犬がキシリトールを食べたときの症状と応急処置を獣医が解説

最終更新日:2024年07月09日

本コンテンツは獣医師2名による確認を行い、制作をしております。

歯の健康に良いと言われるキシリトールですが、犬にとってはキシリトール中毒を引き起こしてしまう有害なものです。愛犬がキシリトールをなめてしまった、食べてしまった場合、どんな症状が起こり、どう対処すべきかを獣医師が詳しく解説します。

犬がキシリトールを食べたときの症状と応急処置を獣医が解説

犬がキシリトールを食べると引き起こされる症状

キシリトールが犬にキシリトール中毒を引き起こす

中毒症状は、キシリトールを食べて30分から1時間以内に見られる

―犬がキシリトールを食べると、どんな症状が現れるのですか?

キシリトールは、犬に重い中毒症状を引き起こすことがあります。犬が中毒量のキシリトールを摂取すると、30分から1時間以内に、嘔吐、無気力、脱力感、運動失調などの症状が見られるのが一般的です。

また、摂取後、数時間から2日以内に急性肝不全を引き起こし、食欲不振、活動性低下、黄疸などの症状が見られることもあります。

犬がキシリトールを食べると引き起こされる症状

犬がキシリトールを食べたかも!? こんな症状が見られたら病院へ

  • 食欲がない
  • 元気がない
  • ふるえが続く
  • 吐いている
  • 立ち方、歩き方が弱々しい

特に緊急性の高い状態

  • 頻繁に吐いている
  • 立てない
  • 歩けない
  • ふらついている
  • けいれんしている
  • 意識がもうろうとしている
  • いつもより白目や皮膚が黄色い
  • いつもより尿が黄色い
  • 皮膚にあざのようなものがある

―キシリトールと言えば、キシリトールガムを思い浮かべますが、同成分が含まれ、犬が誤飲してしまいそうなものについて教えてください。

キシリトールは、ガムのほかにも各種食品やデンタルケア商品などに広く含まれています。例として、キャンディ、クッキー、チョコレートなどのお菓子類、イチゴやプラムなどの果物類、カリフラワーやナスなどの野菜類、清涼飲料水、人間用の歯磨き粉のほか、化粧品などにも含まれているケースがあります。

犬がキシリトールをどのくらい食べると危険なのか

犬がキシリトールをどのくらい食べると危険なのか

犬がキシリトールをなめた、少量を食べてしまったらどうなるの?

―愛犬がキシリトールをなめたり、少量を食べてしまったりしたら、どうなってしまうのでしょうか? 様子を見ていても大丈夫ですか?

キシリトールを含む食品をなめた程度であれば、犬が中毒症状を引き起こすことは少ないでしょう。実際にキシリトールは、犬用のデンタルケア商品に含まれていることがあり、適量であれば犬の口の健康に役立つものでもあります。

しかしながら、人間の食べ物や飲料などに含まれているキシリトールは、犬にとって量が多いため、少量であっても食べてしまった場合には中毒に対する注意が必要です。また、愛犬が空腹時に、キシリトールを含む食品のみを食べた場合には、中毒を引き起こされる可能性が特に高くなります。

犬にとって危険なキシリトール摂取量

犬の体重1kgあたりキシリトール0.1gで中毒症状の可能性

―どのくらいの量を食べると中毒症状が出るのですか?

アメリカの動物毒物管理センターからの報告によると、犬の体重1kgあたり0.1gを超えるキシリトールを摂取すると、中毒が起こる可能性があると言われています。

これは、一般的なキシリトールガムに換算した場合、体重1kgあたり5分の1個(0.2個)に相当します。また、キシリトールが含有されている人間用の歯磨き粉の多くはキシリトールの含有量の記載がないので、一切与えないようにしてください。例として、体重3kgの小型犬では、キシリトールを0.5g以上、つまり、一般的なキシリトールガム1個を超える量を摂取した場合に、深刻な中毒症状が起こる可能性があります。

ちなみに、犬のキシリトール中毒では、致死量について明確に示されていません。それは、個体の感受性や摂取環境(一緒に摂取した食物の有無や咀嚼状態、空腹状態など)によって体内への影響が異なるためです。しかし、キシリトール中毒の諸症状として、低血糖や急性肝不全といった深刻な病態が知られており、いずれも適切な処置をしなければ命にかかわります。

犬がキシリトールを食べてしまったときの応急処置

犬がキシリトールを食べてしまったときの応急処置

家庭内ですべき応急処置、対処法

―愛犬がキシリトールを食べてしまったら、家庭でどう対処したらいいのでしょうか?

ご自宅でできることはほとんどありません。愛犬にふらつきや嘔吐などの症状が見られる場合には特に緊急性が高いと考えらえます。まずは、すぐに動物病院を受診するか、できるだけ早く獣医師に連絡を取って指示を仰いでください。

獣医師の指示のもと、自宅で砂糖水やシロップなどを愛犬に与えることが、応急処置として有効である場合があります。しかし、愛犬にこれらをうまく飲ませられない場合は、決して無理をすることなく、すぐに動物病院を受診してください。

動物病院を受診する際には、キシリトールを摂取した可能性のある時間、量を動物病院に伝え、愛犬が誤って摂取したものと同じものが残っていれば持参してください。キシリトールの摂取量や摂取後の経過時間などから、獣医師が病態の把握や重症度の予測をしやすくなります。

愛犬の急なトラブルに、24時間365日、獣医師が電話で直接サポート

ペットメディカルサポート株式会社のペット保険「PS保険」では、24時間365日、獣医師による電話相談サービス「獣医師ダイヤル」を提供しています。愛犬のお困りごとがありましたら、いつでも獣医師に相談できます。

病院での対処法

―愛犬がキシリトールを食べて中毒を起こしたら、病院ではどのような処置をするのですか?

動物病院では症状や状況に応じた検査と処置を行います。

  • 血液検査・レントゲン検査・超音波検査など
    キシリトールの摂取による体内への影響度合や、ほかの誤食物の有無などを調べます。
    1万~2万円程度
  • 催吐処置(読み:さいとしょち、意味:はかせること)
    キシリトールを摂取してから短時間の場合に行うことがあります。
    1万~3万円程度(処置前検査ほかを含む)
  • 点滴、注射処置
    キシリトール中毒による諸症状に対する治療を行います。入院が必要な場合があります。
    一日あたり1万~3万円程度

まとめ「犬にキシリトールを食べさせてはいけない」

キシリトールは、人の歯の健康に役立つことが証明されており安心感がありますが、犬にとっては少量でも危険と捉えておいたほうが無難です。そのため、キシリトールガムやキシリトールを含む人用の歯磨き粉などは、愛犬の届く場所に置かないようにしましょう。

犬のキシリトール中毒は摂取してから30分から1時間以内に症状が出ることが多く、緊急度の高い中毒です。万が一、愛犬が摂取してしまったときには、すぐに動物病院を受診してください。

愛犬に食べさせていいかを迷ったり、何かを食べて具合が悪くなったかもしれないと思ったりしたら、獣医師監修の「犬が食べてはいけない危険な食べ物」「犬が食べても大丈夫なもの」を併せてご覧ください。

関連リンク

犬種別の保険料

  • 純血犬は、犬種により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類され、それぞれ保険料が異なります。犬種の区分については、「犬種分類表」をご確認ください。
  • ミックス犬の保険料は、年齢と体重により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類します。詳しくは、「犬種分類表」の「ミックス犬」の欄をご確認ください。
  • 猫の場合は、品種によらず純血猫もミックス猫もすべて同じ保険料です。
ア行~カ行犬の品種分類表
ア行
カ行
サ行~ナ行
サ行
タ行
ナ行
ハ行~ワ行・その他
ハ行
マ行
ヤ行
ラ行
ワ行
ミックス犬(※1)
  • 8か月未満:6kg未満
  • 8か月以上:8kg未満
  • 8か月未満:6kg以上~20kg未満
  • 8か月以上:8kg以上~25kg未満
  • 8か月未満:20kg以上
  • 8か月以上:25kg以上

※ 「犬種分類表」に記載のない犬種の分類につきましては別途お問い合わせ下さい。