犬のお腹がキュルキュル鳴る。その原因は異物誤飲かも!?

犬のお腹が鳴る原因としてどんな病気が考えられるのでしょうか。また、予防や対処法、飼い主さんが心がけたいことなどを獣医師さんに伺ってみました。

人も犬もお腹が空くと、お腹が鳴ることがありますが、犬が吐いたり、下痢や血便が出たりといった症状があったら、何かの病気のサインかもしれません。すぐに獣医師さんに相談しましょう。

元気も食欲もあるのに犬のお腹が鳴る原因は異物誤飲かも

目次

元気も食欲もあるのに犬のお腹が鳴る原因とは?

―うちの犬のお腹がキュルキュル鳴っていて、今日一度だけ吐いてしまったんです。よくよく部屋の中を見たら、犬用の布製おもちゃが噛みちぎられて一部がなくなっていたのですが、それを飲み込んでしまったのでしょうか?

朝起きたときや食前に吐いてしまったのであれば、単にお腹が空いて胃液が逆流しただけという可能性も考えられます。吐いたのは食前でしたか?

―いいえ、食前ではありません。食後に部屋の中で遊んでいるときに吐いていました。

うんちの状態はどうでしょうか? 下痢や血便が出ていたり、逆にうんちが出ていなかったり、いつもより量が少なかったり、大きさが小さいということはありませんでしたか?

―うんちはいつもどおりです。今日も一度うんちをしていますが、下痢や血便ではありませんでした。

元気や食欲はどうでしょうか?

―元気や食欲もいつもどおりで、特に変わりはありません。お腹がキュルキュル鳴って吐いてしまった場合、お腹が空いた以外にはどのような原因が考えられるのでしょうか?

異物誤飲や胃や腸の炎症、膵炎、パルボウイルス感染症や犬ジステンパーなどのウイルス感染、回虫や瓜実条虫などのお腹の寄生虫感染、ストレス、運動不足による消化機能の低下などが考えられます。

レントゲン検査やエコー検査で判明した犬の異物誤飲

今回は、犬用の布製おもちゃの一部が噛みちぎられてなくなっていたということと、レントゲン検査やエコー検査の結果から、胃の中におもちゃの一部と思われる異物が確認できたので、病名は異物誤飲の可能性が高いですね。

異物誤飲をしてしまうのは子犬だけではなく成犬も

―異物誤飲とは具体的にどのような病気なのでしょうか?

異物誤飲とは、文字どおり本来口にしてはいけないものを誤って飲み込んでしまう病気です。事故といってもいいかもしれませんね。

―うちの子は、すっかり成犬になっていると思っていたのですが。

好奇心旺盛で何にでも興味を示す子犬に起こることが多いのですが、成犬でもおもちゃで遊んでいる最中に何かの拍子で誤って飲み込んでしまったり、お腹が空いて人間の食べ物などを口にしてしまったりすることもあります。

犬が誤って飲み込みやすいものには、犬用のおもちゃやクッションの綿、ペットシーツ、焼き鳥の串、チキンの骨、人間用の薬のほか、チョコレートや玉ねぎなど犬が食べると中毒を起こしてしまう可能性がある食べ物など多岐に渡ります。

―どんな症状が現れるのですか?

異物の種類や大きさなどによって異なります。無症状のこともあるのですが、嘔吐や便秘、元気・食欲の低下、腹痛などの症状がみられることが多いですね。

焼き鳥の串やチキンの骨、犬が食べると中毒を起こしてしまう可能性がある食べ物を大量に食べてしまった場合は命にかかわる危険性があるため、すぐに病院で対処する必要があります。

異物誤飲で回復手術や内視鏡手術を行うことも

―異物誤飲の治療法にはどのようなものがあるのでしょうか?

嘔吐が激しい場合や大きなもの・先が尖ったものを飲み込んでしまった場合には、胃や腸を切開して異物を取り出す開腹手術をしたり、内視鏡を使って異物を取り出したり、薬を使って吐かせたりします。

逆に症状がない場合や異物が小さい場合、中毒の心配がない場合には様子を見て自然に排泄されるのを待ちます。

また、飲み込んでしまったものが中毒を引き起こす可能性がある場合には薬を使って吐かせたり、胃洗浄を行ったり、既に症状が出ている場合は解毒剤を投与したりすることもあります。

今回は幸いなことに飲み込んだ量が少なく元気や食欲もあるようなので、このまま様子を見てみましょう。飲み込んだものがうんちと一緒に出てくるはずなので、うんちをよく観察するようにしてください。

―様子を見ていく中で、ほかに気を付けなくてはいけないことは何かありますか?

異物の除去は全身麻酔をかけ、開腹手術や内視鏡手術で

何度も吐いてしまう、元気や食欲がなくなる、うんちが出ない、異物が出てこないといった場合には、腸閉塞を起こしている可能性があり、すぐに手術が必要になります。そのため、異物が出てくるまではよく様子を見てあげてください。

―もし手術をするとなった場合、どのような流れになるのでしょうか?

開腹手術にしても内視鏡で異物を取り除くにしても、まずはレントゲン検査やエコー検査などで異物がどの位置にあるのか、腸の状態はどうなっているのかなどを確認します。

さらに、どちらの手術も全身麻酔をかける必要があるので、全身麻酔がかけられる状態かどうかを確認するために、聴診などの一般身体検査や血液検査などを行います。

そして、検査の結果から開腹手術をするのか、内視鏡で異物を取り除くのかを判断し、全身状態に問題がなければ全身麻酔をかけて手術を行い、異物を取り出します。

回復手術は約1週間の入院。内視鏡手術は日帰り

―手術後は入院などが必要になるのでしょうか?

開腹手術の場合は、点滴や注射、傷の確認、食事管理などをするため、数日から1週間程度の入院が必要になります。また、傷や点滴の針を舐めてしまわないよう、入院中はエリザベスカラーを着けて過ごします。

退院時に抜糸ができれば、自宅でエリザベスカラーを着けたり内服薬を飲ませたりする必要はありませんが、入院日数が短く退院時にまだ抜糸ができない場合は、エリザベスカラーを着けたまま自宅に帰り、抗炎症薬や粘膜保護剤などの内服薬を数日間飲む必要があります。

一方、内視鏡手術の場合は、基本的には入院せずその日のうちに帰宅でき、エリザベスカラーをする必要はありません。また、その日のうちに食事を与えることができますが、抗炎症薬や粘膜保護剤などの内服薬を数日間飲む必要があります。

放っておくと腸閉塞から重篤な事態に陥ることも

―もし手術をせず放置したら、どうなってしまうのでしょうか?

腸閉塞を起こしているにもかかわらず手術をせずそのままにしてしまうと、腸が壊死してしまったり、ショック状態に陥り命にかかわる事態に発展してしまったりする可能性があるので、「何かおかしいな」と思ったら、すぐに病院に連絡をしてください。

※獣医師監修の記事「犬の腸閉塞」をご参照ください。

異物誤飲を防ぐには住環境の工夫が大事

―異物誤飲を予防する方法はありますか?

犬は人間の赤ちゃんと同じように、食べて良いもの・悪いものを自分で判断することができません。そのため、犬の口が届く場所になるべく物を置かないことが大切です。

おもちゃを出しっぱなしにしてしまう方が少なくありませんが、今回のように誤って飲み込んでしまう危険性があるため、一緒に遊ぶとき以外はしまっておくと安心ですね。

また、焼き鳥の串やチキンの骨など、人間の食べ物の匂いが付いたものは、ゴミ箱に捨てたとしてもゴミ箱を漁って食べてしまう可能性があります。そのため、ゴミ箱に捨てたからと安心せず、ロックできるタイプの蓋が付いたゴミ箱に変えるといった工夫をしておきましょう。

犬が中毒を起こす原因となるものには、お伝えしきれないくらいたくさん種類があるため、基本的に犬用に販売されているフードやおやつをあげるようにして、ほかのものを食べさせたいときは必ず調べてからあげるようにしてくださいね。

そのほか気になる犬のお腹の病気については、獣医師監修の「犬の疾患 消化器系の病気」をご覧ください。

また、犬の体や行動の異常・変化については、「犬の症状」を併せてご覧ください。

参考文献

新獣医内科学(文永堂出版)

ペット保険の契約対象となる犬種・品種について

当社のペット保険は、犬種により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類され、それぞれ保険料が異なります。
犬種の区分については、「ペット保険取り扱い犬種分類表」をご覧ください。

ミックス犬の保険料は、下記のように設定します。

  • 両親の犬種が共にわかっているミックス犬の場合は、いずれか大きい型に該当する保険料となります。
  • 片方の親の犬種のみわかっている場合は、わかっている親の型に該当する保険料となります。
  • 当社の「ペット保険取扱の犬種分類表」に記載のない犬種の区分については、別途お問合わせください。

なお、猫の保険料については、品種による違いはありません。