犬の巨大食道症(食道拡張症)の症状と原因、治療法について

最終更新日:2024年07月09日

本コンテンツは獣医師2名による確認を行い、制作をしております。

犬の巨大食道症(食道拡張症)の症状と原因、治療法について

犬の巨大食道症(食道拡張症)ってどんな病気?

巨大食道症(食道拡張症)は「アカラシア」とも呼ばれ、犬の食道が広がってしまい、その働きが低下することで、食べたものをうまく胃まで運ぶことができなくなってしまう症状を指します。

口から入った食べ物が来ると、食道は蠕動運動(ぜんどううんどう)という収縮運動によって食べ物を胃まで運ぼうとします。

しかし、犬が巨大食道症にかかっている場合、食道が何らかの原因で伸びきってしまい、蠕動運動ができなくなってしまうのです。

人間と違って犬は四本足ですので、口から胃までをつなぐ食道は地面に対して並行に作られています。

そのため、犬は蠕動運動によって胃に食べ物を送り込めないと食べ物が食道の途中で滞ってしまい、垂れ下がったような状態になってしまうのです。

どうして症状が出るの? 原因は?

犬の巨大食道症の原因としては、先天的なものと後天的なものの2種類の場合があります。

先天的な要因に関しては、犬の食道周辺の筋肉や神経に何らかの異常があることが確認されていますが、詳しい原因はまだはっきりとわかっていません。

後天的な原因としては、犬のホルモン異常、神経や筋肉の疾患、重症筋無力症や食道部分の腫瘍によるものなどが考えられています。

どんな犬が巨大食道症(食道拡張症)にかかりやすいの?

また、以下の犬種では遺伝性な要因によって発症することが確認されています。

犬の保険について

犬の巨大食道症(食道拡張症)の症状とチェック項目

犬が巨大食道症になると、胃まで食べたものが運ばれないためすぐに吐いてしまいます。

特に、犬の場合は、噴き出すように吐いてしまうのが大きな特徴です。

食べても吐いてしまうため、栄養が取れず衰弱し、どんどん痩せてしまいます。

また、犬が吐いてしまう際に戻したものが気官から肺に入ってしまうと、誤嚥性肺炎を引き起こしてしまう場合もあります。

巨大食道症が元で犬が亡くなるケースでは、この肺炎によるものが死因として高い割合を占めています。

どうやって予防したらいいの?

巨大食道症は予防や治療が難しい病気といわれています。

早期発見・早期治療が大事ですので、日ごろから愛犬の食後の状態をよく観察するようにしましょう。

特に、上記のような嘔吐の様子が見られる場合で、愛犬がまだ幼い場合はなるべく早急に動物病院での診察を受けるようにしましょう。

PS保険では巨大食道症(食道拡張症)の治療には保険が適用される?

PS保険に加入している場合、通院や入院、手術にかかる費用は補償の対象となります。

ただし、加入以前に動物病院で診療を受けた際に、巨大食道症と診断されている場合、PS保険に加入することはできませんのでご注意ください。

犬の巨大食道症(食道拡張症)に見られる症状の関連記事

犬の消化器系の病気

犬の保険について

犬種別の保険料

  • 純血犬は、犬種により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類され、それぞれ保険料が異なります。犬種の区分については、「犬種分類表」をご確認ください。
  • ミックス犬の保険料は、年齢と体重により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類します。詳しくは、「犬種分類表」の「ミックス犬」の欄をご確認ください。
  • 猫の場合は、品種によらず純血猫もミックス猫もすべて同じ保険料です。
ア行~カ行犬の品種分類表
ア行
カ行
サ行~ナ行
サ行
タ行
ナ行
ハ行~ワ行・その他
ハ行
マ行
ヤ行
ラ行
ワ行
ミックス犬(※1)
  • 8か月未満:6kg未満
  • 8か月以上:8kg未満
  • 8か月未満:6kg以上~20kg未満
  • 8か月以上:8kg以上~25kg未満
  • 8か月未満:20kg以上
  • 8か月以上:25kg以上

※ 「犬種分類表」に記載のない犬種の分類につきましては別途お問い合わせ下さい。

PS保険

記事監修:ペットメディカルサポート株式会社

動物病院での実務経験をもつベテラン獣医師および動物看護師が多数在籍するペット保険の少額短期保険会社。スタッフ全員が動物好きなのはもちろんのこと、犬や猫といったペットを飼っている者も多いので、飼い主様と同じ目線に立ったサポートに取り組んでいます。