犬の銅蓄積肝障害（銅起因性肝炎）の症状と原因、治療法について

最終更新日：2024年07月19日

本コンテンツは獣医師2名による確認を行い、制作をしております。

• 犬の銅蓄積肝障害（銅起因性肝炎）ってどんな病気？
• どうして症状が出るの？　原因は？
• どんな犬が銅蓄積肝障害にかかりやすいの？
• 犬の銅蓄積肝障害の症状とチェック項目
• どうやって予防したらいいの？

犬の銅蓄積肝障害（銅起因性肝炎）ってどんな病気？

銅蓄積肝障害は、肝臓における銅の排泄機能が悪くなり、銅が蓄積しやすくなる病気のことです。

銅の蓄積は犬にとって好ましくなく、結果的に肝臓の障害が起こってしまします。

ただし、この病気は犬種特異的肝障害の中のひとつであり、発症する犬種がある程度絞られます。

以下から、症状や原因について見ていきましょう。

どうして症状が出るの？　原因は？

銅蓄積肝障害にかかりやすい犬種として有名なのがベドリントン・テリアです。

発症の原因は銅の代謝障害で、これ自体は遺伝によるものです。

おおよそ25%のベドリントン・テリアが、銅代謝障害になっているとも言われています。

そのほか、ベドリントン・テリアほどではありませんが、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアやドーベルマン・ピンシャー、ダルメシアン、ラブラドール・レトリバーなどの犬種も銅蓄積肝障害、および銅関連性慢性肝炎などにかかる可能性が指摘されています。

どんな犬が銅蓄積肝障害にかかりやすいの？

• ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
• ベドリントン・テリア
• ダルメシアン
• ドーベルマン
• ラブラドール・レトリバー

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犬の銅蓄積肝障害の症状とチェック項目

銅蓄積肝障害にかかった場合の症状は、病気の進行度合いや合併症の有無、犬種などによってさまざまです。

一概には言えませんが、食欲不振や嘔吐、元気喪失、体重減少、下痢、腹水などが挙げられます。

なお、ベドリントン・テリアの場合には初期段階では異変が見られませんが、症状が出始めた場合、急性肝壊死や慢性肝炎、肝硬変などの兆候が見られるようです。

また、原因が後天性であるときの銅蓄積肝障害では、ベドリントン・テリアが1歳を超えると肝臓銅濃度が正常に戻ることもあります。

慢性肝炎のより詳しい原因、症状、予防については獣医師監修の「犬の慢性肝炎」を併せてご覧ください。

どうやって予防したらいいの？

予防法についてもやはり犬種によって大きく異なるため、ベドリントン・テリアを例にご紹介します。

銅蓄積肝障害は遺伝によって引き起こされるものが多いため、予防は困難です。

ただし、早期診断・早期治療開始が行えれば、ほとんどの場合、寿命を延ばすことができるという論文があります。

犬種特異的肝障害である銅蓄積肝障害は、関係のある犬種を飼われている方にとっては非常にナイーブな問題です。

しかし、発症のリスクがあるということを知っておけば、動物病院通院への意識も強まるはずです。

愛犬と末永く一緒に暮らすためにも、定期的な通院を行いましょう。

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