摘出処置
催吐処置では取り出せない、または催吐処置ができない時に行うことがあります。アボカドの大きな種を誤飲した場合、特に必要になることがあります。内視鏡や外科手術など摘出方法によって、費用はさまざまです。
10万~30万円程度
※こちらの診療費は参考例です。平均や水準を示すものではありません。診療費は病院によって異なります。
まとめ「犬にアボカドを食べさせてはいけない」
アボカドは犬に中毒を引き起こすおそれがあり、また高脂肪であること、大きな種が含まれていることから、食べさせないほうが安全です。
また、アボカドは日常的に食卓に並ぶ食材でもあるので、自宅での調理、食事、保管などの際には愛犬が誤って食べてしまうことのないよう、十分に気を付けてあげましょう。
愛犬に食べさせていいかを迷ったり、何かを食べて具合が悪くなったかもしれないと思ったりしたら、獣医師監修の「犬が食べてはいけない危険な食べ物」「犬が食べても大丈夫なもの」を併せてご覧ください。
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犬種別の保険料
- 純血犬は、犬種により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類され、それぞれ保険料が異なります。犬種の区分については、「犬種分類表」をご確認ください。
- ミックス犬の保険料は、年齢と体重により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類します。詳しくは、「犬種分類表」の「ミックス犬」の欄をご確認ください。
- 猫の場合は、品種によらず純血猫もミックス猫もすべて同じ保険料です。
ア行~カ行犬の品種分類表
ア行
- アーフェンピンシャー
- アイリッシュ・ウルフハウンド
- アイリッシュ・セター
- 秋田
- アフガン・ハウンド
- アメリカン・コッカー・スパニエル
- アメリカン・スタッフォードシャー・テリア
- アメリカン・ピット・ブルテリア
- アメリカン・フォックスハウンド
- アラスカン・マラミュート
- イタリアン・グレーハウンド
- イングリッシュ・コッカー・スパニエル
- イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル
- イングリッシュ・セター
- イングリッシュ・ポインター
- ウィペット
- ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
- ウェルシュ・コーギー・カーディガン
- ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
- ウェルシュ・スプリンガー・スパニエル
- ウェルシュ・テリア
- エアデール・テリア
- オーストラリアン・キャトル・ドッグ
- オーストラリアン・ケルピー
- オーストラリアン・シェパード
- オーストラリアン・シルキー・テリア
- オーストラリアン・テリア
- オールド・イングリッシュ・シープドッグ
カ行
- カーリーコーテッド・レトリーバー
- 甲斐
- カニーンヘン・ダックスフンド
- キースホンド/ジャーマン・ウルフスピッツ
- 紀州
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
- キング・チャールズ・スパニエル
- グレート・デーン
- グレート・ピレニーズ
- グレーハウンド
- ケアーン・テリア
- ケリー・ブルー・テリア
- コーイケルホンディエ
- コーカサス・シープドッグ
- ゴードン・セター
- ゴールデン・レトリーバー
- コリア・ジンドー・ドッグ
- コリー
サ行~ナ行
サ行
- サモエド
- サルーキ
- シー・ズー
- シーリハム・テリア
- シェットランド・シープドッグ
- 四国
- 柴(小柴・豆柴も含む)
- シベリアン・ハスキー
- シャー・ペイ
- ジャーマン・シェパード・ドッグ
- ジャーマン・ポインター
- ジャイアント・シュナウザー
- ジャック・ラッセル・テリア
- スカイ・テリア
- スキッパーキ
- スコティッシュ・テリア
- スタッフォードシャー・ブル・テリア
- スタンダード・シュナウザー
- スタンダード・ダックスフンド
- スタンダード・プードル
- セント・バーナード
タ行
- ダルメシアン
- ダンディ・ディンモント・テリア
- チェサピーク・ベイ・レトリーバー
- チベタン・スパニエル
- チベタン・テリア
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- チャイニーズ・クレステッド・ドッグ
- チャウ・チャウ
- チワワ
- 狆(ちん)
- トイ・プードル
- トイ・マンチェスター・テリア
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ナ行
- ナポリタン・マスティフ
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ハ行~ワ行・その他
ハ行
- バーニーズ・マウンテン・ドッグ
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- ミニチュア・ブル・テリア
ヤ行
ラ行
- ラージ・ミュンスターレンダー
- ラサ・アプソ
- ラブラドール・レトリーバー
- レークランド・テリア
- レオンベルガー
- ローデシアン・リッジバック
- ロットワイラー
ワ行
ミックス犬(※1)
- 8か月未満:6kg未満
- 8か月以上:8kg未満
- 8か月未満:6kg以上~20kg未満
- 8か月以上:8kg以上~25kg未満
- 8か月未満:20kg以上
- 8か月以上:25kg以上
※ 「犬種分類表」に記載のない犬種の分類につきましては別途お問い合わせ下さい。