犬の糖尿病の症状と原因、治療法について
最終更新日:2024年07月09日
本コンテンツは獣医師2名による確認を行い、制作をしております。
犬の糖尿病ってどんな病気?
犬の糖尿病とは、人間同様インスリンというホルモンが不足したり、働きが弱くなったりすることにより血中の糖分が慢性的に過多になってしまう病気です。
高血糖が続くことにより、犬に様々な症状がみられます。
どうして症状が出るの? 原因は?
犬の糖尿病には「Ⅰ型糖尿病:依存性糖尿病」と「Ⅱ型糖尿病:インスリン非依存性糖尿病」の2種類があります。
前者は「インスリン」がすい臓から分泌されなくなり不足した結果、糖分が細胞に吸収されにくくなり、血液中の糖分が過剰となった状態です。
なお、犬がインスリン依存性糖尿病にかかる原因ははっきりしていませんが、一般的に遺伝や肥満、感染症、免疫介在性膵炎などが重なり合い発症すると言われています。
後者はインスリンの働きが弱くなるインスリン非依存性糖尿病で、犬がかかるケースは多くありません。
ただしメスの場合、発情期が過ぎた後の約2カ月間の黄体ホルモンが上昇したタイミングで、かかりやすくなると言われています。
どんな犬が糖尿病にかかりやすいの?
犬種問わず、加齢によって症状が現れることが多くみられます。
犬の糖尿病の症状とチェック項目
犬が糖尿病にかかってしまった場合、以下のような症状が認められます。
- 水を飲む量が増える
- 尿の量が増え、回数が多くなる
- 食欲が異常に増す
- 食べても体重が増えず痩せてしまう
糖尿病の合併症では、白内障や再発性皮膚炎・膀胱炎・膵炎などが多く、メスの場合は子宮蓄膿症になってしまうケースも見られます。
なお、症状が悪化した場合には「糖尿病性ケトアシドーシス」という状態になってしまい、嘔吐や食欲低下、元気がなくなるといった症状がみられるようになります。
さらに進行すると昏睡状態になり、命にかかわる重篤な症状を引き起こします。
犬が「糖尿病性ケトアシドーシス」にまで進行してしまった場合、運動失調や虚弱などの神経症状、心筋梗塞、肝疾患が引き起こされる可能性があります。
犬の糖尿病を治療する方法は?
通常、糖尿病治療を始めたばかりの頃は、愛犬に必要なインスリンの量を調べるため、インスリン投与後の血糖値を数時間おきに測定します。
1日でインスリンの必要量が判断できない場合には、数日間の入院もしくはできるだけ連日の通院が必要です。 インスリンの量が決まると継続治療へ移行し、飼い主さまが自宅で1日1~2回程度愛犬へのインスリン注射を行うこととなります。
また糖尿病治療ではインスリン注射に加え、食事療法や体重管理により血糖値をコントロールしていきます。 血糖値をコントロールするために、生活の管理も不可欠であるため、インスリン投与の時間や行動パターンの把握、療法食を与えることの徹底などが重要になります。
しっかり血糖値をコントロールしているか確認するため、月に1回の血液検査が必要です。頻繁に動物病院へ通う必要も出てきます。
もし来院時に糖尿病が進行し、ケトアシドーシスと呼ばれる状態になっていた場合には、入院により静脈点滴をしつつインスリン治療を行い1週間以上の長期入院が必要になることが多いです。
糖尿病の治療にかかる費用目安
まずインスリンの必要量を決めるため、血糖曲線の作成が必要です。血糖値の測定方法や回数によって費用は変わりますが、最低でも2~3万円必要です。
数日間の入院もしくはできるだけ連日の通院が必要となった場合は、翌日以降も1日1~2万円程度の費用がかかる可能性があります。
継続治療へ移行し、飼い主さんが自宅でインスリン注射を行うようになると、インスリン注射代が6,000~1万円、定期血液検査代が1~2万円が毎月必要となり、月に約2~3万円の診療費がかかります。
もし、ケトアシドーシスと呼ばれる緊急で命の危険性がある状態になっていた場合には、1週間以上の長期入院が必要になることが多く、治療費の合計が15万円以上になる可能性もあります。
糖尿病治療ではインスリン注射に加えて、食事療法や体重管理をする場合が多く、療法食代が必要になります。治療費用や方法などは動物病院によって差がある場合もあるため、糖尿病であることがわかった場合に、今後の治療計画や費用についてあらかじめ確認しておくと安心です。
※診療費は参考例であり、動物病院によって異なります。
どうやって予防したらいいの?
糖尿病の予防に効果的なのは、バランスの取れた適度な食事と運動です。
日ごろから犬が肥満にならないよう適切な食事量と運動管理を心がけ、多飲多尿などの症状が見られた場合には、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
犬の糖尿病治療は人間と同じく、生涯にわたってインスリン注射を続けることです。
飼い主さんにとっても犬にとっても負担が大きい治療であるため、発症のリスクを減らしてあげるような生活を心がけるようにしましょう。
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犬の内分泌系の病気
犬種別の保険料
- 純血犬は、犬種により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類され、それぞれ保険料が異なります。犬種の区分については、「犬種分類表」をご確認ください。
- ミックス犬の保険料は、年齢と体重により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類します。詳しくは、「犬種分類表」の「ミックス犬」の欄をご確認ください。
- 猫の場合は、品種によらず純血猫もミックス猫もすべて同じ保険料です。
ア行~カ行犬の品種分類表
ア行
- アーフェンピンシャー
- アイリッシュ・ウルフハウンド
- アイリッシュ・セター
- 秋田
- アフガン・ハウンド
- アメリカン・コッカー・スパニエル
- アメリカン・スタッフォードシャー・テリア
- アメリカン・ピット・ブルテリア
- アメリカン・フォックスハウンド
- アラスカン・マラミュート
- イタリアン・グレーハウンド
- イングリッシュ・コッカー・スパニエル
- イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル
- イングリッシュ・セター
- イングリッシュ・ポインター
- ウィペット
- ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
- ウェルシュ・コーギー・カーディガン
- ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
- ウェルシュ・スプリンガー・スパニエル
- ウェルシュ・テリア
- エアデール・テリア
- オーストラリアン・キャトル・ドッグ
- オーストラリアン・ケルピー
- オーストラリアン・シェパード
- オーストラリアン・シルキー・テリア
- オーストラリアン・テリア
- オールド・イングリッシュ・シープドッグ
カ行
- カーリーコーテッド・レトリーバー
- 甲斐
- カニーンヘン・ダックスフンド
- キースホンド/ジャーマン・ウルフスピッツ
- 紀州
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
- キング・チャールズ・スパニエル
- グレート・デーン
- グレート・ピレニーズ
- グレーハウンド
- ケアーン・テリア
- ケリー・ブルー・テリア
- コーイケルホンディエ
- コーカサス・シープドッグ
- ゴードン・セター
- ゴールデン・レトリーバー
- コリア・ジンドー・ドッグ
- コリー
サ行~ナ行
サ行
- サモエド
- サルーキ
- シー・ズー
- シーリハム・テリア
- シェットランド・シープドッグ
- 四国
- 柴(小柴・豆柴も含む)
- シベリアン・ハスキー
- シャー・ペイ
- ジャーマン・シェパード・ドッグ
- ジャーマン・ポインター
- ジャイアント・シュナウザー
- ジャック・ラッセル・テリア
- スカイ・テリア
- スキッパーキ
- スコティッシュ・テリア
- スタッフォードシャー・ブル・テリア
- スタンダード・シュナウザー
- スタンダード・ダックスフンド
- スタンダード・プードル
- セント・バーナード
タ行
- ダルメシアン
- ダンディ・ディンモント・テリア
- チェサピーク・ベイ・レトリーバー
- チベタン・スパニエル
- チベタン・テリア
- チベタン・マスティフ
- チャイニーズ・クレステッド・ドッグ
- チャウ・チャウ
- チワワ
- 狆(ちん)
- トイ・プードル
- トイ・マンチェスター・テリア
- ドーベルマン
- ドゴ・アルヘンティーノ
- 土佐
ナ行
- ナポリタン・マスティフ
- 日本スピッツ
- 日本テリア
- ニューファンドランド
- ノーフォーク・テリア
- ノーリッチ・テリア
ハ行~ワ行・その他
ハ行
- バーニーズ・マウンテン・ドッグ
- パグ
- バセット・ハウンド
- バセンジー
- パピヨン
- ハリア
- ビアデッド・コリー
- ビーグル
- ビション・フリーゼ
- ブービエ・デ・フランダース
- プーミー
- プーリー
- プチ・バセット・グリフォン・バンデーン
- プチ・バラバンソン
- フラットコーテッド・レトリーバー
- ブリタニー・スパニエル
- ブリュッセル・グリフォン
- ブル・テリア
- ブルドッグ
- ブルマスティフ
- フレンチ・ブルドッグ
- ペキニーズ
- ベドリントン・テリア
- ベルジアン・シェパード・ドッグ
- ボーダー・コリー
- ボーダー・テリア
- ポーチュギーズ・ウォーター・ドッグ
- ボクサー
- ボストン・テリア
- 北海道
- ポメラニアン
- ポリッシュ・ローランド・シープドッグ
- ボルゾイ
- ボロニーズ
- ホワイト・シェパード・ドッグ
マ行
- マスティフ
- マルチーズ
- マンチェスター・テリア
- ミディアム・プードル
- ミニ・オーストラリアン・ブルドッグ
- ミニチュア・シュナウザー
- ミニチュア・ダックスフンド
- ミニチュア・ピンシャー
- ミニチュア・プードル
- ミニチュア・ブル・テリア
ヤ行
ラ行
- ラージ・ミュンスターレンダー
- ラサ・アプソ
- ラブラドール・レトリーバー
- レークランド・テリア
- レオンベルガー
- ローデシアン・リッジバック
- ロットワイラー
ワ行
ミックス犬(※1)
- 8か月未満:6kg未満
- 8か月以上:8kg未満
- 8か月未満:6kg以上~20kg未満
- 8か月以上:8kg以上~25kg未満
- 8か月未満:20kg以上
- 8か月以上:25kg以上
※ 「犬種分類表」に記載のない犬種の分類につきましては別途お問い合わせ下さい。
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記事監修:ペットメディカルサポート株式会社
動物病院での実務経験をもつベテラン獣医師および動物看護師が多数在籍するペット保険の少額短期保険会社。スタッフ全員が動物好きなのはもちろんのこと、犬や猫といったペットを飼っている者も多いので、飼い主様と同じ目線に立ったサポートに取り組んでいます。