犬がおしっこをしない原因とは?病院に連れて行くべき症状を獣医が解説

犬がおしっこをしない、トイレには行くけど何もしないで戻って来てしまう、そんな行動の背景には、どんな原因や病気があるのでしょうか。また、病院に連れて行くタイミング、予防や対処法などを獣医師さんに伺ってみました。

そのうち治るだろうと様子を見ていたら、急激に病状が悪化し、取り返しのつかない事態に陥ってしまうかもしれません。気になることがあれば、すぐに獣医師さんに相談しましょう。

犬がおしっこをしない原因とは?病院に連れて行くべき症状を獣医が解説

目次

犬のおしっこについて

犬のおしっこは回数よりも量の減少が注意

―犬のおしっこは一日何回くらいが適切ですか?

おしっこの回数には個体差がありますが、一般的には子犬で一日あたり7~10回、成犬で3~5回、老犬で5~6回くらいだといわれています。

―一日に最低何回以上おしっこが出ないと注意が必要ですか?

おしっこの回数がこれくらいまで減ったら注意が必要という基準はないのですが、回数よりもおしっこの量が減ることのほうが注意は必要になります。

一日に出るおしっこの量は健康体の場合、体重1キログラムあたり20〜45ミリリットルなのですが、おしっこの量が体重1キログラムあたり7ミリリットル以下になると「乏尿」、2ミリリットル以下になると「無尿」とよばれ、何かしらの病気にかかっている可能性が考えられます。

犬の体重1キログラムあたりのおしっこの量

  • 7ミリリットル以下になると乏尿
  • 2ミリリットル以下になると無尿(病気の可能性)

犬がおしっこをしない原因として考えられる病気とは?

犬がおしっこをしない原因として考えられる病気とは?

―犬がおしっこをしない原因としてどんな病気が考えられますか?

尿路結石症や膀胱炎、前立腺肥大、慢性腎臓病など、さまざまな病気が考えられます。

尿路結石症

尿路結石症は名前のとおり、尿路(腎臓、尿管、膀胱、尿道)に結石ができてしまう病気です。細菌感染や食事、ストレスなどが原因で起こり、メス犬によく見られます。血尿や頻尿、排尿痛(おしっこをするときに痛みから鳴くことが多い)などの症状が見られ、結石が尿路を塞いでしまうとおしっこがまったく出なくなってしまい、重篤な事態に陥ることがあります。

膀胱炎

膀胱炎は、細菌感染や膀胱結石、膀胱腫瘍などが原因で膀胱に炎症が起る病気で、細菌感染による膀胱炎は尿道が短いメス犬に、膀胱腫瘍は高齢犬のメスに多く見られます。犬が膀胱炎になると、主な症状として頻尿や血尿などが見られますが、残尿感があるため何度もトイレに行くのに、おしっこが出ないこともあります。また、膀胱結石や膀胱腫瘍が尿路を塞いでしまうとおしっこが出なくなることもあります。

前立腺肥大

前立腺肥大は、精巣から分泌されるホルモンのアンバランスが原因で前立腺が良性に肥大する病気で、去勢手術をしていない中~高齢犬のオス犬によく見られます。最初のうちは無症状の場合が多いのですが、前立腺が大きくなると尿道や腸を圧迫するようになるため、おしっこやうんちが出にくくなります。

慢性腎臓病

慢性腎臓病は高齢犬に多く見られ、数か月~数年かけて徐々に腎臓の機能が低下していきます。最初は無症状の場合が多いのですが、腎機能の低下に伴い、多飲多尿(水をたくさん飲んでおしっこをたくさんする)の症状が見られるようになります。さらに腎臓の機能が低下して末期の状態になると、むしろまったくおしっこが出なくなるため、尿毒症を引き起こすこともあります。

尿毒症になると犬に嘔吐や元気・食欲の低下などの症状が見られるようになり、重度の場合、けいれんといった神経症状が現れ、最悪の場合、死に至ることがあります。

犬がおしっこをしない、こんな症状ならすぐ病院へ

犬がおしっこをしない、こんな症状ならすぐ病院へ

―愛犬がずっとおしっこをしない、出さないでいると心配になります。どのくらいの期間であれば様子を見ていていいですか?

丸1日まったくおしっこが出ていない、もしくは少量しかでていない場合は様子を見ずに、すぐに動物病院を受診するようにしてください。

犬がおしっこをしない場合、受診を強く勧めるチェックポイント

―受診すべき症状の見分け方、併発するそのほかの症状を教えてください。

次のような症状が愛犬に見られる場合は、先ほど紹介した尿路結石症や膀胱炎、前立腺肥大などを引き起こしている可能性があります。

  • 何度もトイレに行くけれどおしっこが出ない
  • 血尿が見られる
  • おしっこにキラキラしたものや石のようなものが混じっている

また、これらの病気にかかると尿路が閉塞され、おしっこがまったく出ない状態が続くと急性腎障害を引き起こす可能性があります。急性腎障害になると、本来尿と一緒に排泄されるはずの老廃物や毒素が体の中にたまってしまい、尿毒症を引き起こします。そして、尿毒症を引き起こすと、命にかかわる深刻な事態になります。そのため、愛犬のおしっこの状態や回数、量などがいつもと違うという場合は、すぐに動物病院を受診するようにしてください。

犬がおしっこをしない場合の対処法

自宅で様子を見ずに、すぐに動物病院を受診しましょう

―犬がおしっこをしない、トイレに行っても出しづらそうにしていたら、どう対処すればいいのでしょうか?

犬がおしっこをしない、トイレに行ってもおしっこを出しづらそうにしているという場合は、自宅で何か対処をするというよりも、すぐに動物病院を受診したほうがいいでしょう。

繰り返しになりますが、犬のおしっこが完全に出ない状態が続くのは非常に危険です。もし勘違いだったらどうしようと思う必要はまったくありませんので、まずは動物病院で尿検査を受けるようにしましょう。

犬の排尿障害を予防にするには?

犬がおしっこをしない場合の対処法

―予防法や飼い主が日ごろから気を付けるべきことを教えてください。

おしっこを出しやすい環境や適切な食生活を

尿路結石症や膀胱炎の予防

尿路結石症や膀胱炎は、おしっこが膀胱に長くとどまることで起こりやすくなります。そのため、愛犬がおしっこを我慢しなくていいように、外でしかおしっこができない場合は、こまめに外に連れ出し、トイレでおしっこをしてくれる場合は、常にトイレを清潔に保つようにしましょう。また、水を飲む量にも注意が必要です。愛犬に適度に運動をさせて飲水量を増やしたり、冬場のようにどうしても飲水量が減ってしまうときはウェットフードを与えたりするのも有効です。また、尿路結石は尿中のミネラルが結晶化したものなので、ミネラルバランスのとれた食事を取らせることも大切です。愛犬に特別なフードを与える必要はありませんが、人間の食べ物を与えないようにする、犬用のおやつを与えすぎないようにするなどを心がけましょう。

前立腺肥大には去勢手術によって予防を

前立腺肥大は去勢手術によって予防できます。高齢犬に多い病気ですが、中には3歳くらいで発症するケースもあります。生後6か月齢ころから去勢手術をすることができるので、将来的に繁殖させる予定がないのであれば、早めに去勢手術を受けるようにしましょう。

まとめ

犬のおしっこの変化は、食欲やうんちなどの変化と比べると見逃されがちですが、愛犬の健康状態を知る重要なバロメーターと言えます。

特におしっこが出ない、血尿が出る、おしっこにキラキラしたものが混じっている場合は、病気が原因であることが多く、すぐに動物病院を受診して治療をする必要があります。排尿障害を始め、病気の早期発見・早期治療のためにも、日ごろから愛犬のおしっこの回数や量、色、匂いなど排尿状態を観察し、おしっこのちょっとした変化を見逃さないようにしましょう。

そのほか気になる犬の体や行動の異常・変化については、獣医師監修の「犬の症状」を併せてご覧ください。

ペット保険の契約対象となる犬種・品種について

ペットメディカルサポートのペット保険「PS保険」は、犬種により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類され、それぞれ保険料が異なります。
犬種の区分については、「ペット保険取り扱い犬種分類表」をご覧ください。

ミックス犬の保険料は、下記のように設定します。

  • 両親の犬種が共にわかっているミックス犬の場合は、いずれか大きい型に該当する保険料となります。
  • 片方の親の犬種のみわかっている場合は、わかっている親の型に該当する保険料となります。
  • 当社の「ペット保険取扱の犬種分類表」に記載のない犬種の区分については、別途お問い合わせください。
ア行~カ行犬の品種分類表
ア行
カ行
サ行~ナ行
サ行
タ行
ナ行
ハ行~ワ行・その他
ハ行
マ行
ヤ行
ラ行
ワ行
ミックス犬(※1)
  • 8ヶ月未満:6kg未満
  • 8ヶ月以上:8kg未満
  • 8ヶ月未満:6kg以上~20kg未満
  • 8ヶ月以上:8kg以上~25kg未満
  • 8ヶ月未満:20kg以上
  • 8ヶ月以上:25kg以上

※1 両親の犬種がともにわかっているミックス犬の場合は、いずれか大きい型に該当する保険料となります。片方の親の犬種のみわかっている場合は、わかっている親の型に該当する保険料となります。
※ 当品種分類表に記載のない犬種の区分につきましては別途お問い合わせ下さい。