犬の短頭種気道症候群の症状と原因、治療法について
最終更新日:2024年07月19日
本コンテンツは獣医師2名による確認を行い、制作をしております。
犬の短頭種気道症候群ってどんな病気?
短頭種気道症候群とは、短頭種と呼ばれる、鼻先が短い犬種に多く見られる病気です。
短頭種の犬は頭部の解剖学的構造上、「鼻腔狭窄」と「長すぎる軟口蓋(軟口蓋過長症)」、「声門の狭窄」といった症状が複合した場合に、特に短頭種気道症候群と呼ばれます。
犬の短頭種気道症候群の症状
短頭種気道症候群の主な症状として、鼻の穴が挟まっている、普段から鼻をグーグー鳴らす、鼻水をよく飛ばす、過度のパンティング(犬が舌を出してハァハァと行なう激しい呼吸)や息を吸うときにぜいぜい、ひゅうひゅうという呼吸音が見られます。
また、就寝時にいびきをかくことや、興奮した時にぶーぶーという呼吸音を立てるなども特徴のひとつとして挙げられます。
通常より呼吸がしづらいため、呼吸が荒くなる運動を嫌がりします。
悪化すると呼吸困難から体の熱の発散ができなくなることで、犬が熱中症にかかりやすくなり、食欲低下や失神なども見られるようになります。
どうして症状が出るの? 原因は?
短頭種気道症候群の一般的な原因としては、上記したようなマズルが短い短頭種の犬は、極めて短期間で選択繁殖されてきたため、頭の骨が短くなったにもかかわらず、その上を覆っている軟部組織が短くなっていません。
その結果、「皮膚のたるみ」「軟口蓋の垂れ下がり」「鼻腔の狭窄」が現れ、その複合が短頭種気道症候群を引き起こします。
さらに、肥満が重なると発症率は上がります。
どんな犬が短頭種気道症候群にかかりやすいの?
短頭種(顔と鼻があまり離れていない犬種)がかかりやすい
- シー・ズー
- パグ
- フレンチ・ブルドッグ
- 狆
- ブルドッグ
- ボストン・テリア
- ボクサー
- ペキニーズ
- キャバリア・キングチャールズ・スパニエル
など
犬の短頭種気道症候群の症状とチェック項目
犬に、いつもより呼吸が荒い、寝ているときにいびきなどが見られる場合は注意が必要です。
すぐに死に結びつく病気ではありませんが、重篤になると呼吸障害につながり、命にかかわります。
愛犬にこれらの症状を発見したら、お近くの動物病院へ診察してください。
どうやって予防したらいいの?
もともと鼻の短い短頭種の犬がかかりやすい病気のため、予防は困難ですが普段から肥満にさせないように心がけましょう。
また、日頃から呼吸の様子をよく観察し、少しでも愛犬に異常があれば、すぐにお近くの病院にご相談ください。
短頭種気道症候群に限らず、適正な体重を維持することで他の病気も予防できますのでしっかりと管理しましょう。
犬の短頭種気道症候群に見られる症状の関連記事
犬の呼吸器系の病気
犬種別の保険料
- 純血犬は、犬種により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類され、それぞれ保険料が異なります。犬種の区分については、「犬種分類表」をご確認ください。
- ミックス犬の保険料は、年齢と体重により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類します。詳しくは、「犬種分類表」の「ミックス犬」の欄をご確認ください。
- 猫の場合は、品種によらず純血猫もミックス猫もすべて同じ保険料です。
ア行~カ行犬の品種分類表
ア行
- アーフェンピンシャー
- アイリッシュ・ウルフハウンド
- アイリッシュ・セター
- 秋田
- アフガン・ハウンド
- アメリカン・コッカー・スパニエル
- アメリカン・スタッフォードシャー・テリア
- アメリカン・ピット・ブルテリア
- アメリカン・フォックスハウンド
- アラスカン・マラミュート
- イタリアン・グレーハウンド
- イングリッシュ・コッカー・スパニエル
- イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル
- イングリッシュ・セター
- イングリッシュ・ポインター
- ウィペット
- ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
- ウェルシュ・コーギー・カーディガン
- ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
- ウェルシュ・スプリンガー・スパニエル
- ウェルシュ・テリア
- エアデール・テリア
- オーストラリアン・キャトル・ドッグ
- オーストラリアン・ケルピー
- オーストラリアン・シェパード
- オーストラリアン・シルキー・テリア
- オーストラリアン・テリア
- オールド・イングリッシュ・シープドッグ
カ行
- カーリーコーテッド・レトリーバー
- 甲斐
- カニーンヘン・ダックスフンド
- キースホンド/ジャーマン・ウルフスピッツ
- 紀州
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
- キング・チャールズ・スパニエル
- グレート・デーン
- グレート・ピレニーズ
- グレーハウンド
- ケアーン・テリア
- ケリー・ブルー・テリア
- コーイケルホンディエ
- コーカサス・シープドッグ
- ゴードン・セター
- ゴールデン・レトリーバー
- コリア・ジンドー・ドッグ
- コリー
サ行~ナ行
サ行
- サモエド
- サルーキ
- シー・ズー
- シーリハム・テリア
- シェットランド・シープドッグ
- 四国
- 柴(小柴・豆柴も含む)
- シベリアン・ハスキー
- シャー・ペイ
- ジャーマン・シェパード・ドッグ
- ジャーマン・ポインター
- ジャイアント・シュナウザー
- ジャック・ラッセル・テリア
- スカイ・テリア
- スキッパーキ
- スコティッシュ・テリア
- スタッフォードシャー・ブル・テリア
- スタンダード・シュナウザー
- スタンダード・ダックスフンド
- スタンダード・プードル
- セント・バーナード
タ行
- ダルメシアン
- ダンディ・ディンモント・テリア
- チェサピーク・ベイ・レトリーバー
- チベタン・スパニエル
- チベタン・テリア
- チベタン・マスティフ
- チャイニーズ・クレステッド・ドッグ
- チャウ・チャウ
- チワワ
- 狆(ちん)
- トイ・プードル
- トイ・マンチェスター・テリア
- ドーベルマン
- ドゴ・アルヘンティーノ
- 土佐
ナ行
- ナポリタン・マスティフ
- 日本スピッツ
- 日本テリア
- ニューファンドランド
- ノーフォーク・テリア
- ノーリッチ・テリア
ハ行~ワ行・その他
ハ行
- バーニーズ・マウンテン・ドッグ
- パグ
- バセット・ハウンド
- バセンジー
- パピヨン
- ハリア
- ビアデッド・コリー
- ビーグル
- ビション・フリーゼ
- ブービエ・デ・フランダース
- プーミー
- プーリー
- プチ・バセット・グリフォン・バンデーン
- プチ・バラバンソン
- フラットコーテッド・レトリーバー
- ブリタニー・スパニエル
- ブリュッセル・グリフォン
- ブル・テリア
- ブルドッグ
- ブルマスティフ
- フレンチ・ブルドッグ
- ペキニーズ
- ベドリントン・テリア
- ベルジアン・シェパード・ドッグ
- ボーダー・コリー
- ボーダー・テリア
- ポーチュギーズ・ウォーター・ドッグ
- ボクサー
- ボストン・テリア
- 北海道
- ポメラニアン
- ポリッシュ・ローランド・シープドッグ
- ボルゾイ
- ボロニーズ
- ホワイト・シェパード・ドッグ
マ行
- マスティフ
- マルチーズ
- マンチェスター・テリア
- ミディアム・プードル
- ミニ・オーストラリアン・ブルドッグ
- ミニチュア・シュナウザー
- ミニチュア・ダックスフンド
- ミニチュア・ピンシャー
- ミニチュア・プードル
- ミニチュア・ブル・テリア
ヤ行
ラ行
- ラージ・ミュンスターレンダー
- ラサ・アプソ
- ラブラドール・レトリーバー
- レークランド・テリア
- レオンベルガー
- ローデシアン・リッジバック
- ロットワイラー
ワ行
ミックス犬(※1)
- 8か月未満:6kg未満
- 8か月以上:8kg未満
- 8か月未満:6kg以上~20kg未満
- 8か月以上:8kg以上~25kg未満
- 8か月未満:20kg以上
- 8か月以上:25kg以上
※ 「犬種分類表」に記載のない犬種の分類につきましては別途お問い合わせ下さい。
-
記事監修:ペットメディカルサポート株式会社
動物病院での実務経験をもつベテラン獣医師および動物看護師が多数在籍するペット保険の少額短期保険会社。スタッフ全員が動物好きなのはもちろんのこと、犬や猫といったペットを飼っている者も多いので、飼い主様と同じ目線に立ったサポートに取り組んでいます。