犬の血尿の原因とは?オス・メスで異なる病気と対処法

犬の血尿、おしっこに血が混じって赤い原因としてどんな病気が考えられるのでしょうか。また、予防や対処法、飼い主さんが心がけたいことなどを獣医師さんに伺ってみました。

人も犬もおしっこは健康のバロメーターです。犬のおしっこが何となく赤っぽい、血尿が出ているといった症状があったら、何かの病気のサインかもしれません。すぐに獣医師さんに相談しましょう。

犬の血尿の原因は?オス・メスで考えられる病気は違う

犬の保険について

目次

おしっこが赤いからといって血尿とは限らない

犬のおしっこが赤いのはネギ中毒による血色素尿かも

―犬のトイレを見てみたら、ペットシーツの上に血尿がポタポタと垂れていました。何か悪い病気にかかっているということなのでしょうか?

おしっこの色が赤い、または茶色・ピンクがかっている場合に血尿だと考える方が多いのですが、必ずしも血尿とは限りません。血尿はその名のとおり、おしっこに血が混じっている状態なのですが、「血色素尿」でもおしっこが赤く見えることがあります。

―血色素尿とは何でしょうか?

血色素とは、赤血球の中にある赤色の色素のことを言い、ヘモグロビンとも呼ばれています。何らかの理由で赤血球が壊されてしまうと血色素が尿に混じってしまうのですが、これを血色素尿と言い、尿検査で調べることができます

犬の血色素尿は、玉ねぎを始めネギ類を誤食して中毒が起こったときに見られます。ネギ類による中毒を起こすと、血尿のほかにも可視粘膜(外から見える粘膜のこと。頬の裏や下まぶたなど)の蒼白や嘔吐、下痢、呼吸促拍などの症状が見られ、重症化するおそれがあります。

メス犬から血尿が出る原因、考えられる病気とは?

―血尿の場合はどのような病気にかかっている可能性があるのでしょうか?

避妊していないメス犬の場合は発情期の出血

避妊手術をしていないメス犬の場合は、単なる発情期の出血がおしっこに混じってしまった可能性があります。発情期には陰部が腫れ、いつもどおり元気があることもあれば、元気がない、食欲不振、落ち着きがなくなるなどの症状が見られることもありますが、基本的には治療の必要はありません。

メス犬から血尿が出る原因は、子宮蓄膿症や膀胱炎の可能性

避妊していないメスの老犬の場合は子宮蓄膿症の可能性

避妊手術をしていないメスの老犬の場合には、子宮蓄膿症の可能性が考えられます。子宮蓄膿症にかかると、嘔吐や元気がない、食欲不振、多飲多尿などの症状が見られます。

また、血の塊が混じった膿が陰部から出てくることがあり、これを血尿と見間違えてしまうことがあります。子宮蓄膿症は命にかかわる危険な病気であるため、すぐに手術をしなければなりません。

子宮蓄膿症のより詳しい原因、症状、予防については獣医師監修の「犬の子宮蓄膿症」を併せてご覧ください。

避妊手術後のメス犬の場合は膀胱炎を疑う

―避妊手術後のメス犬では、ほかにどんな原因が考えられるのでしょうか?

まず、考えなければいけない病気が膀胱炎です。犬の膀胱炎はオスよりメスでよく見られ、細菌感染や外傷、ストレスなどが原因で起こります。膀胱炎になると、元気や食欲はあるものの、血尿や頻尿、排尿困難などの症状が見られるようになります。

治療については、細菌感染による膀胱炎の場合、2~3週間程度抗生物質と消炎剤の投与を行います。治療せず放置すると、非常に危険な状態に陥る可能性がありますので、膀胱炎が疑われる場合は、すぐに適切な治療を始めることが大切です。

また、膀胱炎を引き起こす病気として、尿路結石症膀胱腫瘍があります。

膀胱炎のより詳しい原因、症状、予防については獣医師監修の「犬の膀胱炎」を併せてご覧ください。

メス犬の膀胱炎の主な原因は尿路結石症

犬の尿路結石症はメスによく見られ、細菌感染や食事のアンバランス、ストレス、犬種(ミニチュア・シュナウザーシー・ズーなどの犬種でよく起こる)などが原因で発症します。

症状は、血尿や頻尿、排尿痛などで、膀胱炎とあまり変わりありませんが、結石が詰まって尿道閉塞を起こしてしまうと重症化するおそれがあります。病院ではレントゲン検査や超音波検査を行うことで結石の有無を確認します。また、結石にはストラバイト結石やシュウ酸カルシウム結石など、さまざまな種類があるため、尿検査をすることで結石の種類を調べます。

治療方法は結石の種類により異なりますが、療法食による食事療法や止血剤などの投与を行ったり、場合によっては結石を取り除く手術を行ったりすることがあります。

メスの老犬に見られる膀胱腫瘍から血尿が出ることも

―膀胱炎以外にもメス犬の血尿が出る原因となる病気はありますか?

膀胱腫瘍もメスの高齢犬に多く見られ、そのほとんどが「移行上皮癌」という悪性の腫瘍です。症状は、血尿や頻尿、排尿困難など膀胱炎とほぼ同じで、膀胱炎の治療を行うと一時的に症状が良くなることがあります。

そのため、膀胱腫瘍だと気づかずに治療が遅れてしまうと、尿漏れや嘔吐などの症状も見られるようになります。さらに症状が進むとリンパ節や肺に転移してしまったり、腫瘍によって尿路が塞がれて急性腎不全を発症したりしてしまうことがあります。

治療方法は腫瘍ができている部位によって異なりますが、手術で膀胱を摘出したり、抗がん剤の投与や放射線治療をしたりします。

そのほか気になる犬の泌尿器系の病気については、獣医師監修の「犬の疾患 泌尿器系の病気」をご覧ください。

急性腎不全が犬の血尿の原因になることもある

オス犬から血尿が出る原因として考えられる前立腺の病気

―オス犬で血尿が出ている場合は、どのような病気が考えられるのでしょうか?

オス犬の場合は、前立腺の病気が考えられます。前立腺はオスにだけ見られる腺で、膀胱の後ろで尿道を取り囲むように位置しており、精液の一部を作る働きがあります。

―前立腺の病気にはどのようなものがあるのでしょうか?

前立腺の病気には、前立腺肥大前立腺炎前立腺腫瘍などがあります。

前立腺肥大

前立腺肥大は、加齢性の変化で男性ホルモンのアンバランスによって起こります。元気はなくなりませんが、血尿や排便困難などの症状が見られます。肥大した前立腺によって尿道が塞がると、おしっこが出なくなって重症化する危険性があるため、去勢手術やホルモン剤の投与などの治療を行います。

オス犬から血尿が出る原因は、前立腺肥大や前立腺炎、前立腺腫瘍かも

前立腺炎

前立腺炎は、細菌感染によって発症し、血尿や膿が混じった白っぽいおしっこが出ます。治療は抗生物質の投与を行い、再発防止のために去勢手術を行うことがあります。

前立腺腫瘍

まれではありますが、高齢犬には前立腺腫瘍の発生が見られ、ほとんどの場合が悪性であることがわかっています。

血尿の原因は急性腎不全でも

―そのほかにも血尿が出る病気はありますか?

急性腎不全でも血尿が出ることがあります。急性腎不全は、先ほどお伝えした膀胱腫瘍のほかにも、心疾患や薬・重金属などによる中毒、尿路結石症による尿路の閉塞などが原因で発症します。こちらは、オス・メス関係なく見られます。

血尿のほかにも元気がない・食欲不振、嘔吐、乏尿・無尿などの症状が見られ、治療が遅れてしまうと命にかかわる危険性があります。

まとめ

犬の血尿は、メスの発情期に見られる出血がおしっこに混じってしまった場合を除き、子宮蓄膿症、膀胱炎、膀胱腫瘍、前立腺の病気、急性腎不全など、発見や治療の遅れによって命にかかわる重篤な状態に陥る可能性があります。

早期発見のために定期的な健診と、疑わしい症状を見つけたら早期治療が行うようにしましょう。

そのほか気になる犬の体や行動の異常・変化については、獣医師監修の「犬の症状」を併せてご覧ください。

犬の保険について

ペット保険の契約対象となる犬種・品種について

ペットメディカルサポートのペット保険「PS保険」は、犬種により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類され、それぞれ保険料が異なります。
犬種の区分については、「ペット保険取り扱い犬種分類表」をご覧ください。

ミックス犬の保険料は、下記のように設定します。

  • 両親の犬種が共にわかっているミックス犬の場合は、いずれか大きい型に該当する保険料となります。
  • 片方の親の犬種のみわかっている場合は、わかっている親の型に該当する保険料となります。
  • 当社の「ペット保険取扱の犬種分類表」に記載のない犬種の区分については、別途お問い合わせください。
ア行~カ行犬の品種分類表
ア行
カ行
サ行~ナ行
サ行
タ行
ナ行
ハ行~ワ行・その他
ハ行
マ行
ヤ行
ラ行
ワ行
ミックス犬(※1)
  • 8ヶ月未満:6kg未満
  • 8ヶ月以上:8kg未満
  • 8ヶ月未満:6kg以上~20kg未満
  • 8ヶ月以上:8kg以上~25kg未満
  • 8ヶ月未満:20kg以上
  • 8ヶ月以上:25kg以上

※1 両親の犬種がともにわかっているミックス犬の場合は、いずれか大きい型に該当する保険料となります。片方の親の犬種のみわかっている場合は、わかっている親の型に該当する保険料となります。
※ 当品種分類表に記載のない犬種の区分につきましては別途お問い合わせ下さい。